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完全な菜食主義者(ヴィーガン)とはなんなのか?まとめてみた!

こんにちは!ヴィーガンのトレンドを追う変態、亀田すみれです。
ヴィーガングルメメディア【スマベジ】を運営しています。

先日インタビューをしていただいたのですが、ヴィーガントレンドや市場の話が好きすぎて2時間以上話してしまいました(超迷惑)
私のダラダラとした話を上手にまとめてくださってるので是非チェックしてみてください!

https://bit.ly/3FisSN0

はてさて。

夏にインスタのフォロワーを一万人にするため、リソースを全振りし続けて達成した後、燃え尽き症候群でNOTEの更新も途絶えておりましたが、書きたい事が溜まっていきたので少しずつ書いていこうと思います。


今回は、「完全な菜食主義者」について。

オリンピックのために去年あたりから増えてきた、大手チェーン店のプラントベースメニュー。
それらのプレスリリースが出るときに必ず書いてある、この一文。

※完全な菜食主義の方に向けた商品ではありません。

なんでこの注意書きが書いてあるのかお分かりになるでしょうか?
今日はこれについて書いてみようと思います。


完全菜食主義者(ヴィーガン)の定義とは?

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菜食主義(さいしょくしゅぎ、英: Vegetarianism)とは、動物性食品の一部または全部を避ける食生活を行うことである[1]。健康、倫理、宗教等の理由から実践する人は、一般的に菜食主義者(ベジタリアン)と呼ばれる。完全に避ける人を完全菜食(ヴィーガン)と呼ぶ。菜食主義の分類は、何を忌避するかによって異なる。

ウィキペディアより引用

ふむふむ。
完全菜食=ヴィーガンですね。


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一般的なヴィーガンの定義はこんな感じだと思います。
絶対に共通しているのは、

①出汁を含む肉魚乳卵蜂蜜を含む動物性食品を食べない
ということです。

②動物由来、動物実験をした衣類やコスメを使わない
という食以外のルールもありますが必ずしも徹底されているわけではない、という印象です。

(ヴィーガンコスメと名乗る「商品」の場合は動物由来の原料や動物実験をしていない、というのは必須条件となります。)



以前の記事でも書いたのですが、ヴィーガン、ベジタリアンを実践する人にはそれぞれ違う理由があります。

大きく分けると、
■動物愛護
(動物を傷つけることに加担しない)
■環境保護
(環境悪化させることに加担しない)
■健康
(自分や家族の健康を損ねない)

です。他、日本では少数ですが宗教上の理由もあります。

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それぞれが独立しているというより、複合的な理由の場合が多いです。
そして、それぞれに、気にするポイントや程度が違うのです。

基本的には、出汁を含む肉魚乳卵蜂蜜が入っていない料理は【ヴィーガン料理】と呼べます。
ですが、これ以外にも色々な条件をクリアしていなければ「ヴィーガンとは言えない」と言う人がいるので、

※完全な菜食主義(ヴィーガン)の方に向けた商品ではありません。

と注意書きが入るのだと思います。

さて具体的に、どんなトラブルが考えられるか挙げていこうと思います。

■ヴィーガンメニュー、商品で起こりうるクレーム

ヴィーガン専門店でないお店がヴィーガンメニューを導入するときにどんな問題が考えられるのか、まとめてみました。


★の数はあり得る度です。
厳格でないヴィーガン7:厳格なヴィーガン3
ぐらいと考えて、3割の中のあり得る度です(個人的な体感)

①調理場所、調理器具が動物性食品と同じである★★☆

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ヴィーガン専門店でない限り、調理器具や調理場を完全に分けるのは難しいと思うのでクレームになる確率は低いとは思いますが、これを忌避する人はいます。
【宗教】上の理由(留学生など)や【動物愛護】の方が多い気がします。

「味やエキスがうつりそう」「同じまな板や包丁で調理するのは気持ち悪い」という感じだと思います。


②揚げ物の油が動物性食品と同じである★★☆

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野菜の揚げ物は、衣などに卵や乳を使っていなければヴィーガンもOKと思えますが、肉と同じ油で揚げられるのは嫌だという人もいます。
これも調理器具と同じ理由です。

ちなみに、揚げ油が動物性油脂の場合は当然ヴィーガンNGとなります。
マクドナルドのポテトは牛脂で揚げられているためNGなのは有名です。

油と同じように、茹でる用のお鍋のお湯なども注意が必要です。

●動物性油脂で揚げられた植物性食品は×。
●動物性食品と同じ油で揚げられた植物性食品は基本○(人により×)

というのがヴィーガンでは一般的なルールになっている気がします(体感)
「少しでも動物性が含まれたらヴィーガンとは言えない」という人と
「同じ油で揚げることで動物の犠牲は増えていない」という視点があります。人によって視点が違うので意見が分かれるところなんだと思います。


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「揚げ物は全て同じフライヤーの油(植物性)で揚げています。」
写真はココイチの大豆ミートのメンチカツに記載されている注意書き。


