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エンタープライズ企業の支援を加速する、全社横断プロジェクトの「今」と「これから」

「SmartHRは認知度が高いから、サービス名を伝えるだけで売れるのでは?」
「急成長していると聞くし、導入いただく難易度が低そう」
……これらの声を社外の方からいただくことがありますが、声を大にして「そんなことはないよ」とお答えします。

現在進行形での挑戦と社内連携の実例としてご紹介するのは、大手企業支援プロジェクト。SmartHRでは一定以上の従業員数を抱える企業を "大手企業" もしくは "エンタープライズ企業" と呼んでいます。
全社横断で本プロジェクトを進めていくことが決まったのは、2022年末のこと。プロジェクト立ち上げから1年弱となる2023年10月末に「これまでに実施した施策」「難しさとやりがい」「本プロジェクトの今後」について、4つのグループでエンタープライズ領域を担当する各マネージャーに聞きました。

この記事に登場する人
・今西 佑太さん(Slack名 @imani):マーケティンググループ マネージャー
・大谷 優一さん(Slack名 @charlie):インサイドセールスグループ マネージャー
・和田 一真さん(Slack名 @wada_kazu):セールスグループ マネージャー
・児玉 桃也さん(Slack名 @momonari):カスタマーサクセスグループ マネージャー

※本文中では、人物名をSlack名で記載します。また、略称を下記のように表記します。

  • マーケティング、もしくはマーケティンググループ → マーケ

  • インサイドセールス、もしくはインサイドセールスグループ → IS

  • セールス、もしくはセールスグループ → セールス

  • カスタマーサクセス、もしくはカスタマーサクセスグループ → CS

The Model型でありながら全社横断する、「大手企業支援プロジェクト」の概要

ーーはじめに、4名が推進されている「大手企業支援プロジェクト」がどういうものかを教えてください。

imani(マーケ):大手企業へのSmartHRの導入推進を目的として発足したプロジェクトです。事務局として、セールスの@furutomoさんと事業企画の@chinaponさんとセールスの@kieさんが旗を振っており、ここにいる4名の各グループ(マーケ・IS・セールス・CS)の他、PMMやプロダクトサイドのメンバーも適宜会議に参加しています。
SmartHRは「The Model型」の体制を敷いていますが、本プロジェクトではグループをまたいだ横串の連携を行っています。

右を向いて話す男性の横顔。メガネをかけている。
【今西 佑太さん(@imani)】株式会社SmartHR マーケティンググループ マネージャー。
2011年に新卒で鉄道会社に入社。主に複合施設の開発および開業後の運営管理を担当し、集客イベントの企画、広報宣伝等のマーケティング業務を行う。2020年にSmartHRに入社し、関西支社にてマーケティング業務に従事。セールス支援を担うマーケティングも経験したのち、2023年7月よりマネージャーに就任。

ーープロジェクトが始動したきっかけを教えてください。

imani(マーケ):2023年10月現在、SmartHRは6万社以上の企業に登録いただいていますが、日本の労働人口に対するカバー率はまだ数パーセント。コーポレートミッションである「well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」ためには、大手企業のさらなる導入支援は必須という考えがきっかけです。

大手企業支援プロジェクトの組織図。一番左に「PJオーナー @kurahashi(COO)」と書かれており、その右に「PJリーダー @furutomo」が繋がり、さらに派生する形で「PJ事務局 @chinapon / @kie」と書かれている。一番右には「マーケ @imani」「IS @charlie」「セールス @wada_kazu」「CS @momonari / @kawamitsu」の4つのグループが並んでいる。
大手企業支援プロジェクトの全体図

ーープロジェクトの立ち上げ前の課題感はどのようなものでしたか?

imani(マーケ):マーケ内では「大手企業の導入を徹底的に支援していこう」という雰囲気はまだあまりなかったと記憶しています。それまでも、セールスの@wada_kazuさんから相談を受けて、大手企業向けのセミナーを実施するような事例はありました。しかし、個々の相談に応えていたため、点での支援止まりであり、複数部署を横断する施策はありませんでした。

