日本の教員評価に対するILO・ユネスコ勧告

今回この本を読んで特に興味を持った章は第3章だ。教職課程をとる人の中には資格として教員免許を取っておきたいという人が多いが、私は昔から教職に興味があり、将来は一般企業に勤めるのではなく、教壇に立ちたいと思っている。だからこそ、教職課程の授業を受けるたびに自分の将来なりたい教員像について考えることは多いし、学校現場の在り方について考えることもある。

私は小学生の時から素晴らしい先生方との出会いに恵まれてきた。先生方は私に気さくに接してくれたり、相談に乗ってくれたり、部活の指導を熱心にしてくれたりした。そして何よりも先生方の授業が私は毎日楽しく受けることができていた。先生方の授業は十人十色で唯一無二のものだった。言葉遣いが素敵な国語の先生、授業についていけない生徒に合わせる数学の先生、民主主義の大事さを教えてくれた社会の先生。

私はそんな先生方に憧れると同時に自分にそれができるのかという不安がある。教壇にいざ立ったとき生徒が楽しんでくれる授業が本当にできるだろうか。きっとすぐにはできないだろう。そんな時自分を助けてくれるものは何だろうか。

それは生徒の声だ。授業、そして学校は教師だけがつくるものではなく、生徒と教師でつくっていくものだ。生徒は未熟な子どもで、そんな力はないと考えるのかもしれない。しかし、生徒は教師が授業の司令官になる授業より自らが授業を作り上げる授業のほうが受けていて何倍もの充実感を感じるだろう。

そして生徒の未熟とも思われる若さは授業にいいスパイスになるだろう。大人には考えられない新しい意見が授業の中で出されることもある。いろんな意見が出ることが授業の醍醐味の一つだろう。

この本では生徒の授業評価について記されている。授業評価に対する不信感は強くなっているそうだ。私はよりよい授業をつくっていくために生徒の意見は必要だと考えるが、授業評価アンケートでは本当の意味での生徒の声は届かないように思われる。数値では生徒が授業に対してどう思っているのかがわからないし、名前を書いて提出するのは教師に遠慮して本当の意見を言えないからだ。匿名にして点数制にするのを変えたら生徒の声はより届くのではないだろうか。

さらに、授業を自分たちが作っていき、よりよいものにしようとしている生徒は少ないのではないだろうか。だから授業評価も適当にしてしまう生徒は多い。その状況を変えるためにも教師は生徒と教師の二人三脚で授業をつくっていかなくてはいけないということを積極的に生徒に伝えていく必要がある。

私はずっと自分一人が授業を作るものだと思っていて、勝手に一人で不安になっていた。でもそれは勘違いだとこの本が教えてくれたし、自分の中で新しく理想の教師像、授業像が作られた。大学時代には教員免許をとる勉強をするだけでなく、本を読み将来に役立てることも大事だろう。これからも教育に関する本を読んで自分の教育に対する考えを深めていきたい。

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