③パーム油を使っている★★☆

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油が植物性ならOK!と思いきや、その油が環境破壊の原因と言われているパーム油だった場合、NGになる場合があります。
パーム油がNGなのは、住処を奪われるオランウータンを守りたい【動物愛護】の人や【環境保護】の人がメインだとおもいます。
これに関しては、チェーン店やファーストフード店では避けるのが難しいのが現状だと思います。パーム油を忌避する人はそもそもファストフード店に行かない確率も高いです。


③白砂糖を使っている★★☆

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白砂糖は精製の過程で牛炭が使われるため、NGになる場合があります。
これは、動物が犠牲になっているものを摂取したくない【動物愛護】の人、白砂糖は身体に悪いとして避けている【健康】理由の人がいます。

ヴィーガンレストランでは「白砂糖は使っていません」「砂糖はきび砂糖を使用しています」など書かれています。もしくは一才甘味料を使わない強者もいます。

白砂糖の難しいところは店員さんに聞いてもわからないところだと思います。お店で全て手作りしているところならまだしも、業務用の調味料などはほぼ入っていると思いますし、原材料まで問い合わせるのは現実的ではないのかなあと思います。なので、そこまで拘らないという人も多い印象です。



④遺伝子組み替え、添加物を使っている、オーガニックでない★★☆

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大手カフェチェーンがプラントベース商品を発売した時、材料を問い合わせて「こんなに添加物が入っている!!」とSNSで公表している人がいました。
遺伝子組み換えや添加物を気にするのは【健康】の方が多いですが、多くの添加物は動物実験を経ているという理由で避ける【動物愛護】の人もいます。
また、食品添加物の中には動物由来のものだったり、植物なのか動物なのかわからない化学的なものもあります。

多くの大手チェーンやファストフードが「ヴィーガン」という言葉を避けている1番の理由はここにあるのではと思っています。
添加物の存在がグレーであるがために、ヴィーガンという言葉を使わずプラントベースなどの言い換えにスライドしています。


⑤お肉を扱っている

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ヴィーガン専門店でなければ、普通のことなのでクレームになることはないと思いますが、たとえヴィーガンメニューがあってもこれが理由で行かない人はいます。

「お肉を扱っている企業にお金を落とすことはその企業を応援することになるので行くべきではない」という考え方です。出資先を気にする人もいます。これは【動物愛護】【環境】【健康】どの理由の人にも有り得ます。

⑥企業、店の人がヴィーガンではない

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働いている人も作る人もヴィーガンの人がいい、という人も時折います。
理由は⑤と似ていますが、お肉を食べている人に料理されたくない、お金を落としたくないという理由だと思います。
他の理由に比べると割合は少なめです。


⑦ゴミが多い

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ストローや皿、カトラリーなどがが使い捨てだったり、ゴミが多いお店などはヴィーガンメニューであっても避けられる場合があります。
【動物愛護】や【環境】の方が多いと思います。


⑧五葷(ごくん)やお酒を使っている

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【動物愛護】【環境】【健康】とはまた別の理由ですが、台湾に多いオリエンタルベジタリアンにはネギ、ラッキョウ、ニラ、ニンニクなどの香りが強い五葷やお酒を避けます。台湾に多いですが、日本人の中にもいます。
そういう方はヴィーガン用のメニューであっても玉ねぎなどが入っていて食べられない事があります。


まとめ


いかがだったでしょうか?
長くなってしまったのでまとめます。


■ヴィーガンの基本
①出汁を含む肉魚乳卵蜂蜜を含む動物性食品を食べない

②動物由来、動物実験をした衣類やコスメを使わない


■ヴィーガンの理由
・動物愛護
(動物を傷つけることに加担しない)
環境保護(環境悪化させることに加担しない)
健康(自分や家族の健康を損ねない)

そしてそれぞれの理由により下記を避ける人もいます。

①調理場所、調理器具が動物性食品と同じである
②揚げ物の油が動物性食品と同じである
③白砂糖を使っている
④遺伝子組み替え、添加物を使っている、オーガニックでない
⑤お肉を扱っている
⑥企業、店の人がヴィーガンではない
⑦ゴミが多い
⑧五葷(ごくん)やお酒を使っている

大手ファストフードやチェーン店では、こういうの全部をまとめて「完全な菜食主義者」とし、

※完全な菜食主義の方に向けた商品ではありません。

という注意書きをしているのだと思います。

ヴィーガンという思想は、端から見れば「なんで○○はよくて●●はダメなの?」と理由に納得できなくて意味不明に思うことも多いと思います。

(「調理器具が同じで肉汁が混入」はOKだけど「動物性の出汁」がダメって微妙だよなあと私でも思いました。)

更にヴィーガンの中にも皆がそれぞれのこだわりを持っているので、ごっちゃになって分かりにくくなるところがあります。

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程度の違いはあれど、どの理由にも共通しているのは、

「買い物は投票と捉え、自分が賛成できない行為に加担しない」

という姿勢だと思います。

ヴィーガンの人達がどういう理由で、「厳格」なのか理解できれば飲食店や企業の人もちょっと対応もしやすくなるかな?と思ってまとめてみました。

抜けている点や疑問に思う部分があれば気軽にコメント、DMください!
ヴィーガンメニュー導入に向けた、調味料など気をつけた方がいい事なども今度まとめてみようと思います。それでは、また次回。

ヴィーガングルメブログ

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