当時はまだ、連続性のある施策を実施する意識が低く、「このままでいいのかな」「もったいないのでは」というモヤモヤを抱えていました。

右を向いて話す男性の横顔。
【大谷 優一さん(@charlie)】株式会社SmartHR インサイドセールスグループ マネージャー。
システムインテグレータやアプリ開発会社の営業を経て、2017年にSmartHR入社。フィールドセールスを経て、現在は従業員数2,001名以上の企業を担当するインサイドセールス部隊のマネジメントに従事。

charlie(IS):私は2023年1月にセールスからISに異動したため、プロジェクトの立ち上げ時には関わっていませんでしたが、セールスとして考えていたことをお話しします。
SmartHRの社員数が少なかった頃は、社内の誰がどんな仕事をしているかがわかりやすかった。一方で、社員数が1,000人近くまで急増した現在では、各グループの規模も大きくなり、グループ間ではマネジメント層同士しか会話しない状態も増えています。

また、正直なところ、当時は自グループのことで精一杯でした。例えばISにとってのセールスのように、The Model型での自分の先にいる人のことを「大事だよね」と思いつつも、「とりあえず商談を生み出して、目の前のKPIを達成する」という考えに陥りやすい。
プロジェクト立ち上げ前は、このままでは良くないという自覚はありつつも、他部署まで意識を向けられていなかったと思います。

そして、そのように連携が弱い状態では、大手企業に向けた社内一丸となった営業活動はできていませんでした。

右を向いて話す男性の横顔。
【和田 一真さん(@wada_kazu)】株式会社SmartHR セールスグループ マネージャー。
大学卒業後、2011年に新卒で地方金融機関に就職。その後大手人材サービス会社の人材紹介事業部門の法人営業・キャリアアドバイザー・拠点マネジメント・新サービスの立ち上げなどに携わり、2019年10月にSmartHRに入社。

wada_kazu(セールス):私は関西支社の1人目のセールスとして入社しました。マーケの@imaniさんとは同時期の入社で、関西マーケットの0→1フェーズを共に経験しましたね。

まず関西でエンタープライズセールス組織を立ち上げた後、全国管轄のエンタープライズセールスマネージャーを任せていただくことになりました。しかし、当時の組織状況としては2期連続で達成率が約50%、予算達成者も約2割ほどで、立て直しが求められていました。
また、組織規模も大きく、かつ規模がコンパクトな関西支社内の横組織との距離感と比べると、連携面でも縦割りの色が強い印象を持ちました。長期目線でのコミュニケーションを取る場面も少なく、案件ベースでのコミュニケーションしか取れていない状況です。そのため、まずなんとか「横串組織」の力を借りて、組織横断で密に連携できる状態にしなくては……と強く思っていました。

そこで、エンタープライズ領域に特化した形で、セールスとISが連携したリード獲得施策や、ナーチャリングを目的としたイベント企画に注力したいと思い、@imaniさんに相談していました。同時期に、組織間の横連携の課題感を踏まえて、目標として掲げる高い山を登るべく、全社横断でのエンタープライズ領域の支援プロジェクトが始動した流れです。

右を向いて話す男性の横顔。
【児玉 桃也さん(@momonari)】株式会社SmartHR カスタマーサクセスグループ マネージャー。
大学卒業後、ホテルや旅館を運営する会社にて現場スタッフとしてサービス業務に1年半従事。その後、同社人事部へ異動し、新卒採用業務を1年半担当。その後、カスタマーサクセスマネージャーとして2020年5月にSmartHRに入社。

momonari(CS):CSもセールスに近い状態でしたし、@charlieさんが言っていたコミュニケーションの課題は私も感じていました。具体的には、他部署との交流が少ないため、お互いのことをあまりわかっておらず、遠慮をしてしまう。また、当時は職種ごとのまとまりが強く、他部署との「一緒にやっていきましょう」感はあまりなかったと記憶しています。相談したいことがあっても、遠慮がちに少し勇気を出して声をかけるような状態だったと思います。

