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物理は易化と予想するも、警戒すべきは、正常性バイアスか【九州大学2024年入試展望(4)】

25日から行われる九州大学2次試験(個別試験)の予想を書いています。前回はこちら。

最終回である4回目の今回は物理です。

昨年の九大物理は、数学の難化の陰に隠れて目立ちませんでしたが、大きな話題だったと思っています。さらに、生物が易しくなったことで、得点格差が顕在化し、生物選択者に有利な入試になったようです。

そもそも九大物理はじわじわと難化の予兆はあり、比較的易しい問題との抱き合わせでバランスを取っていた印象がありましたが、昨年はそのバランスが崩れたかなと思っています。
また、比較的スコアしやすかった生物との格差は、さすがに問題となったと思います。

なので、今年は易化の方向性となるというのが、常識的な見方でしょう。

これまで、九大物理は、単振動と二物体の問題の出題が多い印象でした。そのバランスが崩れてきたと感じます。
それは、間違いなく共通テストの影響でしょう。

特に二物体系は、共通テストで本質を抉る問題が頻発したことで、2次レベルでの出題意義が薄れてしまい、出題する先生が逡巡しているのかなと感じます。

そのため、九大物理は、数学と同様に共通テストとの差別化を意識して、新しい九大物理の方向性を探っている印象があります。

会話によって議論する問題であったり、2022年の物理第1問の万有引力の問題、昨年の力学の問題も新しい傾向といえると思います。

そこで、気をつけたいのが、パターンにはめて解くという思考方法でしょう。

これは、これまでの学習した問題の類型が出題されるということが前提となっている思考法なので、九大物理が志向している方向性とずれているのではと思っています。

これまでのように問題集に載っているような問題が出題されるという正常性バイアスにとらわれていると、試験本番で足元をすくわれる可能性があります。

共通テストになった後の九大物理の過去問から、どのような点に着眼すればいいかをじっくりと分析しておくといいのではないかなと思います。

『物理重要問題集』(数研出版)のB問題をやっておけば大丈夫という考え方ではなく、他大学の過去問などで、これまでとは違う傾向の問題にも目を通して、想定の範囲を広くして対応しておくといいのではないかなと思います。

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