捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第20回

私が子どもだった1970年半ばから80年代にかけては世の中の景気が良かったこともあり、周囲の人たちは皆、いい暮らしをしていたように思います。実際、父が店舗を借りていた従兄妹の家は裕福で、当時まだ珍しかったパソコンをはじめ、普通の家では見ないような電化製品が色々とありました。従兄妹の両親は共働きだったので、仲の良かった頃はゲームウォッチやパソコンのゲームで遊ばせてもらったり、大型のビデオカメラで撮影した映像をテレビで確認して大笑いしたりと楽しい時期もありました。私の親が買ってくれなかったファミコンでも、よく遊ばせてもらいました。
でも従兄妹の親と私の親の間で揉め事が発生する度に、従兄妹や祖父母と私たちの関係までもが悪化していき、悲しい思いをたくさんしました。大人たちの嫌な部分もたくさん見せられました。従兄妹家族とは祖父母が亡くなってから20年以上も会うことがありませんでした。ここ数年の間に伯父も伯母も亡くなられたと聞きました。
（2022.12）