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私的ワサビ栽培覚書1

自分で育てるなら甘い果実よりも、ぴりっとしたスパイス系が欲しいな、という事でここ数年はワサビ栽培を続けている。
一昨年ぐらいまでは苗を買っては枯らす、という事を繰り返してきたのだが、昨年から本腰を入れて栽培に取り組んでみた。
今回、採種から苗を育てるまでの年間を通してワサビ栽培(家庭菜園ですが)をしてみた際の知見をここに覚書として書いていこうと思う。

環境温度によって栽培容易さが激変するワサビ

巷の情報では「ワサビ栽培をお手軽にやってみましょう」という感じで書かれている事が多いような気がする。が、自分がやってみた経験から言えば、季節によって栽培容易さの振れ幅が大きいのがワサビ、と断言できる。


冬~GWまではイージーモード

1月~2月ぐらいにホームセンターなどでワサビの苗が売り出されます。
手始めはそれを購入して、葉ワサビ栽培を目指した方が良いようだ。


GW以降夏越しはスーパーハードモード

平均温度が25℃を超えると軟腐病などが発生しやすくなり、夏越しをするのが途端に難しくなる。ワサビ栽培が難しい、と言われているのは主にこの部分だと思う。
栽培している場所に湧き水などが湧いていれば、夏越しも簡単だと思う。


種を残す

苗を早春ぐらいのタイミングで買った場合、春先(3月末~GWくらい)に花芽が出る。

次年度以降もワサビ栽培にチャレンジしたいのであれば、種取りはしておいた方が良い。というのも、ワサビ苗は条件が良いタイミングだと結構高額(398円~)だからだ。
(GW近くになると割引価格で購入できるかもしれないが、そのから収穫できる大きさになるまで育てる前に、気温が高くなるので、おそらく上手く行かない)
葉ワサビや茎ワサビをコンスタントに楽しみたいのであれば最低7~8株ぐらいは欲しいから是非来年度のために種取りをしておこう。

種については書籍によれば種が出来る中ごろの時期が良い、と書かれていたが、自分的にはどの時期でも問題ないようだ。
(後述するように、冷蔵庫保管であれば採取した種はほぼ発芽した)

ワサビの種は寒い所に置いて休眠させる必要がある。種を湿らせた新聞紙にくるみ、穴を開けたビニール袋に入れて冷蔵庫に保管する。
文献によると三か月ほど保管すればほぼ発芽するらしいが、今回は半年ほど冷蔵庫に放置して、自然に発芽するまで待った後、根が生えてきた種から順次栽培用土に植え付けた。

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育て方

今回はプランターを使って育ててみた。10月上旬から発芽した種を順次プランターに蒔いている。
寒い時期なので、そのままだと育ちが悪い。
ビニールなどで被覆すると、丁度良い温度帯になるようで生育が良くなる。プロでも冬場の育苗はビニールハウスで行うとの事。

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肥料については、市販の液体肥料を1000倍か、場合によってはもっと薄める。毎日水やりをして週に1回肥料をまく、と書いてあるかもしれないが、2日に1回か毎日でも問題ない。
冬場から春にかけて、ビニールハウス内で育苗するとぐんぐん成長するので、肥料分はふんだんにあった方が良いようだ。

プランターについてはある程度容積のあるものの方が栽培しやすい。
今回、上の写真のような容積多めのプランターと育苗用の底の浅い容器で栽培を行ってみた所、4月ぐらいまではどちらも遜色なく育てる事が出来たが、温かい時期になると浅い容器の方はそれ以上株が大きくなり難かった。

幸い、ワサビは植え替えが容易なので、順次大きめのプランターなどに移植するようにして栽培を続けている。

収穫

大きくなった葉から順次採っていく。一株からは同時に1本ずつぐらいの方が良さそう。
栽培を続けてしばらくすると脇芽も伸びてくる。そのタイミングになれば一株から数本採っても大丈夫。
虫食いや形の悪い、色が悪い葉っぱはそのまま育てても良くはならないため、順次葉かき(葉を取る)をした方が良い。そうすると新しい芽がぐんぐんと育つ。
(ぐんぐんと育てさせるために肥料分を切らさないようにした方が良さそう)

夏越し栽培

夏越し栽培が難しいが、今回は湧き水のあるポイントにワサビを避難させつつ、残ったワサビを日陰で栽培にチャレンジしてみるつもり。

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とりあえず、手作りで水温・気温を測るIoT機器を製作し、日々環境を監視する事にした。

参考文献

農文協 「新特産シリーズ ワサビ 栽培から加工・売り方まで」

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