いっちゃん
10年前の不安と今の不安
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10年前の不安と今の不安

いっちゃん

2011年3月11日


関西に住む私は、ゆらゆらとゆっくり揺れる家に戸惑っていた。
昔阪神大震災を経験したのですが、その時とは全く違う。
震源は遠いどこかなのではないか。

慌てて家で仕事をしていた旦那の部屋に入った。
テレビではワイドショーがやっていて、東北で大きな地震が起こったことを理解した。

その後は皆さんご存知の通り。
未曾有の災害が起こたのです。

一日中流れる悲しくて恐ろしい現実に、私は体調を崩して寝込みました。
その2日後どうしても体調がすぐれず、念のためにと調べると妊娠していた。
妊娠が分かった瞬間、喜びが込み上げた。
旦那に伝えに行くと
「日本がこんな大変な時やけどな」
と言った。
手放しで喜ぶのは気が引けた。

しばらくすると、悪阻が襲ってきた。
ひどい吐き悪阻で寝込んでしまった。
トイレと布団の往復で1日が過ぎていく。

私はただ地震の報道を一日中見ていた。
吐き悪阻で辛い妊婦さんも被災者でいるだろう。
赤ちゃんを連れて不安なママもたくさんいるでしょう。
辛い思いをしているはず。
私はテレビ見て、眠って。
吐き気が辛いなんて言ってる場合じゃない。
自分の不甲斐なさに涙が出た。
こんな弱い私が母になって、災害が起きた時に子を守れるのだろうか。

そのうち食べ物はトマトとガリガリくん以外受け付けなくなった。
受け付けられるものでも食べたら全部吐いた。
水も飲んだそばから吐いた。
体重がどんどん減っていった。
脱水で悪阻が終わるまで点滴を毎日受けていた。

私はその中でどんどん母になっていく。
お腹の子供が愛おしかった。
なんとしてでも守りたいと言う気持ちが焦げついた。
これは妊婦特有の不安定さだろうか。
ぷすぷすと燃える不安と決意が混じっては散る。

子供は秋に無事産まれた。
辛い出産も子供が産まれれば嫌な思いはすぐに消え去った。
でも、悪阻の時に泣きながら見ていた報道番組は忘れられない。
その時の吐き気と心の痛みと不安。
10年経つ今でも鮮明に思い出す。

子供は今年の秋に10歳になる。
あの時思った
「私は子供を守れるだろうか」
と言う不安。
10年経った今は
「自分に出来ることを全力尽くして守るしかない」
と思う。
子育てに不安はつきものなのだと知った。
不安があるからこそ守れるのだと思っている。
たくさん不安を抱えてたくさん知ろう。
その不安こそが人を守れる術の一つなのかもしれない。

子供は悩みや不安や憤りを感じながらも楽しく生きている。
私は成長する子供を見ながら、これからもこんな普通の日々を慈しんで行こう。
普通の日々は最大の幸せなんだから。

絵日記ブログ書いています。
良かったら見てください。

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いっちゃん
旦那と娘(9歳)と猫(3歳)と暮らす主婦。普通の毎日をいかに楽しく生きるか。それを追い求める孤高じゃ無い女の日常。