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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第19回

6年生になって2か月ほど過ぎた頃、風邪だと思っていたらなかなか熱が下がらず、もう一度病院へ行くと肺炎と診断されたということがありました。翌月に修学旅行を控えていたため、2週間ほど入院して治療することになりました。入院は2回目でしたが、うるさい親から離れることが嬉しくて、楽しい時間でした。あとから聞くと、弟たちは私がいなくて寂しかったそうですが。
私は最初の3日間だけ点滴治療のためおとなしくしていましたが、その後は同部屋の子と病院内をあちこち探検し遊び回って過ごしました。そしてあっという間に楽しい生活は終了、家へ帰るとまた親の顔色を窺う毎日が始まりました。
この頃からだったと思いますが、早く働いてお金をためて家を出て、一人で生活したいと考えるようになりました。世間では大学へ進学する人が増えてきているということも知らずに。
とりあえず、翌月の修学旅行には行くことができました。
(2022.11)

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