charlie(IS):遠慮はすごくあったと思います。プロジェクト立ち上げ前は、セールスと直接連携するはずのCSも遠い存在に感じていました。

コミュニケーションにより、互いの期待がわかり始め、目線が揃う

ーーでは、プロジェクト立ち上げから今までの1年弱での変化を教えてください。

imani(マーケ):プロジェクトが始動してすぐに成果が出たわけではありません。まずは、「大手企業を深く知る」ため、各部署のマネージャーへのヒアリングから始めました。
その中で、2023年上期にセールスが大手企業の受注目標を達成した。ただ、マーケが貢献できた実感はまだ無かったですね。小さな成功体験はマーケでも積み重ねられていますが、爆発的なものはまだ残せていないなと。

部署間の距離が少しずつ縮まることで、他部署から「求められていること」と「不要なこと」が少しずつわかってきたというのが、変化の一つです。

charlie(IS):私がセールスからISに異動する際に期待されていたことの一つに、「ISとセールスを繋げ、交流を促進すること」があると思っています。異動してすぐに社外の方の研修を受け、他社のエンタープライズ領域のISのやり方を教えていただきました。その際に指摘いただいたのが、ISからセールスへの「なぜこのようになったんですか?」という質問が非常に少ないこと。ISがトスアップしたお客さまのうち、セールスが商談に進めた数をKPIとして置いているけれど、どういった要因で商談が進捗するのかがISのメンバーにはわからない。

この指摘をきっかけに、部署間でのコミュニケーションを多く取る方向に舵を切りました。もし納得できないことがあれば、ISからセールスにきちんと聞きましょう、と。
遠慮のないコミュニケーションが生まれることで関係性が壊れるのではないかと危惧していましたが、ISからは「質問することで商談の背景が今までよりも理解できて楽しいです」という声が聞こえるようになりました。

正面を向いて微笑みながら話す男性。
セールスの@wada_kazuさん

wada_kazu(セールス):2023年上期は全社横断プロジェクトも始動し、目先の課題への認識を揃えつつ、なんとかエンタープライズセールス組織の予算は達成できました。それまでの間未達が続いていたこともあり、一つの大きな目標をやり遂げた感はありつつも、横串組織での連携面においては「いい意味」で「伸び代」はまだまだあると思っています。

2023年下期に入ってからは、ISとセールス間の対話を@charlieさんが同じ目線で進めてくれているので、部署を超えて「同じチームで働いている感」が強くなってきたと感じています。お互い疑問があれば本音をストレートに発言できる関係を築き始めており、「その言い方はちょっときついんじゃない?」という場面もあるかもしれませんが、遠慮しすぎてしまうよりも前進してきたと思います。

ーーセールスとCS間のコミュニケーションはいかがですか?

wada_kazu(セールス):以前は「ちょっとした壁を感じる」という声がありましたが、セールスとCS間のやり取り用のSlackチャンネルをつくったところ、フランクなコミュニケーションが取りやすくなりましたね。実際に「以前よりもCSに相談しやすくなった」というメンバーも増え、着実にエクスパンションに向けたアクションに繋がっていると感じています。

momonari(CS):SmartHRはSlackのチャンネル数が非常に多いので、それまではセールスに話しかける際に「どこで声をかけようかな」という迷いがあり、動き出しまでの心理的負荷や認知負荷が高かった。これが、セールスのユニットごとのチャンネルができたことでグッと軽減されたんです。変化は他にも2つあります。

1つ目は、互いのグループの期待やほしいものについて、以前と比較して率直に話せるようになったこと。例えば、CSから「新たにこういう動きをISにお願いしたい」と伝えたり、セールスのメンバーに「顧客との定例ミーティングに同席してほしい」と相談したり。マーケにもつくってほしいコンテンツを依頼し、逆にイベントへの集客でCSが協力するなど、互いの期待する部分がわかり始めてきました。

