あおり運転 自転車も罰則強化②

2020年7月、道路交通法(道交法)改正により自転車によるあおり運転などの危険行為も厳罰化される事になりました。

自転車によるあおり行為による危険行為や接触事故も、相手が歩行者であろうと自動車であろうとも、ふざけて行った行為や無謀な運転が原因で事故が起きた場合は、それが子どもでもお年寄りでも犯罪行為として処罰の対象になる事は知っておきたいですね。

もっとも、前回2016年の改正により、自転車の悪質な交通違反で複数回検挙された者に課される自転車運転者講習の義務化も、実績を見れば警察の本気度は知れています。

まともにやったらキリがないからなのでしょうけど・・・

内閣府WEBサイト「自転車運転者講習制度の施行状況について」参照
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/zenbun/genkyo/topics/topic_09.html

データが2017年までの1年間という古さなので(都道府県ごとにアナログ集計するからただの数字集計だけでもすごく時間がかかる、せっかくIT担当大臣がいるのに役職だけで何の仕事をしているかわかりませんよね)昨年度実績がどれくらいだったのかは判りませんが、総検挙数15,000件で講習受講者は24人、これが全国での実績です。

自転車もエンジンやナンバープレートが付いていないだけで、軽車両という交通乗用具ですから、道交法を順守する義務があります。

今までも自転車に対して道交法の改正による罰則強化は掛け声倒れで、信号無視や一時停止違反、歩道走行による歩行者妨害行為、横断歩道で人の間をすり抜けるような走行でも、事故が起きなければ見過ごされていますから、どれだけ実効性が伴うのかは分かりませんが、自転車事故でも死亡事故など重大事故が起きている以上、被害者にも加害者にもならないように、交通安全教育やリスクマネジメント教育は年齢世代を問わず重要です。

なんといっても、自転車での加害事故は運転免許(点数)制度がある二輪車や自動車とは異なり、交通違反なら反則切符免許点数の減点、免許停止処分といった行政処分などの区切りがなく、他人の車などの財物を壊せば器物損壊罪に、他人にケガを負わせれば傷害罪、死亡させれば致死罪と刑事訴訟法(刑法)でしっかり罪状が付く犯罪として検挙され、裁判にて
処罰されるのです。

そうなれば、成人なら犯罪歴のある前科を履歴書の賞罰欄に記載義務が生じる不名誉な記録となってしまいます。

もっとも、少年法で扱う未成年の場合は前科とは呼ばず前歴者ですが、警察のデータベースには犯罪歴として残ります。

未成年の子どもや年老いた自分たちの親が、自転車事故の加害者で犯罪者扱いをされる事は避けたいところです。

しかも刑法罰だけでなく、加害者の年齢に関わらず被害者の身体や財物を損壊させた場合には、民事訴訟法(民法)上の責任として、モノであれば現状復旧またはそれに応じた費用を、身体的損害であれば治療費・休業損害・慰謝料等を支払う責任が生じますから、仮に無収入で返済能力がない子どもには保護監督者である親権者にその責任が及びますし、大人で高齢者でも、裁判等で返済義務が確定した場合は、返済前または返済中に死亡等により未返済分があった場合は、相続(財産も借金も相続されます)として子どもなどの相続人が負う可能性もありますから、子どもだから、高齢者だからといっても、許されない事には変わりがありません。

近年は高齢者による自動車運転のブレーキ踏み間違いや暴走による死傷事故も少なくありませんが、自転車事故でも死亡事故や重傷事故が起きていますから、自動車保険のように加害者が法的責任を負った場合の備えとして、自転車保険や個人(家族)賠償責任保険の加入はしておきたいですね。

東京都など各自治体単位で条例により自転車保険の所有・使用者に対して条例で義務化を始めていますが、残念ながら自動車やバイクには道交法の加入義務があり、未加入で公道を走行した場合に処罰の対象となる自動車賠償責任保険(自賠責)と異なり、自転車保険の加入に関する条例は、新型コロナウィルスで緊急事態宣言により自治体が事業者に対して行った自粛要請と同じく、守らなかったとしても何の罰則もないので、すべての自転車に加入しているかどうかは事故でも起きなければ分からないのです。

もちろん、学校では自転車通学を許可するには自転車保険の加入が必須ですし、集金・配達等の業務で自転車を利用する事業者は、義務化されていなくても既に加入しています。

それでも、自分が加害者・被害者になった場合に備えて、自己防衛策として自転車保険などの賠償責任保険や、自分や家族のケガやモノの損害を補償する保険に加入しておいた方が安心できますよね。

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