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化学重要問題集:良問紹介①

新企画として、化学重要問題集の良問を紹介していきます。

お手元に化学重要問題集2021年版があれば、その問題番号と対応させてみてください。

初回は、苦手な人の多い気体の問題です。

56:東京薬科大05年の問題です。(1)~(4)の構成です。

(1)真空条件で、水3.6gを加えたとき、90℃での圧力を求める。

(2)真空条件で、水3.6gを加えたとき、60℃での液体の水の量を求める。

となっています。

水は、蒸気で常温で液体にも気体にもなれる物質です。そのため、各温度での飽和蒸気圧(気体でいられる限界の圧力。p-tグラフ上。Pㇹとする)を現在の状況が上回っているかどうかをチェックします。

気体と仮定して圧力Pを状態方程式に代入して

P>Pㇹならば一部液化。 P<Pㇹならば気体。で判断します。

(1)はP<PㇹなのでPが答えです。 

(2)P>Pㇹなので一部液化しています。

なので、Pㇹを状態方程式に入れて、気体の水の量(水蒸気の量)をしらべて全体の3.6gから引いて求めます。

(3)体積を2倍にしたとき、60℃での液体の水の量を求めよ。

体積を2倍にしているので、気体の水の量(水蒸気の量)は2倍になっています。(2)の過程で求めた水蒸気の量を2倍にして全体の量3.6gから引きます。

(4)20℃の空気を入れた場合、水3.6gを入れた容器の60℃での圧力をもとめよ。

(4)は混合気体となります。よって求める圧力は全圧でP全=P空気+P水となります。

P水は60℃での飽和蒸気圧なので、空気が60℃となった場合の圧力を考えるとよいと分かります。体積一定なので、PとTが比例なので、比例式から60℃での圧力を求めます。

PとTが比例(P÷T=一定)は名前こそついていませんがよく登場します。

気体の基本がたくさん詰まっている良問ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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