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空飛ぶクルマの社会実装を目指してヘリコプターでの運航実証を行いました!

 みなさん、こんにちは!スマートシティ推進担当です。
 スマートシティ推進担当では、民間企業による空飛ぶクルマを活用したサービス提供を目指して、社会実装支援を行っています。
 令和6年2月、都の支援対象であるコンソーシアム(三菱地所株式会社、日本航空株式会社、兼松株式会社)が、ヘリコプターを空飛ぶクルマに見立てて運航実証を行いました!今回の記事では、その様子をご紹介します!



▷空飛ぶクルマとは?

 さて、「空飛ぶクルマ」といっても、どんなもの?他の航空機とは何が違うの?と疑問に思われる方も多いかと思います。
 「空飛ぶクルマ」に明確な定義はありませんが、「電動」、「自動(操縦)」、「垂直離着陸」が1つのイメージとなっています。eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)とも呼ばれ、国内外のメーカーで機体開発が進められています。
 従来の航空機と比較して構造がシンプルであることから、将来的には、量産化により製造コストは高級自動車を下回るとともに、自動化により運航コストはタクシーと同程度になる可能性があると言われています。また、音に関してもヘリコプターと比べると小さく、静粛性に優れるとされています!

(2018年3月19日 経済産業省 第6回産業構造審議会 製造産業分科会資料より抜粋)


▷ヘリコプターによる運航実証について

 コンソーシアムは、令和6年2月の5日間、ヘリコプターを空飛ぶクルマの代替として使用し、一般から広く募集したモニター(乗客)を乗せて運航実証を行いました。運航ルートは、遊覧を含む以下の5つです。

【運航ルート】


▷新丸ビル屋上での実証の様子

 5つの運航ルート中、4つのルートは新丸ビルの屋上を離着陸地点としていたため、私たちは新丸ビルの屋上と、隣接する丸ビルの2か所から運航実証の様子を確認しました。

 お台場側の離着陸地点である、ゆりかもめ青海駅南側特設会場からやってくるヘリコプターを新丸ビル側から待ちます。(写真は新丸ビル屋上を、隣接する丸ビルから撮影した様子)


 ヘリコプターがお台場側を離陸したと連絡が入ってから10分ほどした頃、ヘリコプターが新丸ビルにやってきました。


 ヘリコプターは着陸態勢に入り、新丸ビルの屋上に着陸しました。(写真は新丸ビル屋上にて撮影)
 お台場側で搭乗された乗客の方がヘリコプターから降りられ、ヘリコプターは新丸ビルからお台場側に向かうお客様を乗せるための飛行準備を始めました。


 飛行準備を終えるとヘリコプターはお台場側に飛び立っていきました!


▷新丸ビル屋上での検証

 将来の空飛ぶクルマの利用には、ビルの屋上を離着陸場とするニーズが想定されることから、今回の検証では、新丸ビルの屋上を離着陸場として活用し、離着陸時の新丸ビルや近隣ビルに与える音や風の影響等を検証しました。
 今回の検証ではヘリコプターを使用していますが、検証の結果、離着陸の際、ビル屋上ではヘリコプターから吹き下ろす風(ダウンウォッシュ)が強いものの、新丸ビルや近隣のビルの設備には風の影響がなかったことが分かりました。
 また、離着陸を行った新丸ビル屋上では、ヘリコプターのエンジン音や長いブレードが生み出す風切り音のため、大きな音が発生したものの、それ以外のエリアでは大きな影響は生じなかったことが分かりました。空飛ぶクルマは、基本的にモーターや短いブレードのローターで飛行するため、離着陸場の近くであっても、ヘリコプターほどには大きな音は発生せず、それ以外の場所では環境音レベルまで低下すると予想されます!


▷お台場側離着陸地点での実証の様子


 さてこちらは、お台場側の離着陸地点である、ゆりかもめ青海駅南側特設会場です。こちらは、新丸ビル屋上に移動する便と、遊覧便の離着陸場所になっています。


 ヘリコプターは飛行準備に入りました。今回は遊覧便のため、ヘリコプターはゆりかもめ青海駅南側特設会場を出発し丸の内方面に向かい、その後こちらの特設会場に戻る予定です。


 ヘリコプターは乗客を乗せ離陸しました。


離陸してから、約15分後ヘリコプターが遊覧を終え戻ってきました。


 ヘリコプターはスムーズに着陸を行い、これにて遊覧は終了です! 


▷モニターアンケートの結果

 今回のヘリコプターによる運航実証では、すべてのルートでモニター(乗客)を募集し、実際にご搭乗いただいた上でアンケートを行いました。アンケートでは、実際に空飛ぶクルマを利用する場合の利用用途や頻度など、様々な観点から回答を頂きました。
 アンケートの結果、空飛ぶクルマの利用用途は、「遊覧」が最も多く、2番目は「山間部の移動」、3番目が「都市間の移動」という順番となりました。また、利用頻度に関しては「年に数回」や「月1~3回」との回答が多く見られました。さらに、空飛ぶクルマの離着陸場については、「駅周辺」や「オフィス街」という回答が多く、アクセスが良いところに離着陸場のニーズがあることが分かりました。


▷おわりに

 今回はヘリコプターを代替に使用した運航実証の様子をお届けしました。  
 世界では、今まさに空飛ぶクルマの開発競争が繰り広げられています。今回のヘリコプターでの運航実証で得られた結果も活かしながら、少しでも早く都内で空飛ぶクルマの社会実装が実現できるように引き続き支援を行っていきます!