ドラマの「記者会見」と「電波ジャック」

連続ドラマは記者会見をやっていた。主な俳優さん登壇の下、都内のホテルで開かれた。

記者会見の準備だが、まず記者の皆さんに配る「記者会見の冊子」を作るところから始まる。宣伝担当がライターにあらすじを書いてもらい、記者に興味を持ってもらう様に直していく。俳優さんのプロフィールを全員同じ長さになる様に作り、各事務所のチェックを受ける。

まずは記者会見が始まる前、「ドラマに関する質問のみ受け付ける事。俳優さんのプライベートに関わる質問はお受けしない事」が記者の皆さんに告げられる。

番組名が入っているバックの看板、俳優さんやプロデューサーが座るイス、俳優さんの登場のところにかかる主題歌CDの準備、全て宣伝担当の仕事である。

記者会見が始まる。プロデューサーはあらかじめ、席に座っており、俳優さんが主題歌と共に入ってくる。

まずはプロデューサーの挨拶。プロデューサーの挨拶を記者の皆さんはほとんど聞いていない。登場した俳優さんの写真を撮っている。それゆえ、リップサービスで「記者が記事を書きやすいワード」を入れて喋る。

連続ドラマ「失楽園」のプロデューサーが言ったのは、濡れ場に関して、「TVコードに挑戦する」と。翌日のスポーツ紙のタイトルには、この「TVコード」というワードが踊っていた。

会見が終わると、個々の俳優さんを記者が10 人位囲んでの「囲み取材」が始まる。それぞれの囲みには、宣伝部員が張り付き、NGの質問が出ないか、注意している。

「囲み取材」終了後、「個別取材」が始まる。事務所からOKが出た媒体(新聞・テレビ誌・インターネット媒体など)の取材を一つ一つこなしていく。

連続ドラマ収録合間の「記者会見」。キャスト・スタッフの疲れもピークに達している事だろう。あとは、第1話放送当日、朝から夕方まで、ドラマ出演者が各情報番組に出演して、生でドラマの告知をする「電波ジャック」。

「電波ジャック」が終わると放送を待つばかりである。どんなドラマでも通る「視聴率」の洗礼を受けなければならない。

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