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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第29回

父が自分の気分次第で、私たちに怒鳴ったり当たり散らしたりするのは日常茶飯事でしたが、母がそれに対して父に意見するようなことも全くありませんでした。私たちが怒鳴られて泣いていても知らん顔で、自分には関係ないという感じでした。
一度だけ、私が小学2年か3年生の頃、いつものように父に怒鳴られていた時に母が父に「そんなに怒鳴らんでもいいやん。」と言ったことがありました。すると父は「お前は黙っとれ!」と母に怒りを向けたのです。それ以来、母が怒鳴る父を止めることはなくなったと記憶しています。
たとえ父を止めることができなくても、後から子どもたちをなだめることはできたはず。でも母はそれもやりませんでした。一方的に怒鳴られるだけで誰にも自分の気持ちを受け止めてもらえなかったことについて、当時は何とも思いませんでしたが、幼い息子を育てていた頃に思い出して、とても悲しく苦しい気持ちになりました。
(2023.9)

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