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コミュニケーションツールを超える!「Nikko Bravi!」を開発した真の目的って?

こんにちは。
SMBC日興証券note編集部です。

今回は、当社が開発したツール「Nikko Bravi !」特集の後編になります。
前編では、デジタル戦略部の佐藤さん・林さんに「Nikko Bravi !」の基本的な機能や社内での反響について話を聞きました。

開発の舞台裏に焦点を当てた後編は、システム企画部の秋田さん・竹田さんも迎えて、「Nikko Bravi !」が誕生するまでのエピソードを中心にお届けします。

「Nikko Bravi !」プロジェクトは、どのように進行したのか。
どんなこだわりを持って開発に取り組んできたのか。

開発の裏側を語る4人の言葉には、「Nikko Bravi !」を通して実現したいビジョンと熱い想いが込められていました。


開発からアップデートまでスピーディーに

―ツールを開発することになったきっかけはあったんですか?

佐藤:きっかけは、ある役員から「デジタルを使って、社員同士がもっと称賛し合えるようなツールがあるといいね」という話があがったことです。
その着想からスタートして、まずはあらゆる部署の社員に集まっていただき、意見交換を行いました。

―各部署のみなさんからは、どういった意見が集まりましたか?

佐藤:社員同士の行動に対して、称賛のトークンを送り合うという構想にはポジティブな意見が多かったです。
一方、活用イメージが明確になるにつれて、「業務中に使うのはまわりの目が気になる」とか「上司を称賛するのはおこがましい気持ちになる」など、不安の声も出始めました。

ただ、このような意見をきちんと捉えられているかが、システムプロダクト開発では重要と認識しています。
社員が使い続けてくれるツールにするには、このような懸念点もクリアしなくては、リリース後すぐに飽きられるかもしれないとの思いがありました。

業務の傍らで社員同士が使うツールだからこそ、当社のカルチャーを熟知した社員が企画構想し開発していく意義があると思いました。

―率直な意見をもらえると、アイデアのヒントにもなりそうですね。

:そうですね。社員から出された多くの意見をもとに生まれた機能の1つが「トークンシャワー」です。「トークンシャワー」とは、自分が獲得したトークンを他者に再分配できる機能です。

例えば、自分の担当した業務に対して称賛や感謝のトークンをもらった時、実はその裏側には、業務を手伝ってくれた同僚がいたとします。称賛者からは自分の存在しか見えていなくても、自分の中には、「実は、同僚の助けのおかげでここまで出来たんだよな」という感謝の気持ちがある。
その気持ちに着目し、同僚にトークンをシャワー(再分配)出来る機能を開発しました。

このシャワーの原資となるトークンは、他社員にどれだけ分配しようが自分が最初にもらったという記録はしっかり残るため、惜しみなく助けてくれた周囲のメンバーにトークンを配ることができます。

佐藤:あと、リリース後になるのですが、「投稿に対して『いいね』をするだけでなく、コメントを返信する機能がほしい」という要望がいくつか寄せられました。
当初は業務の妨げにならないようにと、敢えて返信機能はつけない判断をしていましたが、社員の相手にお礼を伝えたい気持ちを汲み取り、追加開発しました。

このように、実際のユーザーの声やニーズを取り込み、スピーディーに機能をアップデートできる点も、自社内に開発チームを有していることの利点だと思います。

強力なバックアップもあり、認知が広がった

―リリース後は、どのように社内に浸透していったんですか?

:現場からは「称賛し合えるツールを待っていた!」という声もあり、一部の社員の方々が積極的に使い始めてくれたことで広がった面もあると思います。

一方で、先ほど佐藤さんからもお話があったように、「業務中に使っていいのか?」という懸念の声もあり、心理的な不安の壁をどのようにクリアするかが課題でした。

そんな時、社長や経営陣が様々な会議の場で、「部下の良い行動を見つけた時は、どんどん「Nikko Bravi !」を使って称賛してあげて欲しい」というメッセージを発信してくれました。
自ら利用しつつ、社員に向かって気兼ねなく使うことを推奨したことで、社員の不安は解消。気軽に称賛し合える、感謝の気持ちを伝えることができるツールとして、社内に浸透していきました。

クリエイティブで苦労したところは?

