表現すること

家で一人で過ごす時間が増えたからだろうか。

インターネットで言葉や音楽、映画といった色々な人が作り出す表現に触れる機会が多いからだろうか。

自分では気づいていなかったけれど

自分にとって「表現すること」がとても大事なことだと思うようになった。


幼いころから人の前で話すことは苦手だった。

自分が話すことより人が話すのを聞いている方が好きだった。

だから、私は表現することが苦手なんじゃないかと思い込んで生きていたように思う。

実際、絵を描くセンスとかは皆無で、自分の内側からイメージを表現することは苦手だと思う。

本を読んで一人で考えたり、映画を見て泣いてみたり、きれいな景色を見たり、音楽を聴いたり、目や耳に入ってくるものを感じることが好きなだけでそれを誰かに伝えたいとか共有したいとか思ったことはあまりなかったように思う。

それは自分に自信がないからだと思い込んでいた。

人に伝えるほどの強い思いや考えがないからだと思っていた。

自分は上手に伝える手段を持っていないとも思っていた。

でも、それはただの思い込みだったかもしれない。


躊躇して言いたいことが言えないことは今もたくさんある。

SNSに投稿する前はものすごく考えてしまう。

表現することが人に比べて苦手なのは事実かもしれない。

どうしてぱっと自分の言いたいことを自信をもって表現できないのだろうと嫌になることだってある。

でも、気づいた。

私は表現することが大好きなのだと。

大好きだからこそ、大切だからこそ、時間をかけて言葉を選ぶ。

そして、じっくりゆっくりでいいから伝えたいことがたくさんある。


「これを言ったら傷つく人いるかもしれない」

「自分は自分。人は人。」

そんな風に言い聞かせて自分の中だけにいろんなものを抱えていたのは

自分の思いが弱いからではなかったのだと思う。

むしろ、自分の中にはっきりある思いを、考えを

納得のいく表現で伝えられないと満足できないのだ。


幼いころから文章を書くことが大好きだった。

「この言い方の方がわかりやすいな。この表現素敵だな。」

そんなことをゆっくり考えながら自分の言葉を紡ぎだすことが大好きだった。

だからこそ、話すことが苦手なのだ。

言葉は人を動かすことができる。いい意味でも悪い意味でも。


他の人と比べたら上手くできていないのかもしれない。

だけど、表現することを大切にしたい。

たくさんの人に自分が思っているように伝えることは不可能なのかもしれないけれど

それでも、誰かに伝わった時、きっと何か意味が生まれる。

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