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少子化は社会をどのように変えていくのか(1)【深刻化するバス運転士不足とその先にある甘受すべき社会】

全国の路線バスの運転手のなり手がないという問題は日々深刻化しているようです。

大阪府富田林市の金剛バスが路線バス事業からの撤退を表明したのは、衝撃的なニュースとして取り上げられました。

それを端に発し、全国各地でバスの運転手さんが不足している現実が露呈しています。

福岡市に本社のある西日本旅客鉄道のバス部門(西鉄バス)は、全国最大級のバス保有台数と路線網持っています。

市内をくまなく走る毛細血管ともいえるほどのきめ細かな路線を維持するには、当然大量の運転士を確保する必要があります。

その西鉄バスも運転士不足に直面しているようです。

これは、かなり問題として大きいようです。

西鉄バスは、この問題に手をこまねていていたわけではありません。将来を見越して、運転士採用に手を打っていました。

そのため、今、福岡市内のバスでは若い運転士さんを見かけます。上記の対応で採用された方が現場にでているのでしょう。

ただ、それでも供給が追い付かない運転士不足という現実にさらされると、西鉄のようにある程度の資本力があると当然このような動きも出てきます。

この取り組みは、自然な動きとは思うものの、この方向性が何を誘発するのかといえば、

プロドライバーは、将来性のない仕事なのでは?

という不安感ではと感じます。

将来性のない分野に人材は来ません。さらに、今の時代、社会は劇的に変化しています。そして、その急激な変化に誰もが適応でききるわけではありません。

そのため、機械に置き換わる可能性のある分野は労働市場として魅力的に映らず、厳しい選別にさらされる。

自動運転技術開発を未来を拓く技術にするためには、人をどう生かすかをセットで考えないと、産業に深刻なダメージを与える可能性があることを考えないといけないのだろうと思います。

持続可能という点では、労働も同じであって、

「これからは、雇用は流動化します。リスキリングも必要です」と労働者を追い立てていく未来が待っているとは思いますが、それが私たちの生活を豊かにするのかは立ち止まってよく考える必要があるのではと思います。

そして、この問題に拍車をかけているのが少子化による影響なんだろうと思っています。

団塊ジュニア世代が生み出すはずだった、人口ボーナスを自ら捨てたこの国の政策の致命的な誤りをこれから、私たちの社会は少子化という形で答え合わせをしていくのだろうと思っています。

これまでの当たり前と思っている基盤を破壊していくのが、少子化であると見るべきなんだろうと思っています。

今後も少子化という視点で社会を見つめ、考えを書いていければと思います。


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