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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第26回

年の離れた下の弟がまだ幼い頃、母が弟も食べられるように子ども用の味付けで料理をつくると、父はいつも不機嫌な顔をしていました。ちょうどその頃発売された子ども用のカレールーで母がカレーを作ると「こんな甘いカレーが食えるか!」と怒るので、父のものは別に作っていました。そうでなくてもおかずが気に入らないと、見ただけで怒って食べず、あとで別のものを食べていました。母はいつでも父のこと最優先で動いてしていて、私たち子どものことは二の次でした。

前に「学校で必要なものもろくに買ってもらえなかった」と書きましたが、普段着るものや履くものも同じで、小さくなっても穴が開いてもなかなか買ってもらえませんでした。下の弟は小学生の時に近所の同級生から「こいつの家、貧乏だから」と言われたとか。どういう状況で言われたのかは忘れましたが、弟から聞いた時、私も周囲から同じように見られていただろうと思いました。親がもう少し子どもたちの身なりにも気を遣う人だったら良かったのですけどね。
(2023.6)

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