見出し画像

最大値の等価交換(滋賀大)

今回は、滋賀大の問題を扱います。問題はこちら。

長さの最大値の問題ですね。
・・・ですが、長さの情報は、ネーミング以外は何もありませんね。
とりあえず、図形を描いて考察しましょう。

向かい合う辺と角の情報がわかるので、定石通り正弦定理を活用するのかなと考えます。

すると、①の式が出てきます。

ここで大切なことは、この変形が数学的に何を意味するかを考えることです。
今回は、長さの情報が角度の情報に変換されていると解釈できそうです。

Aは角度が分かっています(π/3)から、長さの情報から変換された角度の情報は、さらに∠Bか∠Cに統合できますね。

ここも定石通り、1変数関数に統合します(今回はBに統合)。

すると、①、②より、a+b+cは、∠BのsinBの情報に統一されます。

第3項は、面倒であれば、加法定理で開けます。今回はそれで解きます。

あとは合成で良さそうですね。

ここまで来れば大丈夫でしょうか。
a+b+cの最大値の問題は、sin(B+π/6)の最大値に関する問題に変換されました。

となります。

本問は、長さの最大値を三角関数の最大値に交換する問題でした。
本来は、長さと三角関数という価値の違う最大値を繋げるという数学らしい問題でした。

その橋渡しをするのが正弦定理の情報でした。

の変形が数学的に何を意味しているかを考える習慣が大事ですね。
本問は、その意識を高めてくれる問題ではないかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?