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浜島先生のハイレベル解説もよいのですが・・・(^^;【名問の森19保存則】

受験生からの質問です。河合塾の浜島先生の名著、『名問の森』(河合出版)の解説が分からないとのことでした。
問題はこちら。

カエルが飛び上がることで、皿A,Bとおもりが動くので内力を考察する問題ですね。浜島先生は、皿A,Bとおもりについて、斬新な視点で解説しておられるようです。・・・が、これに受験生がついていけなかったようです。

個人的には素晴らしい着眼点と感じますが、試験でその視点でみることができないこともありそうですので、

普通の視点で解きなおしています。

まず、(1)ですが、皿A+B+質量を一つとみなして、カエルと皿A+B+質量の2物体と見て考察します。
カエルが跳びあがることで生じる力は内力ですので、運動量保存則が成立します。
最初は、カエルも皿A+B+質量も静止しているので、

となります。

(2)については、エネルギー保存則で解く問題ですね。
カエルが飛び上がることで、位置エネルギーが生じ、これがカエルと皿A+B+質量の運動エネルギーに変換されるとみることができます。

(3)は(1)~(2)とは異なる視点が必要ですね。
考えるのは、カエルと皿Aの距離なので、どちらかの視点で見ることが必要です。これは皿Aに乗っている人からみると考えていいのではと思います。
よって、相対速度を考える必要があり、
さらに、相対加速度も考える必要があります。
(現役生は相対加速度に慣れていない人も多いですが、とても大切な視点なので、しっかりとマスターしましょう)

本問が難しいのは、皿A+B+質量を一体とみて、運動方程式を立てて皿Aの加速度を出すことができないことです。
皿Aと皿B+質量で別個に運動を立てて加速度を求めてください。また、共通の加速度ですので、皿Aの方向を決めた場合、皿B+質量の正の方向は逆になるので注意が必要です。

カエルと合わせて考察すると

となります。(カエルの加速度をa1、皿A(皿B+質量)の加速度をa2としています)
※向きが気になる人は、正しい向きを考えて加速度を設定して、相対加速度の導出の際に調整してください。

後は、カエルと皿A+B+質量の二物体としても考えます(本問は皿Aとの関係と見ても問題ありません)

個人的には、この程度の問題であれば、じっくり考察して解く方が実力はつくのではと感じますが、受験生によってはスパッと解きたい人もいるでしょうから、浜島先生の解法をマスターするのもいいでしょう。

選択肢は多くあった方がいいので、ぜひ両方の解法で解けるようにしておきたいですね。



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