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福岡市の巨大開発への強烈な違和感の正体【大は小を兼ねない怖さを学ぶ】

久しぶりに福岡市最大の繁華街天神地区で買い物をしました。
今、福岡市天神は再開発が進んでいます。

これについては、↓で記事にしています。

私自身の関心は、オーバーストアとなる臨界点はいつなんだろうかという興味くらいしかありません。そして、感情の大半は違和感で構成されています。

天神地区は、東京や大阪と同様に、私鉄ターミナル駅エリアです。そして、その主要地の地主は、西日本鉄道(西鉄)です。西鉄が主体となる再開発であれば、そこまでの違和感はないのですが、

今回の再開発は、行政が絡んだ「官製需要創造」である点が大きな違和感を発生させています。

天神ビックバンは、雑に言えば、福岡市天神は、福岡空港に近く、航空機の通過エリアになるため、建物に高さ制限がある。それを「期間限定」で解除して、高層化を図るプロジェクトということです。

そのため、あちらこちらで「我先に」と言わんばかりに競って、ビルを建て替えて高層化しています。また、後続の計画も次々に発表されています。

天神地区のオフィス需要や商業施設の集客力はまだまだ潜在的なマーケットがあるという判断によってこのような動きがあるのでしょう。

そんな中、↓の動画を発見。個人的には結構衝撃でした。

神戸や関西にお住いの方には、よく知られた話なのかもしれませんが、田舎者の私にはかなり驚きました。

世間にはいわゆる廃墟マニアと呼ばれる方がおられるようで、その界隈では有名なのでしょう。

このような情報に接して感じるのは、巨大複合施設の負の側面です。

たしかに商売としてうまく回れば、巨大化した施設はもうけも天井知らずなのでしょうが、一度逆回転を起こせば、巨大であるがゆえにこのような結果となる。

こと建築構造物の場合、大は小を兼ねない。当たり前ですが、ダウンサイジングは難しく、維持管理費だけでも巨大であるがゆえにリスクを抱えています。大型開発は、このように期間限定で一気にやるシロモノではないのではと思っているので、大丈夫なんだろうかという感情を抑えることができません。

人口で神戸市を抜き、イケイケ感のある福岡市ですが、それでも全体としてみれば人口が急激に減少している日本の一都市にすぎません。

インターネット通販や在宅ワークも社会の中で定着しつつある昨今、このような市場の動向をある意味無視したともいえなくもない点も気になるところです。

上記の記事の新神戸駅周辺というエリアでさえ、このようになる現実を知ると、この再開発が失敗した場合、エリア丸ごと廃墟空間となる可能性も考えられるのかと感じます。

仮にそのようになっても、数十年の月日がかかるわけですから、中年の私がそれを目にすることはないかもしれません。ただ、将来この福岡市の再開発は、やってはいけない行政主導の事例になるのかもしれないと思っています。

先の福岡市のHPのように、いいことしか起こらないという思考は私には強い違和感があります。こんなことをして、うまくいかなかったときはどうするつもりなのか。

再開発完了から15年~20年後くらいに一つの転換点があるのかもしれません。その可能性の一つが外資による買収でしょう。もしかしたら、目の肥えたアジアのディベロッパーは既に目をつけているのかもしれません。

彼らのためにせっせと雨後の筍のようにビルを建てているのだとしたら、未来の世代に大変なことをしているのかもしれません。

人間ですから、失敗することだってある。

それを織り込んでプロジェクトは進めるべだと思う私には、すでに私の脳内では、天神はバーチャルな廃墟空間になっています。
久しぶりに『ブレードランナー』を観たくなりました。

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