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新規事業の領域パターン②:既存需要×隣接客×新商品(既存ビジネスモデル)

新規事業の領域パターン①に次いで、多くの会社が取り組のが、領域パターン「既存需要×隣接客×新商品(既存ビジネスモデル)」の新規事業です。自社や自業界に、他業界の事例やサービスを直接当てはめて作ることができます。

【市場・顧客軸】
「顕在化した既存需要」×「既存客・隣接領域」

【商品・ビジネスモデル軸】
「新商品(既存ビジネスモデル)」

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この領域パターン②も、市場・顧客側は「顕在化した既存需要」×「既存客・隣接領域」で、保守本流事業の社員が顧客課題をよくわかっている領域であり、「誰が顧客で、どういう課題を抱えているか」を考えずに済む新規事業です。
自社では、過去に経験のない新商品を提供しますが、他業界では数十年前から提供されており、ビジネスモデルやオペレーションなどは確立されています。顧客の側も、その商品やサービスには数十年前から慣れ親しんでいます。
自社内には経験者がいないだけであり、他業界で数十年前からなされている事例を真似して取り込むアプローチとなり、新規事業としての難易度は低く、成功確率が高くなりやすいです。

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「顕在化した既存需要」×「既存客」×「新商品(既存ビジネスモデル)」の領域
この領域は、既存客に、自社でこれまで売っていない商品を売るもの。
例えば、既存客向けに業界特化の人材紹介事業を立ち上げる、製造メーカーが他社製品・サービスを販売する販売代理事業を開始する、通信キャリアがスマホ生保やスマホ銀行事業を開始するといった類の新規事業です。

「顕在化した既存需要」×「隣接する領域」×「新商品(既存ビジネスモデル)」の領域
「隣接する領域」は既存客の周辺領域や、特定カテゴリ向けに、自社でこれまで売っていない商品を売る事業です。
例えば、NTTドコモのdポイント事業は、この領域パターン②に該当する新規事業です。ドコモの携帯契約者以外にもユーザー拡大し、ツタヤ社のTポイントと類似サービスを提供しています。

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この領域パターン②に取り組む際の体制は、優秀エース社員+その業界やビジネスの経験者を中途採用するのが良いでしょう。
このパターンの新規事業は、自社の業界常識に、他業界では既に行われている事業を組み込むものです。組み込む際、もともと自社にない機能を構築し、外部パートナー企業との関係性を構築する必要性が生じます。これらは本質的に、社内調整と企業間での交渉です。そのため異端児社員よりも、本業に強いエース社員を担当にするのが良いでしょう。自社では未経験の事業でも、社外にはその経験者はいるため、社外から採用をして連れてきましょう。
このパターンの新規事業は、別業界企業との協業も有効な選択肢です。顧客や市場側に強い企業と、商品やビジネス側を持つ企業との強者連合はうまくいきやすいです。
世の中に対する新しい価値観提示の側面は少なく、社内調整・企業間調整の色合いが強く、その推進は異端児社員よりも、優秀エース社員が牽引する方が良いでしょう。


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