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矢倉沢往還160kmの旅〜旧道好きにはたまらない道を往く(前半)

小江戸大江戸トレニックワールド主催の大会。
ずっと、川越中心の小江戸や大江戸を楽しんでいましたが、今回は「矢倉沢往還160km」という大会に参加してきました。

2023年4月15日(月)朝8時に東京都日比谷公園をスタートし、沼津市の原町の「ざぶ〜ん」というところまで160kmを走っていくというもの。

当然、15日の夜は寝ずに走り続けなければなりません。が、それよりもコースが不安。

矢倉沢往還とはWikipediaによると
「矢倉沢往還(やぐらざわおうかん)は、江戸時代に整備された街道で、江戸城の赤坂門(赤坂見附)から相模国、足柄峠を経て駿河国沼津宿を結び、東海道の脇往還としても機能していた。江戸から大山への参詣道として使われ「大山街道」、「大山道」、厚木街道などとも呼ばれた。現在は、ほぼこの旧往還に沿って青山通り・国道246号が通っている。」とありますように、東海道が海の近くを通るのに対し、山越えが続く道といえます。
ですから、けっこうコースは厳しいものでした。

矢倉沢往還160km コース地図
累積標高は2,600km以上


まず、結果(記録)ですが、160kmにエントリーされたのは75名(少な!)。そのうちスタートしたのは63名。完走者は51名(完走率:対出走者80.1%/対エントリー68%)。
自分の結果は、27時間19分22秒 総合16位でした。
記録上にチェックポイントはGPSで自動計測されているようですが、次のとおりでした。
 0.0km 日比谷公園:   8:00:00/00:00:00
39.7km 下鶴間ふるさと館:13:08:00/05:08:00
60.3km 丸山城址公園:  16:14:14/08:14:14
69.6km 阿夫利神社下社:
92.5km 富士見塚:    22:32:12/14:32:12
112.9km 足柄峠:       02:49:16/18:49:16
123.7km グラウンドルーフ:05:10:40/21:10:40 
152.1km 港口公園:      09:58:58/25:58:58
160.1km 沼津市ざぶ〜ん:   11:19:14/27:19:14

スタート時の天候は雨、その後もずっと雨。真夜中も雨。夜明けに晴れるかと思いきや雨。とずっと雨の中の走行となりました。(晴れたのは沼津市に入ってからのこり20kmほどでした)

3月に「小江戸大江戸200k」を完走して以来の大会。実は小江戸大江戸が完走できなければそれより短い160kmは走れるだろうと思ってエントリーしたのですが、それは非常に軽率でした。

また、コースも旧道好きの自分にとっては興味深いものでしたが、2割程度は山道で岩場やトレイルも多く、またけっこう細い脇道や林道も通るのでGPSをずっとチェックしていけるか、試走を十分にしておかないとロストしやすいコースでした。

・試走ができていない
・(紙の)地図は小さくて、脇道など細い道に入る場所がわかりにくい
という準備不足の上に、
・ずっと雨
という悪条件が重なってしまい、かなり厳しい走行となりました。

スタート前に受付のところで、集まった参加者の話を聞くと、試走をしていないとわからないというのでますます不安に。

そこで、とにかく道を知ってしそうな人たちを見つけなんとかついていけるようにすることを考えました。ただそうなると自分のペースでは走れないし、また途中トイレやコンビニに寄ってしまったとたんに他のランナーと離れてしまいコースロストしやすくなるという不安からかなりストレスを感じていました。

しかし、ウルトラマラソンのいいところは「超ウルトラマラソンの苦しさ、孤独感などはみな同じ思いがある」ということで、お互いよく話をすることが多いという点。すぐにいろんな情報交換やいっしょに走るランナーができました。

装備は、雨もあり雨具(モンベル バーサライト)のほかに、雨除けのザックカバー、ウールのソックスを2足、アンダーウエア1セットをザックに入れました。地図や、スマ−トフォン、ヘッドライト、モバイルバッテリー、電池、薬、のど飴、手袋、タオル。その他、補給用のジェルや、ドリンクにモンベルの傘 など

<スタートから丸山城址公園まで>
けっこうな雨の中、8時ちょうどにスタートしました。
雨用のバーサライトを着て走ろうかと思いましたが、ザックが濡れるのも嫌だし、しばらくはビニールポンチョをザックの上から被って走ることにしました。
合図に合わせ颯爽と走り出し、トップランナーは一人で飛び出していきました。
自分はコースも不安なので集団でと。ただ、その集団けっこう速い人達が多かったようで最初はついていくのにやっと。
たぶん、キロ6分前半、いや信号待ちを除けばキロ5分後半で走っていたのかもしれません。

旧大山街道の史跡(後方は太田代表)


10km過ぎの三軒茶屋交差点あたりで、トップ集団のグループからも脱落。しかし、そのあたりから突然細い道に入ったりしてなんとか近くにいるランナーを見つけてついていきました。
25〜30kmあたりでほぼ同じペースで走れているランナーが数人。何度か信号待ちで顔を合わせるでの徐々に会話も増えてきました。
その中で一人は前年にも参加されたランナーYさん。
また、試走をしっかり行っていたAさんもほぼ同じペースで合うことも多くいっしょに顔をあわせることが増えました。
そこで、自分は初めての参加でコースがわからないと正直に告げてついていかせてもらうことに。

ランナーは同じ思いで、はぐれて単独になるとけっこう精神的にも厳しい。またこのコース 山の区間に入るとさすがに単独走は嫌だという思いもあり自然と仲間意識が湧いてきました。
トイレ休憩もいっしょにしようということで誰かがコンビニに寄りたいといえば賛同し、できるだけ離れないで走行するようになりました。

横浜市青葉区の荏田を過ぎると、ほぼ東名高速道路の北側を並行して走るルートとなります。35kmあたりの長津田付近のコンビニで、声を掛け合って休憩。おにぎりを食べ少し元気を取り戻しました。
不思議とやっぱりエネルギーが出るのはおにぎりなんですね。

そして、無事39.7km地点の鶴間エイドに午後1時ころ(スタートから約5時間)到着しました。

ビニールポンチョ大活躍

ここでは、スープやパン、おにぎりなどを少し食べました。雨がずっと降り続く中でしたが、ここまでは疲れもほとんどなく比較的順調でした。

ここから次の丸山城址公園エイドまでは約21km。まだしばらく東名高速の北側を走ります。
途中、少し前に自宅から厚木へ走ったときのルートを逆走するコースで、馴染みのある景色にほっとしました。

再び、高速道路を超えて伊勢原ジャンクションの南側に。
そこに二つ目のエイド丸山城址公園(スタートから60km)がありました。
16時ころ、スタートから8時間かかりました。

ほとんどいっしょに行動してくれたAさんとYさん

このエイドではうどんとおいなりさん4個をいただきました。このころは、ほぼAさんとYさんというコースをよく熟知している方といっしょに走らせていただき非常に順調でしたが、雨は強くなりけっこう寒くなってきました。

さて、ここからが前半最大の山場、というより文字どおり山登り「大山の阿夫利神社」へ向かいます。
まだ明るい状況でしたが、雨は変わらず強く振り、これも文字どおり「雨降り神社」へ…ということに。

(後半へ続く)

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