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ウチの子 発達障害!?vol.101~105

vol.101「能力が高いのか、低いのか…?」

 高校で6月に行われた面談でのこと。最後に息子抜きで先生とお話しすることになった。「何だろう?」と思いつつ、こちらから「彼は処理速度の数値が低いようなので、何かにつけ要領が悪いかもしれません。」と話すと、先生はそれ以上特に何も仰らなかった。その1週間後に、4月に受けたクレペリン検査の結果を息子が持って帰ってきた。それを見て、先生があの時私に何を伝えたかったのかがよく理解できた。
 クレペリン検査とは、制限時間内に単純な足し算の作業を繰り返し、処理能力や性格・行動面の特徴をチェックする適性検査。息子は繰り返し計算が苦手で、あの検査自体が嫌いだろうと思う。結果には「バランスが取れていない」「能力が高いのか低いのか見定めがたい」等と書かれていた。それを踏まえて今後の対策を考えていく必要があるが、本人も少しは自覚しなければならないと思う。
 結果を見て笑っている場合ではないが、「能力が高いのか低いのか…」というくだりには笑ってしまった。私から見ても息子の能力が高いのか低いのか、よく分からないのだから。(2019.7)

vol.102「インターンシップ」

 息子の高校では、高2の夏休みに企業へのインターンシップに参加することになっていて、1学期終業式の翌日から3日間、早朝からインターンシップ先に向かった。
 これまでのことを思うと初日は特に心配で、「挨拶はきちんとしなさい」「言葉遣いに気をつけなさい」「場所がわからなかったら早めに電話しなさい」など、繰り返し何度も声かけしてしまった。それでも息子は「うん、わかった」と素直に聞いてくれ、少しは私の気が済んだ。
 初日の帰宅後、どうだったのか根掘り葉掘り尋ねたところ、「よく来てくれた」と大歓迎を受けたと分かり、ホッと胸をなでおろした。初日はほとんど会社についての説明で、作業現場を見学したのは2日目と3日目だったそうだ。スポーツ未経験で力仕事は不向きに見える息子が、本当に建設業に興味があるかどうかは分からないが、現場の見学は面白かったようで良い経験になったと思う。これから少しずつ、就職のこと、将来のことを考えて行ってほしいと思う。(2019.8)

vol.103「失敗からは学ばない?」

 夏休み前に担任の先生から「就職先を選ぶ時の参考に、行くか行かないかは別として、夏休みのうちに一度専門学校を見に行っておいで。」とアドバイスされたそうで、私も息子の見学に付き添った。
 息子は無類の電車好きにもかかわらず、電車に乗るのに必須のICカードを平気で家に忘れていくような困った人である。この日も忘れないようにと、出かける前に「カード、カード」と連呼したところ、「何度も言われなくても分かっている」と言われた。しかし引き下がってはいられない。駅までの道中で「いつもいつもしつこい」と言う息子に「それだけしつこく言われても忘れるのは誰?」と返すと、笑ってごまかされた。
 一般には失敗から学んで成長していくことが理想かもしれないが、息子が何度言われても忘れ物をする背景には何らかの原因があると思うので、何でもかんでも失敗させて…というやり方は、彼には向いていないように思う。何年後かに「いつもうるさく言われたよなぁ」と思い出して、気を付けてくれるようになればと願っている。(2019.9)

vol.104「やりたい仕事って?」

 高2の息子は8月末に専門学校の見学会にも参加したが、「専門学校の設備ってすごい」とは思ったものの、自分のやりたい仕事につながりそうなことは見つからなかったそうだ。来年の今頃は就職試験を受けに行くことになると思うと、私の方がヤキモキしてしまう。
 思えば私自身も高卒で就職したが、当時は「大企業だと給料も良さそう」という下心だけで、何も考えずに希望を出した。校内選考後も会社の詳細が全く分からず、求人票とにらめっこで志望動機を考えるのが大変だったことは今も忘れない。
 しかしあの頃は「校内選考で決定=(イコール)ほぼ内定」だったので、ずいぶん気が楽ではあった。今は校内選考で学校推薦を受けて試験に臨んでも、必ず内定という訳ではないらしい。高校生の就職活動は昔から一人一社と決まっているので、不採用だった場合は残りの求人票から希望する会社を選んでまた受けに行くというシステムだ。
 まだ高校生、現時点でやりたいことが見つからないのは仕方がないと思うが、息子には進学する意思もない。彼を雇ってくれる会社がありますように。(2019.10)

vol.105「協調性が足りないのか素直さが足りないのか」

 秋は高校の文化祭の季節。クラスでは今年も屋外で模擬店を出店すると決まったそうだ。でも昨年同様自分には当日何の役割もないのだと、少し不貞腐れた様子で出かけて行った。
 初日に知人と一緒に様子を見に行くと、息子は暇だと言って私たちに付いてきた。最後にクラスの模擬店に立ち寄ると、息子の姿を見た同級生から「手伝って~」と声がかかった。ところが息子は「手伝わなくていいと役割をもらえなかったのに…」と、並んでいる客もいるのに言い合いを始めてしまった。なぜ素直に手伝えないのか。母として残念に思い、帰宅後にやや強い口調で注意してしまった。息子の複雑な気持ちも分かるが、親としては勉強だけでなく、それ以外の活動でも子どもが頑張っているところを見て安心したかったのだ。
 翌日、息子から「模擬店の準備を手伝っている」と動画が送られてきた。その日は別の予定が入っていたが、前日のことが気にかかり少しだけ覗きに行った。息子は模擬店の裏で、冷凍焼き鳥を次々に湯煎で解凍していた。模擬店は両日よく売れて、無事完売したそうだ。(2019.11)

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