「足りないピース」を探すのと、「未来推測」するのが得意

前回、「目の前のことより大局を見てしまう」「データが足りないと、無限の枝分かれを想像して混乱してしまう」と書いたことの続きというか派生。

戦略系に勤めてたときはよかった。データが十分あるし、足りなければとってこれるし。データがあれば「ありそうなシナリオ」がどれか絞れるので、想像が枝分かれせず、あまり混乱もしない。

たぶん同じ能力で別の切り口なんだけど、「足りないパズルピース」を探すのも得意だった。
論理的に考えて、大局を見るとこういう絵が描けるはずで。でもこの絵に必要なこのピースがない。おかしい。探せば絶対ある。
んで、探すと、あるんだなあこれが〜。出てくるんだよ。

具体的にどういう話かというと、(戦略じゃなくて、工場の生産管理とかやってた頃の話なんだけど)トラブルあったときに、どこがどう悪かったのか、考えればわかる。ストーリーの中でそこが欠けてる。この絵だとすると、このピースがなきゃおかしい。そういうパーツがある。
だから、いまいち成績が良くない工場に行って、ひととおりデータみて、ぐるっと一周見学すると、「だいたいわかりました。改善活動として、皆さんは明日からこれとそれをやってください。」って対策打てちゃったりする。
「なんでわかるんですか!?」って聞かれても、うまく説明できない。それしかないじゃん。そのくらい明白だから…としか思えない。(なんでわかんないのか、わかんない。)

「なんでわかるのか」は答えられないので、仕方ないから「なぜそういう考えを導くことができたのか」という嘘を後付けで言う。論理的には通ってるから、理由としては嘘でもないかもしれないんだけど…でもそういう感じじゃなくて、稲妻に打たれたようにビカっ!とわかるんだよな〜。
ほら、経験豊富な技術者だと、聞かなくてもトラブル原因が予想できたりするでしょ?あれの、未経験でもなんとなく光って見えるやつ。(伝われ…!)

トラブルじゃなくて、生産性向上にも使える。
これを変えれば良くなりますよ、みたいな。
キャリア相談とかにも応用できる。あなたがその方向に行きたいなら、いまやるべきことはこれですよ。今までの経験とあなたの性格から言って、これが良いと思います、みたいな。

でもさー、いままでこれが金になったことがあまりないんだよなあ〜。
生産性向上の仕事は歩合制じゃなかったしさ。トラブルは未然に防いだら金にならないんだよ、ボーボーに燃やしまくって鎮火することで評価されるから。キャリア相談は…それがメイン業務じゃないしね…。

たぶん将棋で何十手も先が読める人とかも似た感じなんだろうけど、将棋ならいいよね、現実世界で「このプロジェクト、このままだと2年後にだめになる。ここをこう変えないと。」とか言っても、喧嘩になるだけだもん。
根拠があったとしても、何十手も先の出来事だと説明できない。だって、説明したとしても、その一手一手が本当に起こる確率を証明しろとか言われる。証明できるものもあるけど、リソースの問題でできないものも当然含まれる。でも考えたらそれしかないだろ!ってくらい確かに感じるときは、だいたいそうなるから。。。(そんなんじゃ会社は動かせなのは分かってる。)

そんなこんなが嫌で、分かってる失敗を防げないのがストレスで、戦略系はやる気なくしてやめた。
最初は東大卒海外帰りの超天才が上司で、この人がいたときはよかった。何言ってもわかってくれたし、途中まで話した時点で「あ、そうか!これはすごいね!」って言ってくれることもあった…。彼は年齢もかなりいってて、証明できないことでも彼が「責任取ります」って言えば進められた。
私はそこまで出世できなかったな。

あー生きづらい…。話が通じる人と話したい…。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます! サポートの代わりに、無料でできる「スキ」や「シェア」を頂けたら嬉しいです。 次の記事を書く励みになります!