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来春の共通テスト数学の易化は確定か?

先日、同業者の先生からある衝撃的な話を聞きました。その先生の塾の生徒さんの話ですが、「その子、共通テスト数学でⅠAⅡBともに40点台だったんだけど、九大に受かったんだよ」とのこと。

昨年の九大は、共通テスト数学4割でも受かる旧帝大だったのです。もちろん、2次の頑張りがあったり、他の共通テストの科目も頑張ったからでしょうが、なかなか衝撃的な話です。

私の担当した生徒さんは、逆の現象が起きており、文系でしたが、数学ⅠAⅡBともに50点台後半だったので、大幅なアドバンテージで余裕で志望校に合格しました。

そんな共通テスト数学ですが、塾業界には、暗黙の了解として、希望的観測も含め、来春は易化するだろうというのが大方の予想であり、難化の対策をアピールする塾は少なく、既定路線になっているよう思います。

そんな背景の中、こんな記事が出ています。

雑に言えば、政治の介入です。そもそも共通テストは、政治の介入により、センター試験から変わったといっても過言ではありません。記述式だったり、英語の外部テストの採用、点数の段階評価が画策されましたが、結果としてすべて不発に終わりました。

なので、今年度の難化の背景にあるのは、文部官僚主導による改革かとみていました。

どのような経緯があったのかはわかりませんが、今回、共通テストの出題について、政治が介入したことで、少なくとも来春は、数学ⅠAⅡBのレベルが引き下げられるのは決定的かなと思います。

与党がここまで強いことと、少なくとも3年は選挙がないので、関係者が政治に逆らうことは考えにくいからです。

細かく言うと、数学ⅠAでは、

・整数論の易化 ・データの分析の計算の簡略化 ・読み取り問題の簡素化、適正化 ・抽象度の高かった集合論の修正

あたりは改善されるのではと思います。

特に文系受験生への配慮を中心に作問されるのではと思います。

医学部受験生は、再び高得点を求められるテストとなるのは、想定しておかないといけないでしょう。

一方で、合理的な根拠のある難化、つまり、論理の飛躍の少ない問題の難化はあっていいと思うので、このような良問の出題を期待したいところです。

何度か書いていますが、理想の旗はしっかりと立ててほしい。であれば、多少の難化は問題はないと思います。

具体的には、こちらで書いています。

論理の飛躍を埋める能力=高度な数学力という観点で共通テスト数学でそれを求めるのは、適当でないと私は思っています。

筋道をしっかりと立てていけば答えに到達できる能力には、汎用性があり、数学の学びがここで終わる人が大半であることを考えると、このあたりを大切にしてほしいかなと思います。



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