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[1日1note#3]イラッとした時に6秒間息を止める理由

私たちの周りには、様々なストレスがあります。

(厳密にはストレッサーと言いますが、ここではストレスで統一します)

そして、それらのストレスによって体調を崩したり、

コントロールできず、もしくは巻き込まれ、

周囲との関係が悪くなってしまうこともあります。


ただ、ストレスには、

悪いストレスだけでなく、良いストレスもあります。

簡単に分けると、

悪いストレスは、体を崩したり精神が不安定になるストレス。

良いストレスは、程よい緊張感を与えてくれるストレス。

試合の前、発表会の前、講演会の前などで「よし、頑張ろう!」

と思える時に感じる程よい緊張感です。


それは分かっていても、実際は

悪いストレスが積み重なり、怒りとなってしまう、、、

さらにはその怒りもコントロールしきれず、爆発してしまう、、、

そんな悪いストレスに悩まされている方が多いのではないのでしょうか。


多くの人が頭を抱えるこの問題の対策として、

アンガーマネジメント」や「ストレスコーピング」などが

注目されています。


さて、ようやく本題ですが、

アンガーマネジメント」の中でよく

怒りのピークは6秒なので「イラっ」としたら6秒間息を止めましょう

(6秒数えましょう、我慢しましょう、待ちましょう、などなど)

と紹介されています。

すぐに実践できることなので、参考にしている方も多いかと思います。


では、なぜ6秒なのでしょうか。

今日は、その理由について簡単にまとめます。


まず、

人はストレスの原因となるような情動(急激に生まれた感情)が生じると、

脳の前頭前野が働き、その情動を抑えようとします。

これは人間に備わっているストレスに対する対処力なのです。

つまり、人には元々、ストレス対処のシステムが備わっているのです。


しかし厄介なことに、前頭前野はすぐには働きません。

前頭前野が働くまでの流れを簡単に書きます。

  情動が生じる → 過去の記憶と照合 → 前頭前野に伝わる

  → 情報処理が行われる → 情動を抑える反応が起こる

脳の中では、このような順番で伝達と処理が行われているため、

すぐに対処反応が起こらないのです。

情動を抑える反応が起こるまでの時間が3〜5秒

ほどかかると言われているのです。

(ほすぴ 予防医学学術刊行物183号より一部抜粋)


そのため、アンガーマネジメントでは、

情動が生じた時、つまり、急に「イラっ」とした時は、

反射的に行動するのではなく、前頭前野が働くまで待って(約6秒)

冷静さを取り戻してから対応しましょう

などと表現されるようになったのです。


前頭前野は対処を行うまでの時間が3〜5秒、

さらに冷静さを失っていると時間感覚も鈍るので、

6秒待つことが良いとされているのでしょう。

また、

息を止めると、

息を止めている間は「呼吸を止める」ことへと意識が逸れるため、

合わせ技として表記されているのだと思います。


いかがだったでしょうか。

アンガーマネジメントに限らず、

怒りを鎮める様々なテクニックが紹介されていますが、

  情動が生じる → 過去の記憶と照合 → 前頭前野に伝わる

  → 情報処理が行われる → 情動を抑える反応が起こる

この流れと対処を行うまでの時間が3〜5秒かかることを覚えておけば、

あとはその3〜5秒間、気を逸らすことさえできればOKなように感じませんか?

気を逸らす方法は、いくらでも考えられるし、

その時の環境に合わせていくらでも変えることができます。


ストレスや怒りのコントロールに悩んでいる方はぜひ参考にしてください!

(そもそものストレスを回避する方法や感情のコントロールはまた別の機会に!)


ーーーーーーーーーーーーーー参考文献ーーーーーーーーーーーーーー

・ほすぴ 予防医学学術刊行物183号

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