―開発プロセスの中で、特に大変だった点を教えてください。

秋田:当社にはナイストライ(社内副業)制度というものがあり、人事異動せずに、他部署の業務に参加することができます。私はそのナイストライ制度を利用して「Nikko Bravi !」の開発チームに途中参加しました。
加入当初は特にデザイン面で試行錯誤しましたね。

具体的な業務内容としては、ツール内で使用する「スタンプ」のバリエーション制作になります。

「Nikko Bravi!」スタンプ一覧

証券の業界用語で、相場の強気・弱気を表す「ブル・ベア」が由来の“ブルベアちゃん”という牛(ブル)と熊(ベア)のオリジナルキャラクターがいるのですが、目や口の位置がほんの少しずれるだけで、全く意図していない表情になってしまうんです。

だから、自分の中で納得がいくまでデザインを検証し続けました。

―オリジナルキャラクターまで作られたんですね。

佐藤:そうですね。これもみんなが投稿しやすくするための1つのアイデアで、「気軽に送り合えるスタンプがあったらいいね」というところからスタートしました。
スタンプを利用するシーンをパターン分けして、上司から部下や、後輩から先輩に送りやすいスタンプは「こうだ」といって、議論をしながら形にしていきました。

こうやってアイデアを具現化してくれるメンバーが社内に在籍している点も、当社の強みだと思います。

―スタンプのバリエーションは、どのように制作するんですか?

秋田:まず、こんなスタンプがあったらいいなというアイデアは、デジタル戦略部のみなさんからいただくことが多いですね。そこからは、アイデアをどのようにキャラクターに落とし込むかというデザイン作業に入ります。

特に下書きはせずに、iPadを使って、とにかく手を動かして仕上げていくイメージです。デザインについては日頃から考え、できる限りストックも増やすようにしています。

―システム設計やプログラミングも大変だったのではないでしょうか。

竹田:私はエンジニアとして中途入社したのですが、前職でのスキルが活かせる部分はもちろんありつつ、社内でも初の試みだったので、まずは土台となるプログラミング言語やシステムの枠組みの理解を深めるところから始めました。開発の初期段階が特に大変でしたね。

―開発において、特に工夫した点、こだわった点はありますか?

竹田:やはりみなさんに長く使い続けてもらうには、レイアウトやフォント選び、ボタンのデザインなども含め「インターフェース」と呼ばれる、ユーザーの眼に触れる部分がとても重要だと考えていて。

自分自身も一人のユーザーなので、リリースやアップデートをする前に、まずは自分の中で「使いやすい」と思えるまで検証を繰り返しています。
「Nikko Bravi !」をより長く使ってもらうことが、当社の企業文化の醸成にもつながっていく。
だからこそ、特に「使いやすさ」にはこだわり抜きました。

原点は「カルチャー形成に貢献したい」という想い

―最後に、開発チーム全体で目指す展望について教えてください。

佐藤:証券ビジネスにDXを起こす支援をすることがデジタル戦略部としての使命の1つです。
変革にはカルチャー形成も重要な要素だと思っていて、当社の企業理念や、行動規範に基づく『良い行動』を広げることに繋がるアイデアはどんどん出し合い、ユーザーとの対話からも拾い上げて、具現化していきたいですね。

また、私たちのチームリーダーは
「カルチャーとは1つ1つの『行動』の集合体。だから、良いカルチャーをつくるには『良い行動』を広げることが大切。」
というお話をよくされているのですが、そこがまさに原点だと思っています。

:たしかに、企画や開発を進めるうえで、原点に立ち返ることはメンバー全員が強く意識しています。

「Nikko Bravi !」は、称賛や感謝を送り合うことが出来るツールではありますが、決してツールを導入することがゴールではないと考えています。
本当に目指すべきなのは、その先の『行動』を変えること、そして『当社の目指すカルチャーを醸成する』こと。

これからも「いいね!」や「ありがとう!」、そして「素晴らしいですね」といった称賛・感謝の言葉が社内で溢れ続けることに貢献していきたいです。

編集部あとがき

単純に業務やコミュニケーションを効率化するだけなら、他にも便利なツールはたくさんあるかもしれません。
ただ、それは決して本質的な目的ではなく、本当に大切なことはその先にあるのだと、4人の言葉から改めて気づくことができました。

「Nikko Bravi !」は、「当社で開発した」というよりも「当社のメンバーだからこそ開発できた」ツールなのではないかと、今回の取材を通して強く感じています。

新たな開発プロジェクトやデジタル戦略部の活動など、今後もnoteでどんどん発信していきます!

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