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捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第16回

私が6年生の時だったと思いますが、伯父の家を増築するにあたり父の写真屋は一時期立ち退きとなり、その間ほぼ営業できない状態になりました。そして増築後はきれいになった同じ場所でお店を再開し、クリーニングの取次も始めました。
最初に商売を始める時に伯父と父の間で家賃についてどのような話があったのかは分かりませんが、父は一円も家賃を払っていませんでした。さすがに増築後はそういう訳にもいかなかったのでしょう、わざわざ山口にいる伯母(父と伯父の姉)までが家に来て、当たり前ですが色々言われて家賃を払うことになりました。父が家賃を払わなかったことで、伯父は奥さんから文句を言われていたのだと思います。それを父に言えず、伯父は私と弟に八つ当たりをしていたのだと、その時に気づきました。
その後の生活はますます厳しくなりました。元々、衣類は母方のいとこのお下がりをもらうのみでしたが、学校の体操服に穴が開いても買い替えてもらえません。サイズアウトした上履きはかかとを踏んで履くしかなく、髪は伸び放題で先生に叱られていました。でも私は先生に「お金がなくてどうしようもない」とは絶対に言えず、心は荒み、自分が学校でどう振る舞えばよいのか分からなくなってしまいました。(緑:2022.8)

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