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ドジしてズルして隠ぺいしたことを4歳に見抜かれて諭された

小さな娘に「正直であること」の大切さを教えてもらった話です。悪人母がどうやって改心したのか、最後までお付き合いください。

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私は「壊し屋」

これを言うとお客が減ってしまうかもしれませんが、私はモノを壊してしまう才能をもっています。
一番被害にあっているのが夫。これまで、彼のモノをどれだけ壊してしたか数しれず。


私が覚えているだけでも
ミル付きコーヒーメーカー専用ポット(それないともう使えないよね)
深大寺で買ったごはん茶碗(時間をかけて選んだのに)
どこかで買ったごはん茶碗(2つもかい)
マグカップ2つ(懲りないねぇ)

夫のことを愛しているのに、なぜか夫のモノに限って手が滑って壊してしまうのです。

ファイヤーキングをまた割った

夫はモノ選びが大好きでこだわりがあります。

ジーンズなら○○
アロハシャツなら○○
スニーカーなら○○
Tシャツなら○○


カルチャーやモノが生まれた背景まで知り尽くし、王道の中でも知る人ぞ知るというモノを選びます。
これらのモノについて質問すると誰よりも無駄なくわかりやすく説明してくれます。

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突然ですが、ファイヤーキングをご存知ですか?ファイヤーキングとは今生産されていない、アメリカのヴィンテージ食器で、ご存じの方も多いでしょう。古着屋さんによく置いてある緑の食器です。

アメリカ大好きな夫はそのヴィンテージ食器のファイヤーキングを所有し、大切に使っていました。
もう想像できた方もいるでしょうが、ある日ついに私は夫の大切なDマグと呼ばれる1万円以上するマグカップを棚から落として壊してしまったのです!!

ワタワタオロオロする私に
座った目で「俺に恨みでもあるの?」と怒りを抑えての一言。

ごめんなさいーーーーー!!!!!
わざと壊したわけではないけれど結果的に夫を残念な気持ちをさせてしまいました。反省し後悔し自分を責めてアリのように小さくなった私です。
そのDマグ破壊事件から数か月後、夫は新しいファイヤーキングを買ってきました。今度は白です。前回の緑ちゃんよりは少し値段も抑えめのご様子。

もう二度と割るモノかと思っていたのですが、ご期待通りドジな私はまたやってしまった。
キッチンカウンターに落としてしまい大きな破壊音。聞きつけた4歳の娘が慌てて飛んできました。

「あっ!!! ママ!! また割っちゃったの?」

どどどどどどうしよう・・・・・・

今まで散々謝ってきたのにもうこれ以上どうすればいいのだろう?どうしようどうしようどうしよう!?いくら考えても頭の中はパニックで解決策が見つかりません

え?素直に謝ればいいじゃないって? 数々のモノを壊してきた罪悪感からもう誤って済むとは到底思えません。

もう私には
”隠ぺい”
という選択肢しか思い浮かびませんでした。

失敗をなかったことにしようという浅はかな考えが浮かぶほど、私は動揺していたのです(だったら割らないように注意しろよって話ですよね、ハイ)

そして私は娘を巻き込みました。神妙な顔で娘を呼びます。
「ママが白いマグカップを割ったこと、絶対パパに言っちゃいけないよ」
娘の大好きなキャラメルをそっと手に握らせて。
彼女は私の目を見て真剣にうなずきました。よし、契約成立。4歳の娘は私と違ってしっかり者なので娘から漏れることはきっと、ない。

ここまで読んだ方は信じられないかもしれませんが、私は嘘がつけません。どの口で言っているのかとあきれるかもしれませんが、とても正直な人間です。むしろ正直すぎて損してきたくらいです。

娘に協力してもらった私は、1万円だろうが2万円だろうが買ってやる!と同じマグカップを購入しようとネット検索。ここで初めてファイヤーキングの価値、種類などを知りました。

あ、前回の緑のほうが価値があって高かったんだ。
商品によって愛称があるんだね。
えっ!!もう作ってないの!?
アンティークだったのね・・・涙

子ども二人を連れて近くの古着屋さんにも探しに行きました。

ないないない。ネットにもお店にも、どこにもない!!!
どうしよう!!!!
それからの私は指名手配犯のように、何していても事件のことが頭から離れず落ち着かない日々を過ごしました。

朝、いつもコーヒーを飲む夫に緑茶を出したり コーヒーが出ないメニューにしてごまかす。
その都度娘は私をチラチラ見てくる。チラチラ見る娘を私が目ヂカラで伏せる。そんなトゲトゲしい毎日を過ごしていました。
ごめんよ、娘。

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娘がおぜん立てしてくれた謝罪劇場

ごまかしの日々に疲れ果てていた、10日ぐらい経ったある週末の朝。浮かない顔の私を見た娘が、決意したように夫の所に行き

「パパ、ママのこと絶対に怒らないって約束してくれる?ママのこと怒っちゃだめだよ?絶対だよ!?」
と夫に懇願しているのです。何のことやらわからず、でも娘の様子に押された夫が「う、うんわかったよ」と返事。
そしてキッチンにいた私の手をにぎりしめ「ママ、パパが絶対に怒らないって言ってるからちゃんと謝ろうね、大丈夫だから。私がついてるから」と言うのです。
なんてこと…4歳の小さい我が子にここまでさせて、私って…。
これぞ悪人が改心する瞬間です。
もう正直に謝るしかない、とリビングにて一世一代の謝罪劇場。マグカップを割ったことを詫び、ふかぶかと頭を下げました。

さすがに夫は叱りませんでした。またかという呆れた顔していましたが子どもにここまでされて大人気なく叱る夫でもありません。私は思いもよらぬ橋渡しに驚き、同時に申し訳なさがこみ上げてきました。

もう、絶対に誰のモノも壊さないぞ!!!

モノとココロはつながっている
家族の大切なモノは自分のモノ以上に大切にあつかおう。不注意による破壊が積み重なると信頼がなくなってしまうということを学びました。


そして…
やっぱり、ずるはいかん。
それを取り繕うことはもっといかん(小学生レベルの話しているということは重々承知)
大人げない行為を深く深く反省したのでした。

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かくいう私は片付けのプロ。お客様のお宅に行ってたくさんのモノを触ります。壊し屋がお客様の大切なモノを触っているのです。
恐ろしい話と思うでしょうが、毎回夫のファイヤーキングを思い出しながらそろりそろりと作業しております。もちろん損害賠償の保険には入っていますが、持ち主がどれだけモノを大切にしているかということを苦い経験から自覚しながらお仕事させていただいております。

この出来事を書くにあたって

夫に私の破壊履歴を確認してみました。ミル付きコーヒー、深大寺の茶碗などは夫の記憶から抹消されていて、ファイヤーキングをふたつ壊されたという記憶しか残されていませんでした。このふたつは特に思い入れがあったのだと改めて反省し、「ごめんね」と再度謝ったら無視されたって話。やっぱりモノとココロはつながってるね。ほんとごめん。


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