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#4 熊爪珈琲

前回に続いてまたしても珈琲の話題です。
「熊爪珈琲」みなさんご存知でしょうか?
少し前に中国で大きな話題となった新しい形態のカフェは日本でも大旋風を巻き起こしていることをみなさんはご存知でしょうか?
そんな中国発のIP?ビジネスを取り上げます。

熊爪珈琲とは?

どんな形態?

カフェといっても出入り口や座席は無く、ただセメントの壁に穴がひとつ開けられただけのテイクアウト専門店です。
この“穴”を目指して連日、中国中からお客さんが殺到しています。
昼どきや週末は公安のパトカーが交通整理で出動するほどの賑わいです。
上海にしてはリーズブルな1杯20元(約320円)のコーヒーが毎日500~600杯ほど売れているようです。

小紅書より

きっかけは創業者の欧州旅行

彼らが会社を立ち上げ、欧州に旅行したときに見かけある酒場がきっかけになっているようだ。その酒場は通りに面して小さな窓があるだけの小さな店舗だ。
お客さんはその小窓から注文し、お酒が提供される仕組み。
彼らは後から知ったのだが、そのお店で働いているのは社会参加が難しい人たちが働いているとのことだ。社会参加が困難な人がリラックスして働けるようになっていることに感銘を受けたのだ。

ユニバーサル雇用

非対面式の接客を導入しているため、ハンディキャップを抱えている人でもハードルなく働くことができる設計になっています。

UGC

中国版Instagramである小紅書上でもユーザーの投稿がかなり多く見られます。日常生活ではあまりみられない光景にシェアしたくなる気持ちもわかります。このUGCをうまく使って話題作りもしているようです。

小紅書より

店舗での体験をアップする人が多いと思います。

小紅書より

パッケージもUGCを促すようなデザインに

日本での展開

大阪

クマの手カフェのHPより

大阪の中心にある上本町というエリアに店舗が存在します。
カフェの名前は熊爪珈琲ではなく、「クマの手カフェ」
HPからの情報ですが、メンタルヘルス総合学園というところが運営しているようです。
メンタルヘルスに何かしらのハードルを抱えている人が働いているようで、中国のビジネスモデルを一部踏襲しているようです。
壁から熊の手が出てくる形態は非常に特徴的でシンボリックな印象です。
開業当初はかなり話題になったようで、テレビなどにも取り上げられていました。

東京


ANAKUMA CAFE Googleビジネスプロフィールより

東京原宿にも同様の形態のカフェが存在します。
大阪の店舗とは打って変わって、緑の壁面が印象的な店舗となっていますが、ビジネス形態としては中国のものを踏襲しているようです。
コーヒーだけでなく、ドーナツやカヌレなど、最近流行りのデザートなども取り入れている様子。
運営会社は不明です。

福岡

フクリパのHPより

福岡県の大名エリアにも同様の店舗がありました。
ロゴや見た目からも原宿の店舗と同様の運営会社かと思われます。そこまで情報が出ていないので、詳細は不明です。

ポイント

省スペース

テイクアウト専門で非常に小さなスペースで商売ができるため、FCやライセンス展開はやりやすいと考えられます。

人件費と非属人性

少ない人数で運営が可能で、オペレーションや接客がシンプルなため、非属人性も兼ね備えていると考えられます。

非日常

普段とは違うカフェの形態で、非日常な体験ができることが他のカフェなどと比べて特筆すべきポイントかと思います。

まとめ

以上が熊爪珈琲の考察です。
裏側を見ると様々なスキームが張り巡らされており、日本では見られない形態でした。
日本での店舗数も徐々に増えてきており、今後も人々を熊が熱狂させていくのが楽しみです。


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