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MaaSの実証を行いました part2

 みなさん、こんにちは!前回はMaaSの3つのプロジェクトのうち、多摩地域で行われた2つの実証についてご紹介しました。今週は、もう1つの実証についてご紹介します。

安心・安全な移動をいかに提供するか

 新型コロナウィルスによって、商業エリアを中心に来街者が大きく減っている現状があります。そのような中で、安心・安全な移動手段をいかに提供するかが、大きな課題になっています。
今回ご紹介するのは、そのような課題に取り組んだ、臨海部におけるMaaSです。

ナビタイムジャパン株式会社・KDDI株式会社を中心とした臨海エリアの実証

 臨海エリアは「エリアまでの移動利便性」・「エリアでの回遊性」という以前からの課題に加え、With/Afterコロナでの移動需要減少の課題も抱えておりました。
 こちらの課題の解決にあたり従来のMaaSサービスに加え、Withコロナでは安心・安全な移動を提供すること、そしてAfterコロナを見据えて将来の移動需要を喚起しておくことを目指し、株式会社ナビタイムジャパンとKDDI株式会社を中心に、東京臨海高速鉄道株式会社、一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会、株式会社ドコモ・バイクシェア、株式会社ゆりかもめと共同で2021年2月25日から2021年3月22日に実証を行いました。

Withコロナでの安心・安全な移動

 まず、Withコロナでの安心・安全な移動のサポートとして提供した機能をご紹介します。
 利用者が混雑するエリアの把握やエリアを避けて移動できるように混雑エリアマップ機能の提供を行いました。「KDDI Location Data」を活用し、エリアの混雑状況を9段階に色分けをした地図を見ることで混雑状況の把握が可能になっております。

 混雑エリアマップの利用者数としては10日間で1,983人と多くの人に利用いただけました。また、安全な移動に関するアンケートを実施し、安全な移動に必要なものとして「エリアの混雑情報の提供」が必要と回答した人が28.4%と最も高くWithコロナにおいても有益な情報であることがわかりました。

 その他にも本実証では、ナビタイムジャパンの経路探索技術を活用し、「電車の混雑予測の表示」や「混雑回避ルートの提供」、オープンエアモビリティであるシェアサイクルを含んだ「マルチモーダルルート検索の提供」など、利用者の安全な移動をサポートする機能を取り揃えていました。

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Afterコロナを見据えて将来の「おでかけ需要を喚起」

 次に、Afterコロナを見据えて将来の「おでかけ需要を喚起」についてご紹介いたします。

 緊急事態宣言により観光客の減少や現地への誘客が難しい状況であったため、Afterコロナを見据えた将来の見込み訪問者を獲得すべく、おうちで楽しめるコンテンツ「Enjoy!おうちでお台場」として大きく2つの取り組みを行いました。

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 1つ目としてはすでに臨海エリアに興味がある人に対して、臨海エリアの各施設の紹介動画やデジタルコンテンツを特設サイトで提供しました。
 具体的には各施設の協力のもと、施設の紹介動画や各施設に関するクイズ、学習コンテンツ、ペーパークラフトなど、臨海エリアの魅力を伝えるコンテンツを提供しました。
 実証期間内に625人(835回表示)と1ヶ月弱と短い期間での公開となりましたがたくさんの方にリーチすることができました。

 2つ目としては臨海エリアにまだ興味を持っていない人に対して、お台場の一部を3Dスキャンしたバーチャル空間上に、お台場を舞台としたTVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」にゆかりのある場所を回遊できるコンテンツを提供しました。
 具体的にはTVアニメゆかりの3箇所のスポットを巡り、TVアニメに登場する子猫の「はんぺん」を探して見つけると、アニメ内に使用された楽曲をバーチャル空間で楽しめる内容となっています。

 こちらはVRの先進性と全国にファンがいるラブライブ!のコンテンツ力による効果が大きかったため、3,765人に体験いただきました。また、コンテンツ体験者の59.7%が現地に関心を持つ結果となり需要を喚起することができました。

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本実証のまとめ

 本実証では将来の移動需要の喚起に関する以下の数値目標・KPIを達成することができました。

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 今後も安心・安全な移動のサポート機能を充実させ、Afterコロナでは将来の移動需要の喚起だけでなく現地への移動や現地の施設やイベントと連動したサービスを提供することで、エリア全体への送客効果に貢献し、活気につながればと考えています。

最後に

 2回にわたり、都内でのMaaSの実証についてご紹介してきました。これらの実証で達成できたこと、もっと挑戦したかったこと、様々ありましたが、各エリアとも関係者の創意工夫と情熱で、MaaSの社会実装に向けて大きな一歩を刻むことができました。
 デジタルサービス局では、これからも、デジタルの力で社会を変える取組を支援していきたいと思います。