MOTコレクション 歩く、赴く、移動する (中編)
東京都現代美術館のMOTコレクション展のレポート中編です。
※前編で書いたように、ガイドさんの案内で回っています。本レポートではその一部を取り出して書いています。
清澄白河を歩く
つづいてやってきたのは、「清澄白河を歩く」。
深川、木場、清澄白河といった、美術館が建つ周辺地域を歩いた作家たちに光を当てています。
中野淳
クサナギシンペイ
光島貴之
麻生知子・武内明子(ワタリドリ計画)
ご近所で何度も遊びに来ている清澄白河にまつわる作品たちに、とても親近感を覚えました。
川沿いの風景。建物や見た目はもう変わってしまっているのですが、用水用の橋など、今も機構として残っている部分ってありますよね。このように、水のある景色には時が移っても何かしら共通する部分があり、それが既視感→なつかしさや共感として立ち現れるんじゃないかなとおもいます。
ワタリドリ計画のお二人の作品。軽やかで、でも落ち着いていて。一緒に旅をしている気分が味わえます。めちゃくちゃホテルに泊まりたくなりました…!(このあと清洲橋に行っちゃいました)
今回の展覧会のお気に入り作品の1つ。
江東区は、とにかく川(と橋)が多いんです。私はそれを日々見ているので、一瞥したときに、この絵が水辺や橋のように見えました。他の人にはどう映るんだろう。
あと気になったのは、クサナギさんは、なぜこの絵のタイトルを「荒野へ」としたのだろう?ということ。「半透明の中間領域」は「荒野」である、となんですよね。荒れた野…。どんなものを見たのだろう。
そのほか、光島貴之さんの手で触れる作品「ハンゾウモン線・清澄白河から美術館へ」も冒険だったなあ。目をつぶって触るんです。これはぜひ他の方にも体験してほしい。ダイアローグ・イン・ザ・ダークに行きたくなった。
世界を歩き、移動する
続いては、1960-1970年代および現代において、世界を旅しながら制作する作家たちの作品が紹介されています。
石川直樹さんは写真集を持っていました。人がかつていた地に赴き、足跡を伝えてくれる写真家です。
写真の力ってすごいですね。見た瞬間「これはなんだと思う?」と問いかけてくるような、そんな気がしました。
さて、レポートは次で最後です。
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