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新しい参加者のことー有料老人ホームにて

先日、有料老人ホームでのスマイルミュージックに
新しいご婦人が参加されました。
歳は70代後半から80代前半。
珍しくマスクをして参加されていました。
それからわかることは、認知症はあったとしても軽く、
感染症の対策が自分自身でできているということです。
他の参加者はマスクの必要性が理解できないので、付けたとしても外してしまいます。
表情や話し方は暗く、ちょっと心配しながら観察していました。
(鬱の傾向があるのかな、と懸念したからです)

スマイルミュージックは音楽で笑顔になってもらうという目的があります。
私は、この新しい参加者の方が少しでも笑顔になってくれるよう
関わろうと思いました。

今回のプログラムのテーマは「夏の想い出」。
ラジオ歌謡の「夏の想い出」をまず歌います。
そして、ホワイドボードに「夏の想い出」と書き、
一人一人に質問していきます。

新しく参加された方は少し考えて
「子どもの頃に住んでいたところは近くに海がないので
沼みたいな池みたいなところでズロースと肌着だけになって泳ぎました。」
「赤土の沼なので水がドロドロで、下着が茶色に染まってしまいました。」
そこで少しニコッと笑いました。
そして「こんなこと、ずっと忘れていましたが、思い出して嬉しいです。」
とも言いました。
そのあと、想い出がたくさん蘇ったのでしょう、
その沼は田んぼに水を引くためにも利用していた、とも話していました。
あとで、訊くと、岐阜県の某市の出身で、
1か月ほど前に埼玉県の有料老人ホームに入居されたとのこと。
多分、ご家族がこちらの近くに住んでおられるのでしょう。

その様子から、新しい環境に慣れるのが大変で、
いろいろと考えてしまい、表情が暗くなっていたのかな、と想像しました。。
自分に置き換えると、その気持ちがよくわかります。

このような認知症がない方は、
少しすると他の認知症の方々と一緒に参加することに抵抗を感じて、
いつしか参加しなくなってしまうことが多いです。
この方もそうかもしれません。
でも、参加される限り、笑顔になって、楽しい思い出を語ってもらうような
関わり方をしていきたい、と思いました。








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