2つ目は、プロジェクトが立ち上がったことで、今まで動かしづらかった新たな取り組みがスムーズに進捗するようになったこと。例えば、2023年頭にCS主導で進めようとして、他部署をなかなかうまく巻き込めていなかった施策があったのですが、横串連携によってビジネスサイド(※1)全体の目線が揃うことでそれまでの動きが嘘だったかのように順調に動き出しています。

wada_kazu(セールス):プロジェクトを通じて距離感が近くなり、会話を重ねていく中で印象的だったのが、@momonariさんから「僕がセールスの新規獲得の商談に同席することで、少しでも役立てることはありませんか?」と声をいただいたことです。
プロジェクトの始動前ならば、そういう声をいただけていない、もしくはそういう発想になっていなかったかもしれない。でも、目指す方向を互いに確認したことで、既存のお客さまのエクスパンション(※2)活動だけでなく、新規のお客さまとのやりとりの場面でも声をかけてもらえたのがすごく嬉しかったです。

正面を向いて座り、顔は右側を向いて微笑む男性。メガネをかけている。
マーケの@imaniさん

imani(マーケ):いい話ですね。マーケは2023年上期はずっと試行錯誤していました。
マーケは役割に応じて複数ユニットが存在しており、その中にエンタープライズ向けの支援をミッションに持つ「セールスマーケティングユニット(以下、セルマケ)」があります。私はそのユニットのマネジメントを担当していますが、メンバーの@pongyさんとは「振り幅を持っていろいろやってみよう。他部署からの信頼を獲得するために、小さくてもいいので成功体験を積んでいこう」と話していました。

まだ勝ち筋とまでは言えませんが、今はオフラインの場づくりを意識しています。決裁層のお客さまとセールスの接点をつくったり、CSのメンバーにも会場に来てもらったり。対面の機会がつくれるのはマーケならではですし、そこの価値に気付き始めたのが上期でした。
そこから、全国各地でのイベント開催を意識的に進めています。

charlie(IS):イベントといえば、実際に成果に大きく結びついたものはIS内でも話題になっていましたね。

imani(マーケ):以前、セールスのメンバーが「絶対に支援したい企業さまがいる」とマーケに相談してくれたんです。そこで、イベントを実施したところ無事に受注できた。また、イベント当日、ISやCSのメンバーも現場に来てくれて。

charlie(IS):ISからお客さまにイベントのお声がけをする際に、KPIに囚われると「自分の実績として数字につながるかはわからない」という考えに陥りがちですよね。でも、お客さまにイベントをご案内したことで、結果、来場者数も非常に多く、商談獲得にもつながった。

imani(マーケ):そういった実績を積んでいくことで、いい意味で「マーケを使ってもらいたい」と思っていて。他部署に「良さそう」が伝わることで、少しずつうねりが出始めていると思います。

momonari(CS):そこに気付いたメンバーは自分が担当するお客さまに積極的にイベントを案内していますよね。イベント内での会話からエクスパンションに繋がるお話も生まれます。
最近では、マーケのメンバーがCSの定例会議によく来てくれるようになって、CSメンバーからも「マーケの人」と認知され、互いに相談しやすい状況がつくれています。

charlie(IS):各自の責任範囲が決まっている場合は特に、「余計な仕事を増やしているだけなのでは」といったことが気がかりで、相談しづらいことがある。だから、セルマケが周りから認知され、依頼されやすくなっているのは、着実に次に繋がる変化の一つだと思いますね。

全社の総力戦は「情報」が鍵

ーーでは、大手企業支援の難しさややりがいはどのようなものでしょうか?

imani(マーケ):現在マーケは80人ほどメンバーがいて、それぞれのチームが日々新しいものをつくっています。例えばセールスから「今〇〇でとても困っている」と相談を受けた際に、最も貢献度の高いコンテンツやイベントの情報を提供するため、私たちセルマケはマーケに関する脳内の情報を常に最新にしておく必要があります。
しかし、組織が大きくなってきた今、これが非常に難しい。大手企業はそもそも導入いただくまでの難易度が高いため、脳内のストックを増やして、施策の合わせ技で支援していくことが必要だと考えています。

