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等式を満たす自然数が存在しないことを示す方法とは?(九州大:数学2014年)

いよいよ2次試験が迫ってきました。
今回は、九州大の論証問題について、触れておきます。
問題はこちら。

今回は(3)について扱います。
「存在しない」ことを示すわけですので、存在すると仮定して矛盾を突くという流れですね。背理法の活用です。

ただ、どうやって示すか。さらに何を示せば、等式を満たす自然数が存在しないのかが難しいですね。

ポイントは、自然数であることです。自然数は、上限は無限ですが、下限(最小値)は有限で、最小値は存在します。

このような状況の場合、無限降下法という手法が便利です。

無限降下法の場合、最小値付近の矛盾を狙っていきます。

本問の場合、(2)でa^2+b^2=3c^2・・・①を満たす、自然数a、b、cはすべて3で割り切れることがわかっているので、

・最小値を仮定し、それより小さい最小値の存在を示す。
 →最小値の不存在を示し、自然数は最小値が存在することと矛盾する。


・①を満たす自然数は、3の因数をもつので、例えば、a=3a1と置くと、a1も①を満たすので、a>a1>a2・・・と無限に3割り切れてしまい、自然数としての最小値が存在しない。
 →無限に割り切れてしまう数に最小値はなく、それは自然数ではない


ことが分かります。

無限降下法的には後者の方がいい証明かなと思いますが、受験生がつくる答案としては、前者の発想で十分かなと思います。
なので、

と示すことができます。

本問は、2020年の熊本大に類題の出題がありますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。


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