見出し画像

台湾のまちの電波状況を調べてきました!

 皆さん、こんにちは!つながる東京推進課上野です。台湾政府やその他関係機関等を訪問し、データ利活用や官民共創の取組について意見交換を行うために、台北に出張してきました。私は普段、5Gエリア拡大に係る業務を行っていますので、台北市の電波状況に興味があり、出張の際にまちの状況を調べてきました。今回の記事では、その内容についてお伝えします。


◆台北市内の5Gについて

 台湾では、通信5社が5Gサービスを提供しており、人口カバー率は94%です。
(日本では、通信4社が提供しており、都の人口カバー率は99.8%)
 
 国家通訊伝播委員会(NCC)が公表した2022年の通信市場レポートによると、5Gのモバイル通信サービスは20年6月末に開始しましたが、普及率が27%にとどまっていて、4Gサービスの開始2年後の62%と比べ、普及が遅れています。主な5G使い放題プランは4Gより高い上に、4Gと5Gの違いが分かりにくく、担当者は、今後10年以上、4Gと5Gの共存が続くと予測しています。
 
 台北市内の通信速度は、私のスマートフォンのアプリで計測したところ、松山空港付近では230メガ、市政府駅付近では130メガでした。都が実施しているスループット調査では、東京駅丸の内駅前広場では、概ね20メガから250メガとなっており、東京都とほぼ同じとなっています。
 東京と同じく、街中ではスマホで動画視聴をしている方やオンラインゲームをしている方を多く見かけました。
 
 台北市内でも日本と同様に、建物の屋上にアンテナ基地局が設置されていました。特に、建物の屋上にアンテナ基地局が非常に密集して設置されているところもありました。

西門駅付近のビルの屋上に設置されたアンテナ基地局
中正記念堂付近のビルの屋上に設置されたアンテナ基地局

◆台北市内のWi-Fiについて

 台北市では、Taipei Freeという公衆Wi-Fiサービスを提供しています。この公衆Wi-Fiサービスは、台北メトロの駅構内及び改札付近、市所有施設などで利用することができます。私が接続したスポットでは、どこも安定して接続することができました。
 また、台湾のデジタル発展省が観光客等に提供しているiTaiwanという公衆Wi-Fiサービスもあります。こちらは、観光案内所付近で利用することができました。私が接続した松山空港にあるスポットでは安定して接続できました。​
 Taipei FreeとiTaiwanのどちらもユーザー登録が不要で、利用規約に同意するだけで利用することができました。また、Taipei FreeとiTaiwanそれぞれのホームページで利用可能なスポットを地図上にマッピングして公開しています。
 
 地下鉄の駅では、旅行者がアプリで検索している場面をしばしば目にしました。私自身も、市内の移動の際は、公衆Wi-Fiに接続して地図アプリで目的地の検索を行うことができて、とても便利に感じました。

Taipei Freeのアクセスポイント

◆台北市に設置されているスマートポールについて

 現在台北市では、スマートポールの実証実験を行っています。市政府のすぐ近くにスマートポールを設置しています。市のご担当者に伺ったところ、スマートポールには、監視カメラ、Taipei Freeアクセスポイント、5Gアンテナ基地局、EVチャージやサイネージの機能を持たしているとのことでした。また、街路灯の点灯について、決まった時間に点灯するのでなく、辺りが暗くなったことを自動で判断して、点灯する仕組みとなっているようでした。 ​

市政府付近に設置されているスマートポール
スマートポールのEVチャージ

◆おわりに

 今回の記事では台湾の台北市内の電波状況について紹介しました。特に、出張で訪れたまちの中心部について、概ね5Gネットワークにつながっており、快適だったことが印象に残っています。
 東京都でも、都の今後の取組やロードマップ等を示した「つながる東京」展開方針を策定していますので、都内でも都民が同じように快適に感じる環境を目指して取り組んでいきたいと思います。