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不登校どうやって子どもに聞こうか①

「不登校になった理由は聞かないでください」と、保護者に言うことがあります。

なぜ「聞かないでください」というのか。

1つ目は、子どもももわからない(ことが多い)から。そして「なぜ行けないの?」の問いの裏には、「行く(べき)」という前提あるから。行けない状況だと責められるように感じることがあります。子どもからしてみると「行けるなら行っているし、なんでこうなってしまったのか」。頭の中で整理できるまでは時間がかかるものです。

2つ目は、理由がわかったとして、解決が難しいことが多いから。あるいは、そもそも”解決”という考え方がそぐわないこともあるから。例えば、「なんかやる気出ないから」と子どもが言ったとします。でも、「いいから、やる気出しなさい」とはなりません。「学校行きたくないのに、頑張って行ってる子だっていっぱいいるんだよ」なんて言ってしまったら、子どもとの関係は悪化するだけです。

ただし、命にかかわる問題など、早急に対応すべきケースはありますが、そういったことはそもそも「不登校」(と捉えるべき)ではないので、今回は省きます。

3つ目は、解決することと、再び登校することは別の問題だから。休んでる間に面白いゲームを見つけて、ネットの友達とも仲良くなって、その友達は学校に行ってるし、自分ももう一回行ってみようか。ありそうな話です。ただ、多くの場合、”学校は”行けなくなった時と何も変わっていません

改善して受け入れ態勢を整える学校ももちろんありますし、そういった学校はすごいな、と思います。教育機会確保法でも求められていることはありますが、実現するのはなかなか簡単ではありません。

不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすること。(教育機会確保法 第3条3)

だから、友達フィルターを介して見た学校を、もう一度フィルターを外して向き合うことになります。そして「やっぱり自分は行けない」ということは少なくありません。

そして、4つ目は、「なぜ」は、大人が知りたいことだから。理由を知ることでホッとしたい、という側面もあるのではないでしょうか。大人の不安です。

きっと、自分自身にも問いかけているはずです。

当たり前のように学校に行っていたではないか。何かSOSを見逃したんだろうか。子育てや教育が間違っていたのだろうか。周囲からどう思われるだろうか。

そんな自分への問いが漏れ出たものとして、子どもに聞いてしまうことがあるようにも思うのです。問いというよりは訴えに近いかもしれません。一つ目の「責め」との関係はこの辺にありそうです。

でも、おそらく、それに対する安心は、子どもからは得ることは難しいように感じます。保護者の会などで悩みや不安を話して、まずは、自分を許してあげてください。

保護者の会や相談相手を見つけることをおススメするのは、そんな理由もひとつあります。

②に続きます。

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