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外出自粛で得たもの。

家に居なくてはいけない。

政府から出た「外出自粛要請」。

みんな平日だと言うのに家に居る。

いや、居なければならない。

テレビをつけてもコロナ。

ネットを開けば、コロナに関する論争が絶えない。

完全な論争になっている事が多々あり、少し前は見ているだけで気が病んでいた。

世界中、日本中がイライラ・ピリピリしている状況なので確かに争いたくなる心境も分からなくはない。

(私も多少イライラしてた時もあり、出来ればライブに行ってモッシュで暴れ回りたいくらいの時もあった)

勿論「意見」は良いと思うし、意見を言うのは個人の自由だと思うが、激しい言葉での論争はスーパーやコンビニなどの店員さんに向かって吐かれる「何故マスクが無いのか!」という暴言に似ている気がして。

一時期、そういう論争が嫌で、本当にネットから離れて、映画を観たり、本を読んだりしていた。

そして少し経ってから、最近またネットを開いてみるようになった。

個人的に内面も少し落ち着いて、心に余裕が出て、ネット上の争いも一時期に比べてだいぶ減ったように思った。

何故か。

それはきっと「全国に外出自粛要請が出た」からだと思う。

日本中の人が外出自粛を強いられ、皆、同じ立場である事を認識しているから。

(政府や自治体が経済政策に対して動き始めたから、というのも少し争いが鎮火しつつある要因ではあると思う)

『みんな我慢しているから自分も我慢する』。

普段人に合わせ易い日本人として、少し揶揄される事もあるが、日本人の同調効果がこういう時に役立っている。


さて、この自粛生活を続けるに当たって、毎日が嫌になっている方も多々いらっしゃると思う。

そんな中、SNSで

【この自粛で精神状態が改善している人がいるのではないか】

というような呟きを見つけた。

一瞬「ん?」と思ったが、直後にピンと来た。


そう、私はこれに見事に当て嵌まるのである。


どういう事かと言うと、普段の世の中と言うのは「キラキラした者勝ち」。

「勝ち組」と「負け組」。

「リア充」と「非リア充」。

「幸せな人」と「そうでない人」。

そういう分別を自然とされる仕組みになっている。

そしてそれが簡単に分かるSNS社会。

自分では区別・分別していなくても、周りからそういう分別の対象にされる事も少なくない。

「誰かと比べて幸せを感じるのが人」と言われたらそれまでなのだけれども。

人の幸・不幸を決めるのって、その人の心の中のルールだから、難しいところではあるんだけれども。


ちなみに私は自分を卑下して、卑屈になってしまって、誰かより幸せになる事を恐れて、幸せを避けて、墜落していくパターンの非リア充。

必ず誰かと比べて「この人、楽しそうな事してる、羨ましいな」って思うけど、「幸せになる行動したら何か言われるんじゃないか」とか考えて、何も出来なくなって、結局堂々巡りしているような人生。

「自分は楽しい事をしてはいけない」と言う呪縛に取り憑かれていた。


ところが最近、割と調子が良い。

何故か。

「みんな休日だと言うのに家に居るから」。

リア充も非リア充も皆、家に居る。

比べる対象が無いのだ。

「土日の食料を少し買い込み、家に居る」。

これは私が大好きな休日の過ごし方の一つ。

日本中が皆、普段の自分と同じ過ごし方をしているのだ。

(コロナ前の休日はたまに友人と飲みに行ったりカラオケに行ったりするが、それ以外は家に居る事が多かった)

今までなら「土日はみんな旅行とか遊びに出かけているのに、私は家に居て・・・」と多少卑屈になる事も多々あったが(人と接したいが、基本人が苦手なので家に居たい)、今はみんな同じ休日。

少し言い方は悪いが、少し安心感がある。


勿論、このピリピリした状況には慣れないし、安心は出来ていないが、この日本中の自粛がここまで自分の精神状態に影響を与えるとは思ってもみなかった。

自分でもびっくりしている。

昔、文章を書くのが好きだったが、長い事、まともに長文を書けなくなっていたのに、今こうして自分の思っている事を書いているのが証拠。

同時に「自分がどれだけ周りの人の目や行動を気にしていたのか」と言う事に気づかされた。

そして「周りの目が無い生活」と言うのがどれだけ自分を楽にしてくれるのか、と言う事に気づかされた。

毎日滅入っていた私にとって怪我の功名。

あの呟きをしてくださった方の存在を知らなければ、私は自分の調子の良さの原因に気づかなかった。

本当にありがとうございます。


しかしいつまでも日本中・世界中が外出自粛をしていると、色んな困り事が出て来るので、早くコロナには消え失せて貰って、早く日常を。

いや、今まで以上に素晴らしい世界をみんなで作り出さなければいけない。

今回の事で「非常事態の場合」「医療機関の徹底した安全な環境」「働くに働けない人が多数出た場合」「経済が回らない時」「スピーディーな判断をするには」等、課題は山積み。

これを教訓にもっともっと国民が住みやすい環境を整えて欲しいと切に願う。


とにかく今は目の前の見えない敵と戦うのが最優先。

自粛は大変だけど、みんなで乗り越えましょう。

闘病中の方々も早く元気になりますように。

そしてちょっと矛盾していますが・・・

コロナが終息しても、私の心が元気なままでいられますように・・・

自分を含め、たくさんの方が人の目を気にせず、やりたい事が出来る世の中になりますように・・・。


この事態でも好転出来た部分を、学んだ事を忘れないよう、書き残して行きます。

最後まで読んで下さった方がいましたら、ありがとうございました。

(※トップの写真はブルーライトアップされた熊本城です)