左側を向いて微笑みながら話す男性。
CSの@momonariさん

momonari(CS):難しさは、大手企業の場合は特に、多くのメンバーで力を合わせないと大きな成果が出ないところだと思います。やはり一人でやれることには限界があります。セールスやCSのメンバーがお客さま企業の中に深く入り込んで、中長期的にその関係を広げていく、そこで得た情報をいかに精度高く、密に他グループへ連結していくかが重要です。

例えば、初期導入が無事に完了したお客さまの活用範囲(ご契約)が労務領域に限られていた場合に、タレントマネジメントのプランも続けて導入いただけるかというと、もちろん一筋縄ではいきません。大手企業では分業が進んでいる分、労務と人事(タレントマネジメント)に一定の距離があります。
そういった場面では、まずセールスとCSで協力しながら労務領域のご担当者さまと密にコミュニケーションを取ります。そこで信頼を得た結果として、決裁層の方にお声がけいただきお客さまが企業として向かわれる方向性を握っていく。そして、その中でSmartHRとしてお役に立てる部分を見つけ出す。ここまできてようやくタレントマネジメントとの接続ができます。
ここでは触れていませんが、お客さまとの関係構築・深耕のこれらのプロセスでは、もちろんISやマーケの活動も欠かせません。

ただし、こういったアカウントマネジメントの活動には、まだまだ組織としてパワーをかけきれていません。大手企業の皆さまのサクセスに向き合うことを考えると、部署問わず同じ方向を向いて協力する必要があり、難しい分、面白く、やりがいもあります。

wada_kazu(セールス):
改めて、大手企業の支援とは、全社総力戦でお客さまと向き合うことだと思っています。大手企業特有の様々な要望がお客さまごとにある中で、「特定の機能の必要性」「会社としての運用支援に向けた適切なサポート体制」などを他部署も含め議論する必要があります。そのため、各部門のプロフェッショナルの力を借り「できること」「できないこと」含め目線をすり合わせし、提案し続けることが、大手企業のお客さまの期待に応えるために大切だと思っています。

例えば、SmartHRを認知いただくために、イベントという場づくりをする。お客さま企業のキーパーソンにご理解いただくためにISと連携する。お客さまから「サポートの状況を知りたい」という要望があったら、CSに打ち合わせに同席してもらう、など。全社の力を総動員してやっと支援できる領域だからこそ、部署間のコミュニケーションが重要なんですよね。
そして、うまくいった時には、部署の垣根を越えてみんなで喜びをわかち合える楽しさがあります。

charlie(IS):今日の取材の中で「横断」「連携」といった言葉が何度か出てきていますが、実は世間的にはそれが当たり前なんですよね。私はSIer出身ですが、セールスがCSと連携するのは自然なこと。今までのSmartHRのエンタープライズ領域では、言わばそれがちょっと疎遠になっちゃっていたのかなと。
これは「The Modelの弊害」と言われることがありますが、確かにThe Modelのみだと横の連携が生まれにくい。少しいきすぎた状態から揺り戻しの段階が今なのだと思います。

imani(マーケ):最近特に感じるのは、SMB(Small and Medium Business;中小・スタートアップ企業)やMMB(Middle Market Business;中小・中堅企業)と大手企業は「別世界」ということ。SMBやMMBで通用していた手法が大手企業には通用しないことが多いので、「違うアプローチが必要だ」と意識することがまず重要だと思っています。また、長距離マラソンでもあるので、長く走り抜くためには全社に横串を通して他部署を巻き込んでいく必要があります。

