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Smartとパブロバ

オーストラリアで食されている代表的なクリスマスデザートと言えば、Pavlova(パブロバ)。

88歳のオーストラリアに住むおばあちゃんから、パブロバって日本でも食べられているのか?と聞かれた。おばあちゃんの質問はいつも興味深く、なかなか考えてなかったことを質問してくれるため筆者の興味関心の幅が広がる。

全くもって甘党ではない筆者、オーストラリアの一般的なデザート(スーパーに売られた既製品)を食すのはなかなか厳しいのが本音ではある。食べている最中に歯が痛くなるし、使用されている精製された砂糖の量を考えると自分の膵臓に「お前、大丈夫か?」と聞きたくなる。

中学生の頃にお菓子作りを得意だった友人が、いきなりお菓子作りをやめたことをよく思い出す。彼女の作る繊細な菓子が好物だった筆者にとって、その決断はショックだった。友人はお菓子作りをやめた理由を、「どれだけ砂糖が入っているかが目に見えて、恐くなったから辞めた」と語っていた。

食べ物に全く気を使ってなかった若かりし頃、その友人がなぜ恐くなったのか?正直分からずこの言葉の意味を数年考えていた。友人の言葉の真意が今ならわかる。これだけ砂糖の弊害を教えられてきた我々世代にとって、甘いすぎるデザートを口に入れた瞬間「ああ、やってしまった」と後悔の念がよぎるのだ。

もちろん、砂糖はエネルギーに変換されるため、人間の活動に不可欠ではある。しかし、意識して砂糖摂取量を調整しないと、現代人の摂取量は簡単に「過剰」になる。そして、「過剰」な砂糖は、多かれ少なかれ体の炎症反応を助長し、なんらかの不具合を体に生じさせる。

ただ、最近思うのだ。デザートは人間を幸せにしてくれる。それは、一時的な幸福感だけではなく、コミュニケーションの場所を用意してくれるツールでもある「甘いものが好き」という共通嗜好を持った人間が、同じテーブルを囲んで食べる時間はコミュニーケーションの幅を与えてくれ、色とりどりのデザートは、主食とは違った楽しみを与えてくれる。

今年のクリスマスに食べたパブロバはそんな時間を与えてくれたデザートだったように思う。土台はメレンゲで、サクサク、又は、フアフアな食感が特徴的。メレンゲの上に生クリームと果物がトッピングされ、果物のジューシーさとメレンゲの相性がとても良い。パブロバの土台となるメレンゲは甘いのだが、上にトッピングされた生クリームで甘さを調節できるし、果物が口の中をリフレッシュしてくれる。

酸味のあるパッションフルーツをかけるとより美味しさが増す。パブロバは、暑いオーストラリアのクリスマスにはなくてはならないデザートである。酸味と甘さのマッチングが「素晴らしい!」のだ。

そんなパブロバに関する、おばあちゃんからの質問。。。日本ではあまり一般的ではないというのが筆者の認識であるが、どうなのだろうか?
もしまだ一般的に食されていないのなら、夏のデザートとして人気が出そうな気がする。

筆者の食べたパブロバ。もう少し綺麗に撮れば良かった…! 現物はもっと美味しそうであり、この写真は確実に筆者の撮影技術の問題。是非、パブロバについてhappymarusanの美しい絵を参照いただきたい。


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