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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第13回

息子が会社を退職した時期は、ちょうど職業訓練校で「来春入校」の募集が始まる時期に重なっていたこともあり、11月に職業訓練校の入学試験を受けて4月から入校できることになり、ひとまずは安堵。そして4月までの期間にできることをと考え、アンガーマネジメントのファシリテーター養成講座の受講を彼に勧めたところ、短期アルバイトの合間を縫って養成講座を受講することになりました。

資格取得の際、担当の講師からは会社を辞めたことについて「辞めて正解。逃げることも必要だと色々な人に伝えていけるようになるといいね。」と言ってもらえたそうです。今はまだアンガーマネジメント入門講座の講師ができるようになるために勉強中ですが、いつか自身の経験が生かせるようになるといいなと私も思います。

春からは職業訓練が始まり、楽しく通っているようです。10代から40代まで、様々な人がいて面白いそうです。息子の元気な顔を見ると、よかったなぁと思います。

会社で息子が「帰れ!」と怒鳴られて帰ってきたあの日、私は「怒鳴るような奴に我が子を潰されてたまるか。」との思いだけで、息子には黙って先のことを考え、辞めるための準備をしてきました。「就職したら3年は頑張れ」と高校の先生には言われていたため、息子はその言葉に縛られ苦しんでいたようでした。私が「辞めていい」と言った時は、驚いたと同時にホッとしたそうです。時々、会社での出来事を思い出すと苦しくなることもあるようですが、心の傷が大きくなる前に救うことができてよかったです。
(緑:2022.5)

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