大手企業支援の成功事例として、SmartHRの名前が挙がる世界をつくる

ーー大手企業支援プロジェクトの今後の展望を聞かせてください。

momonari(CS):先ほどお話ししたアカウントマネジメントへの注力以外だと、ここからさらにプロジェクト活動の質を上げるために、CSメンバーのみならず全社でお客さまへの理解が深い状態をつくりたいですね。
具体的には、「お客さまが求めているビジネスの成果」「業務上解決されたいお困りごと」などを、CSがきちんと発信して、全社全員で認識が揃っている状態をつくっていきたいです。

現在は、情報がCS内に留まってしまっていることも多いのですが、他部署に現場でのリアルな声を連携していくことで、例えばマーケではよりお客さまが欲しい、求めていたイベントやコンテンツがつくれる。ISも活用事例にさらに詳しくなることで、導入検討中のお客さまに刺さりやすいポイントがわかるようになる。セールスもお客さまに合った、より説得力のあるソリューションを提案できるようになる、といったイメージです。

大手企業とは特に長い時間をかけて向き合うこともあり、まずはCSがお客さまのことを深く理解することが必須です。これを全社に波及させ、お客さまには一貫性のあるよい顧客体験を届けたいですね。

imani(マーケ):私は、「SmartHRのエンタープライズマーケティングって、大きな成果を上げているね」という世界を絶対につくりたいと思っています。インターネットで「エンタープライズ セールス」と検索すると情報が豊富ですが、「エンタープライズ マーケティング」で調べてもあまり情報が出てこないんですよね。また、他社のマーケターの方にお聞きしても、各社が試行錯誤している状態とのこと。
エンタープライズマーケティングの先駆け……と言いますか、SmartHR社の強みとして磨いていきたいと思います。

正面を向いて笑顔で話す男性。
ISの@charlieさん

charlie(IS):大手企業は企業数自体が少ないこともあり、データが出しづらく、コンテンツとして外部に発信しにくい側面がありそうですね。
ISに限らず今後2〜3年で目指したいことをお話しします。

元々SmartHRの顧客獲得は、コンテンツや広告などを使って広範囲の企業にリーチし、振り向いていただけるまで待っているような方法が主流でした。今まではそれで受注できていましたが、これからは訴求したい特定の企業に狙いを定めていくような攻めの施策が必要になる。
しかし、数万名の従業員を抱える大手企業に、社員数1,000人弱のSmartHR社員からいきなりご提案をしても、サービスを信用して導入するのは、お客さまにとって非常にハードルが高いんですよね。また、採用で様々な候補者さまとお話ししますが、「取引のない新規の大手企業に対してゴリゴリに売ってきました」という方はあまりいない。ISも同様なので、そこの第一人者のような組織にSmartHRがなれたらいいなと思います。

wada_kazu(セールス):私も同じくで、エンタープライズ領域において組織横断で成功している会社は本当に少ないと思っています。現在のSmartHRはThe Model型でありながら、大手企業支援プロジェクトを通じてマーケ・IS・セールス・CS、そしてプロダクトサイドが近い距離で同じ目線で動けています。そのため、組織横断でのエンタープライズ領域の勝ち筋を見つけるチャンスがあると思うんですね。

まだ正解を模索中ですが、組織横断のエンタープライズ顧客支援の成功モデルを一緒につくっていくところを楽しめるステージだと思います。今SmartHRを転職先として考えてくださっている方には特に、「発展途上でチャンスがあるし、やりがいもあって楽しめると思います」とお伝えしたいですね。

男性4名が横に並び微笑んでいる。
左から順に、@charlieさん、@momonariさん、@wada_kazuさん、@imaniさん

大手企業支援プロジェクトを含め、顧客企業の業種や規模ごとに異なる課題に対してあらゆる手法を用いて解決するメンバーを募集しています。マーケ・IS・セールス・CSでは絶賛採用強化中ですので、詳細は採用ページの募集職種欄をご覧ください。

応募を検討する前に「まずは業務の詳細を聞きたい」「会社の雰囲気をもっと知りたい」という方は、カジュアル面談をご活用ください。


取材日:2023年10月24日