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「ありがとう」の向こう側で期待していたこと (Vol.3)

こんにちは
今日も訪問してくださって、ありがとうございます。
がんばるケアから、等身大のケアへ
サポーターの松本尚子です。

「ありがとう」は最大の言霊ときいたことがあります。

彼女は、自分のことは自分でやりたい人だったので
ひとりで難しいところをサポートしていました。

例えば、
服をタンスから出して、着る順番に並べる
片手でも食事をレンチンできるように配置する
吸入薬(ぜんそくのくすり)のセッティング
帰宅後、すぐに入浴できるように入浴セットを仕事前に準備
床と廊下の整頓
トイレ用具のセッティング

はじめのころは「ありがとう」
を言ってくれていました。

いわれるたび、素直にうれしくて
あれも、これもやっていました

時間がたつにつれて
「何やっているの」
「いつまで待たせるの」
彼女は、体が思うようにいかないせいか
感情を言葉にのせて言うようになりました。

ちゃんとやらなきゃ
細心の注意をはらいやってました
体調がわるくなるとケアがふえる(手間がふえる)
先をみこして対策するようになり
〇〇しないと風邪ひくよ
〇〇しないとあぶないよ
〇〇しないと寝れないよ
神経質になっていました。

やっているのに
夜中に発作はでるし
風邪を引いて、入院を繰り返すし
叔父は、ほとんど手伝ってくれずでした。


仕事帰り、同僚から「ごはんに行こう」と誘われても
「用事があるから」と真っすぐに帰宅していました。
遊びたい気持ちをがまんしていました。

ある時から「ありがとう」を聞かなくなりました。

こんなにやっているのに「ありがとう」は言えないの?
やってあげている気持ちが顔をだし
一方で、
「自分、なんか性格わるくね?」
優等生の顔で問いかけるわたしがいました。


買い物帰り
本屋さんの前で足が止まり
ふと目にとまった本がありました

”言葉が現実を引き寄せている”

言葉がこころに引っかかったり
意味はよくわかんないけど、やってみよう
そう思いました。

ケアが終わった後
彼女の様子を観るようにしました。
つかれていたらウトウトしているし
体調がよければご機嫌でいる
彼女の日常を一つひとつ観ていきました。

そうしているとだんだんと彼女のクセがわかって
ある時、
「ありがとう」をいってもらいたかったのではなくて
痛みや息苦しさが少なく
ご機嫌に日常を過ごす彼女を見たかったんだ
そのことが、わたしの喜びになっていたんだ
気づきました。

そして、そのころから
彼女は、体調を崩すことが少なくなり
叔父が手伝ってくれるようになりました。



今おもえば、当時は20代。介護初心者。
普通の感情だったと思います
自分を責めていました
感情にギュッとふたをしていたんですね。

”言葉が現実を引き寄せている”
ほんとうの意味を理解したのは
もう少し後になってからです。
長くなるので
また別の機会でお伝えしますね(^^)

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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