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採用プロセスにおける、”現年収を聞かないポリシー”を見直しました。

こんにちは、SmartHRのVPoHR薮田(@yabucccchi)です。

これまで、SmartHRの給与制度についてnoteに書くことはあまり多くありませんでした。
会社の魅力は給与だけでなく、働きやすさ、賞賛のされ方、今後の会社の成長など、いろんな魅力で構成されていると考えています。

給与の話だけをnote等で打ち出しすぎてしまうと、どうしても給与情報が目立ってしまい、「給与が高い会社」と、組織のイメージが誤った形で独り歩きしていしまう。そういう誤解を避けたいと考えていました。

とはいえ、SmartHRにご応募いただく皆さまにとっても、従業員にとっても給与は会社で働く上での重要な要素の一つです。誤解を避けるだけでなく、SmartHRの給与の考え方や現状制度について正しくご理解いただくことで、SmartHRのことを深く知っていただくきっかけになると考え、今回noteを書くことにいたしました。


まず最初に、給与におけるポリシーについて1つ変えたことがあるのでご紹介します。

採用プロセスにおける、”現年収を聞かないポリシー”。

今までSmartHRでは採用プロセスにおいて、「現年収・希望年収」を聞いていませんでした。今後、候補者の皆さまにとっても、SmartHRにとってもよりよい採用活動、選考をしていくために、方針を一部変更いたします。

元々の方針については、過去のnoteをご覧ください。

現在と今後とで変わること、変わらないことをざっくりまとめるとこんな感じです。

提示年収を決める際に変わることと、変わらないことの比較表。変わらないことは2点「社内バランスを大事にする」と「報酬を決める際に現年収や希望年収を考慮しない」。変わることは2点で「候補者全員に聞かないことにしていた現年収や希望年収を、ケースバイケースで聞くようにする」と、「採用決裁者に伝えないようにしていた現年収や希望年収を、ケースバイケースで伝えるようにする」こと。
提示年収の検討において、現在と今後で変わることと変わらないこと

今回は、変更した理由についてや、給与に対する考え方をご紹介させていただきます。

1)人材を採用していく上で大切にしていきたいこと

SmartHRという組織は、「チームで成果を出す」というところに強みを持っています。これは今後も組織が成長していく上で、引き続き持っておきたい強みと考えています。

今後、組織が成長していく上で、今までSmartHRにいなかったような人材を採用していく必要があります。SmartHRにいなかったような人材を採用していく上で大切にしておきたいことは、市場に見合った報酬を出し、その方に今後期待する成果に応じた報酬を提示することです。

これまでは、新しく採用する方と社内の人材を比較しやすい状況でしたが、今後はそうではありません。現年収を聞かないと私たちの判断が誤ってしまう可能性があります。そうした理由から、ポジションによっては現年収を参考にした上で報酬を決めることも許容していくことにしました。

ただし、引き続き大事にしたいことは”社内バランスを崩さない”ということ。ここは、以前創業者がブログで書いていた考えから変わりません。「いつのまにか給与情報が漏れ、ギスギスがうまれる。」ということを引き続き避けられるようにしていきたいです。

バランスを崩さないようにするため、難しいこともあります。例えば、前職と業界や企業規模が違うケース。業界が異なると、同じ職種でも給与が違うこともあります。こういうときに、前職の給与を考慮してしまうと、前職の業界に引きづられて高くなってしまうこともあります。ここは、SmartHRの事業規模や業界に見合うバランスを検討した上でオファーを出すようにしています。

【豆知識】採用プロセスにおいて、社内バランスを可視化する工夫

ここでひとつ、給与決定をする上で、使っている表をご紹介します。各チームごとに以下のような給与分布表というものを用意しています。

給与の分布をバイネームで管理している表。ここではバイネームではなく「Aさん:550万、Bさん:580万」という表記になっている
給与分布図のイメージ

この表を活用することで、選考終了後オファー金額を決める際に、「今面接した人は、Cさんよりは高くしたいけど、Fさんより高くなるのはバランスが悪いからその中間にしたい。」と全体感を見やすくする工夫をしています。

全体のバランスを可視化する上でこういったものを活用し、バランスが崩れないようにオファーを決める現場責任者や人事が見ています。

2)給与に対する考え方

「社内の給与バランスを大切にする」「前職の業界に引きずられないようにする」そう聞いてしまうと、今後SmartHRでは給与を上げていくつもりがないように聞こえているかもしれません。

これは大きな誤解です。

SmartHRでは事業成長とともに、従業員の給与を上げていきたいと考えています。

現状の数字もご紹介させてください。以下のグラフは、実際の平均年収の推移ですが、平均年収は上がってきています。

平均年収の推移のグラフ。2019年1月から2023年7月のデータが掲載されている。「年収は成果給を含まない金額」という説明があり、2023年7月の数字は平均が「6,615,878円」、中央値が「6,324,000円」となっている。
SmartHR会社紹介資料 / We are hiringより
https://speakerdeck.com/miyasho88/we-are-hiring?slide=52

こちらの数字は『月給✕12ヶ月』いわゆるベース給与です。ベース給与以外にも、「成果給」と呼んでいる、現金支給のインセンティブ制度を2022年に開始しました。

【豆知識】成果給の仕組み
成果給の計算式は、基本的に半年に1回1ヶ月分の給与を算定基礎とし、個人評価や業績に応じて1ヶ月の給与に係数を掛けています。

「成果給=月次給与×算定基礎係数×個人評価係数×業績評価係数」と書かれている画像
成果給の計算式

個人評価係数は職種によって数字が違うのですが、半年の成果がわかりやすい営業職だと等級によっては最大半年で6倍の係数をかけています。

成果給を導入した後の、従業員の年収をイメージしやすいように成果給の中央値に2を掛けて年収の中央値に乗せてグラフ化してみました。

「成果給を含めた想定年収の推移」を示したグラフ。2019年1月〜2023年7月までの数字(イメージ)がグラフで示されている。2023年7月は、月給×12ヶ月分で6,324,000円、成果給の中央値×2が1,054,000円で、合計7,378,000円が想定年収として記載されている。
実際の成果給実績とは異なる数字です。イメージとしてご覧ください。

このような形で、事業成長や成果に応じて報酬を出せる仕組みを作っています。

3)成果に応じた報酬を出していくために

少し話が逸れたので、現年収を聞かないポリシーの話に戻します。今後、SmartHRにご応募いただいた候補者さまには、現職の給与情報をお伺いすることもあると思います。

以前のポリシーと変わりますが、オファーを決定する現場責任者に対しバイアスがかからないように配慮をし、社内バランスが崩れないように人事から情報共有をしていきます。

また、オファーを出したみなさまに対し、オファー金額提示後に現職年収をお伺いし、給与市場調査の参考にさせていただいておりました。このプロセスも引き続き継続し、給与市場に関する情報を常にアップデートしていきます。

繰り返しになりますが、これらの仕組みづくりやポリシーの変更は事業成長とともに、
候補者のみなさまや、既存社員にとって成果に見合った報酬を出していくためです。

引き続き、活躍している人に報酬で報えるような、フェアなしくみを続けていきたいと思います。

そのためには、事業の成長。事業の成長のためには人材が必要です。引き続き各種ポジションで採用していますので、ぜひぜひご応募ください!