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2022年九大数学総括~文系編~

九州大学2022年の数学の総括をしています。
今回は文系編です。理系編はこちら

・出題と難易度
大問4問で、形式は例年通り。
[1]関数と直線の関係(やや易~標準) 
[2]空間ベクトル(やや易~標準)
[3]因数定理と三次方程式の解と係数の関係(やや難) 
[4]微積分の定義と性質の論証(やや難)

取り組みやすい[1]と[2]、手強い[3]と[4]の色分けがハッキリしたセットだった。文系数学としては、[3]と[4]は経験が乏しいこともあり、難易度以上に取り組みにくかったと思われる。

・論証重視は文系でも・・・
理系数学同様に文系数学でも論証重視の傾向が見て取れる。問題がほぼ共通化されている[4]だけでなく、[3]は論理性をダイレクトに問うていると思う。合否に直結した訳ではないような印象もあるが、九大文系数学でもここまでは出ますよというメッセージ性はあったと思う。

・対策
数学の立ち位置をしっかりすることが文系受験生には求められていると思う。私立を数学で受験する人は、数学をしっかりと対策するメリットはむしろ強くなった印象がある。難易度上限が『文系数学の良問プラチカ』(河合出版)に到達したように思われるので、優先順位を高くとることは、理にかなっている。また、それは九大以上を視野に入れている受験生にとっても好都合だろう。

一方、私立は社会という受験生は、[1]、[2]をしっかりと確保する戦略になる。数学は、マイナスを避ける程度に留め、英語、国語はしっかりとスコアできるようにしたい。高望みしない戦略は、じっくりと基礎を固めるメリットもある。『基礎問題精講』(旺文社)から始めては、どうだろうか。

・文系の数学
実はもっとも他の受験生を引き離すことが可能となるのが数学。英語は、かなりできる人はできるし、国語は才能のある人は、ほぼノー勉でもある程度スコアしてくる。一方で、このように語学系に強い受験生は、数学が苦手にしている場合が多い。文系受験生にとって、数学はコスパのいい教科でもある。参考書ルートを研究し、自分にあった戦略を立てるとよい。


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