見出し画像

地方私立大学の受難

今回は、地方の私立大学が置かれている状況について。

山口県周南市にある徳山大学が公立化されて周南公立大学となるようです。

山口県内では、かつて東京理科大学の系列、山口東京理科大がありましたが、ここも公立化され、山陽小野田市立山口東京理科大学になっています。

都会の方からすると、税金を投入してまで、経営難の大学を救済する必要があるのかと思われるかもしれませんが、地方の実情からすれば、納得のいくところでもあります。

高校卒業時点で、地元を出ていった若者は、雇用の受け皿が乏しいこともあり、新卒はおろか、Uターンであってもほとんどが戻ってきません。
多くの地方自治体は、そのデータを掴んでおり、危機感をもっていると思われます。
若い人を地元に繋ぎとめることで、県内就職に目を向けてもらいたいという県、市町村あげての悲願があるのではと思います。

また、公立化によって偏差値が上向く例もみられています。
上記の山口東京理科大学薬学部は、他の国公立大学薬学部と比較しても遜色ない数字をとっています。
こういうパターンは少ないかもしれませんが、自治体が公立化に踏み出す動機にはなっているのではと思います。

地方の私立大学の経営は厳しく、閉校に追い込まれた学校もチラホラみられています。プロ野球楽天ゴールデンイーグルスのエース、則本昂大投手の母校、三重中京大が記憶に新しいところです。

これらの最大の原因は、地方都市の衰退であることは間違いところです。

地方に住んでいると、発展とは何かを考えされられます。

福岡市は神戸市を人口で抜き、発展していると言えますが、九州人の肌感覚では、九州のあらゆるリソースを福岡市が吸い上げていると感じなくもありません。
福岡県内の北九州市や久留米市はその影響を強く受けています。

アメリカのスタンフォード大学のように地域に大学があることで、その地域を支える企業を生み出すこともありえます。地域に知的拠点をつくることは大切なのではと私は思います。

ただ、それは大学に個性が必要でもある。
地方の私立大学はそれが求められているのだろうと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?