一本の

2024/1/20(土)
このところ植物づいている。『植物考』『植物は<知性>をもっている』を続けて読んで、散歩に出ては木や花ばかり撮っている。
今日はI'm obsessed with trees and catsとプロフィールに書いている男の子と散歩をした。あの木いいですねと駆け寄っては、ぐるりと一周しながら木肌を舐めまわし、めくれあがった皮に触れ、根っこを踏み、もちろん幹を見上げた。そのあと美術館に行きそれぞれのペースで展示を見て、大戸屋で定食を食べ、解散。大半の時間は無理もなく楽しかったけど、書くのも嫌なぐらいの小さなことが気になって、もう会わないだろうなと思った。
木は、「個」の感覚が人間とは大きく違いそうなところが特に好きだ。同じ種の木が、あるいはときに違う種類の気でさえ、隣り合ったものがくっつき一体となり、みちみちに密着しながら伸びていったりする。たまたま近くにいた、それだけの理由で。根っこから新芽が生えることもままあるし、蔓植物に覆われてしまうこともある。
箸の置き方とか、セーターの袖のめくり方とか、そんなことで出会いの可能性を狭めてどうするんだ。「生理的に合わない」は植物の前では詭弁に思える。可能性を探ることを早期に諦め、ラベル付けして突き放すことの。

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