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福岡での暮らしをもっと便利にするために、いまLINEでできること ~消防出動通知機能~

こんにちは。Smart City戦略室の白石です。福岡市LINE公式アカウントを使って、福岡での暮らしをもっと便利で安心できるものにするためにどんなことができるのか、日々サービスの企画を考えています。

先日、福岡市LINE公式アカウントで消防車の出動情報が受け取れる機能がスタートしました!

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どんな機能なのか、詳しくは プレスリリース で紹介しています。

この記事では、この機能をどのように作っていったか、完成するまでの過程を企画担当者の目線で振り返ってみたいと思います。こだわりポイントは「市民・ユーザーの声」です!

どのようにして始まったのか

2021年9月に福岡市消防局さんよりLINEの活用方法について相談を受けたところから取り組みがスタートしました。

消防車の出動情報の発信は、「ふくしょうめーる」というメールでの出動情報配信サービスが既にあり、2021年9月時点で約1万人の方が登録されていました。
これに加え、電話で災害状況を確認できる「福岡市災害情報ダイヤル」には年間21万件の電話が寄せられており、多くの市民の方に必要とされてている情報だということが数字から分かりました。

自分の行動を振り返ってみても、消防車のサイレンが家の近くで止まった、と思ったらとりあえず窓から外を確認したりTwitter等で情報を探す、という行動をとっているなと再認識。家の前に消防車が来ているので数時間ずっと窓の外を気にしていた、ということもありました。

過去に福岡市民の方へインタビューをした際にも、「生活の安全に関わる情報」は確実な情報ソースから得たい、という声が多く聞かれており、
市民の安心・安全に関わる情報を、確実なソースからリアルタイムで届ける、というのは福岡市LINE公式アカウントの重要な役割だと考えていました。

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そこで、LINE Fukuokaも協力し福岡市LINE公式アカウントに消防出動通知機能を追加しようということになりました。

機能作り

既にメールでの出動情報配信サービスがあったことから、
一番最初にイメージしたのは、メールでの配信をそのままLINEに転送するというものでした。

こんなイメージ▼

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(正直最初は、もうこれで完成では?とちらっと思ってしまったことを告白します)

しかし、LINEで情報を受け取れるようにするには、メールでは実現できていなかった新しいユーザー体験を実現したいと考え、ふくしょうめーるを利用しているユーザーに、サービスを利用し始めたきっかけや少し物足りないと感じることについてインタビューを実施してみることにしました。

インタビュー対象のリクルーティングは、まず身近なところからということで社内でインタビューへの協力依頼を周知したところ、(意外にも)10名程度の既存サービスユーザーが見つかり、数名の方にインタビューを実施しました。

印象的なユーザーの声として、以下のようなものがありました。

・メールに書いてある出動している理由の「救急のため」「警戒のため」「油漏洩のため」、言葉の意味が分からなくてめっちゃ調べた
・「出動した」という情報だけだと、危険なのかどうかが判断できない
・重要度や緊急度が分からないので情報が埋もれてしまいがち
・有事の際は、SNS上でも「火事起きてるらしい」とか中途半端な情報があふれていて不安になるので、公式の情報がリアルタイムで手に入るのは有難い

ユーザーの声から得た気付きを機能に反映

ユーザーの声をもとに、LINEならではの体験を加えたものがこちら▼

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以下の点を工夫しました。

・ 「なぜ消防車が来ているのか?」の理由がすぐに確認でき、とってほしい行動をあわせて記載することでユーザーが判断しやすいようにする
・すぐに地図を確認できる、すぐに誰かに共有できるなど、次のアクションをスムーズに起こせるようにする
・安全に関わる重要度が高い情報として、他のメッセージに埋もれないようメッセージの見た目にこだわる
・自分の家以外の情報も受け取れるよう、最大5つのエリアの情報を受け取れるようにする


また、インタビューを実施したことでのプロジェクトへの良い影響として、
インタビューで得た市民・ユーザーの声があることで、ステークホルダーと合意形成する際にユーザーの体験を考慮しながら意思決定をすることができたという点です。

例えば、ホームページ上にも公開している情報をメッセージにわざわざ記載する必要があるか?リンクを付ければ良いのでは?のような議論の際に、すぐに情報を知りたいと思った時に、ホームページに誘導されてそこから情報を探すという体験の不便さを共有して意思決定をすることができた、など、ユーザーの体験を判断軸にして機能仕様について合意できたことは、とても良かったと感じているポイントです。

福岡市消防局さん、福岡市さんの多大なご協力もあり、サービス検討開始の10月から4カ月後の2022年1月末にサービスの提供を開始することができました。

開発おまけ話
サービス開発時の苦労ポイントとして、住所リスト(※)の問題がありました。
福岡市LINE公式アカウントでは、住んでいる地域に応じてごみの収集日や災害情報を配信するサービスがありますが、現在はごみの日・防災などの情報発信の項目ごとに別々の住所リストを使って運用されており、今回の消防出動情報も別の住所リストを使う必要がありました。
なので、最初はごみの収集日で使用していた住所リストをそのまま使うことを想定していましたが、テスト段階でそれが出来ないことに気付き、あわてて今回の消防出動情報発信用に住所リストを作り直す作業が発生しました…。

それについては 「ベースレジストリとしての住所・所在地マスターデータ整備」 の動きに期待しています。
今後すべての自治体サービスで共通の住所リストを使って運用ができるようになれば、サービスのメンテナンス効率も向上し(もちろん開発時の効率も向上する)、さらにユーザーも、各サービスでそれぞれに住所リストを登録する必要がなくなる、というメリットがあります。

※住所リスト:受信設定画面上での選択肢として表示している、町名リストのこと。

機能をスタートしてから

サービス開始から2ヶ月が経過しましたが、消防出動通知の登録者数は3万人を超え、既にメールよりも多くの方に活用いただけるサービスとなりました。今後もユーザーの方の声を参考にさせていただきながら、より強力なサービスにできるよう改善を続けていきます。

福岡にお住まいの方、ぜひ福岡市LINE公式アカウントで消防出動通知機能を使ってみてください!「もっとこうだったら便利!」といったご意見もいただけるととっても参考になります。

▼受け取り設定方法はこちら

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使い方の詳細は プレスリリース をご覧ください。

生活の中での困ったことやもっとこうだったら便利!といったことを、市民・ユーザーの皆さんと一緒に解決していけるサービスを、福岡市LINE公式アカウントでこれからも作っていきたいと考えております。みんなで福岡をさらに素敵な街にしていきましょう~

※記事の見出し画像は福岡市より提供いただいたものです

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