【Expert noteコラムVol.5】在庫管理の仕方②応用編:POSでの管理とWMSでの在庫管理
スマレジDevelopers Expertによるコラム連載Vol.5は在庫管理ソフト「ロジクラ」との連携アプリをアプリマーケットにリリースいただいている株式会社ロジクラの久野さんに執筆いただきました。
今回は前回に引き続き在庫管理の仕方第2弾(全3記事)となります。
第1弾は、Excelを用いた在庫管理をご紹介いただきました。
事業者さまの中には、店舗販売だけでなく、オンライン販売や卸販売を展開されている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、店舗で利用するPOSシステムでの在庫管理と倉庫で利用するWMSでの在庫管理について、ご紹介させていただきます。
POSレジとWMSの違い
POSとは「Point of Sale(販売時点情報管理)を意味する言葉で、POSレジは主に店舗で使われます。商品が売れた際にリアルタイムでデータを照合して会計し、売上額や販売場所などの販売情報を自動的に収集します。1日の終わりに売り上げに関する情報をまとめて集計するのではなく、販売した時点で常に情報を管理できる点が特徴です。
WMSとは、倉庫管理システムを意味する言葉で、主に倉庫で使われます。 入出庫業務や保管場所管理、棚卸しを正確かつ効率的に行えます。EC注文配送が増えたり、SKU数の多い商品を抱える事業者にとっては、欠かせないシステムといっても過言ではありません。
POSレジを使った在庫管理
発注・入荷・出荷の管理
発注情報を登録して、店舗スタッフに「いつ・何が入荷するか」入荷情報の共有・通知をします。複数店舗がある場合には、発注時に各店舗に配分したり、過去の発注履歴、入荷履歴、出荷履歴が蓄積され、検索が可能です。
複数店舗の管理
複数店舗での販売をされている場合、店舗間での在庫移動や倉庫からの在庫補充・取り寄せといった「拠点間の在庫移動」が発生します。また、他店に対し出庫依頼をしたり、入庫予定に基づいて検品数や欠品数を入力したり、と仕入れ・入庫・出庫までのデータを連携して管理します。
スマレジでは、iPad、 iPod touchなどの端末から操作が可能なため、店舗での取り寄せもお客様をお待たせせずに対応できます。
在庫の履歴照会
仕入、出荷、在庫移動、販売まで、履歴を参照することができるので、特定の商品を追跡したいときに、時系列を追って確認が可能です。
仕入れの日時
保管店舗(倉庫)
販売日時
在庫差異やクレームの発生時の原因の追究に役立ちます。
棚卸
棚卸機能は、好みにあわせて3つの管理方法があります。
予定していた在庫数に対して、実数を数値で入力する方法
商品をスキャンし、棚卸しする方法
予定数を紙で出力し、棚卸しする方法
在庫差異の把握や棚卸し中の販売数に対する調整も可能です。
関連記事:現場が語る、棚卸しをミスなく最短で終わらせる方法
上記の在庫管理機能は、スマレジのリテールビジネスプランで利用できます。店舗で在庫管理をされる場合は、「リテールビジネスプラン」で使い勝手を試してみてください。
出典:【スマレジ】小売店向け最上位プラン!高度な在庫管理について。
WMSを使った在庫管理
バーコード管理
在庫管理をする場合、在庫の入出荷を正しく記録することが基本となります。Excelや在庫台帳といった紙ベースの記録・管理に、限界を感じてはいませんか?
「バーコード」を用いて在庫管理する事で、正確でスピーディな入出荷管理が可能になります。商品マスタにバーコード情報を登録、管理することで、バーコードをスキャンし読み取るだけで商品の入出荷を記録できます。より正確な在庫管理ができ、作業時間も短縮されます。
入荷検品
商品が入荷したら、個数や状態を確認します。これを検品と言います。
商品には輸送時に傷がつく可能性もあるため、入荷の段階で把握することで、販売できる商品点数を正しく管理でき、欠品を防止することができます。
検品時に不備のあった不良品は、良品と分けてデータに反映させ、正しい在庫数が確認できるようにしておきます。
ロケーション管理
商品が「どこに」「いくつ」格納されているかを把握します。
商品の格納状況が把握できていない場合、出荷の際に商品を探すのに時間がかかったり、他の商品を格納するスペースがなくなったりしてしまいます。
棚にはそれぞれ棚番号、列番号、段番号などを割り当てておくと後の作業が行いやすいです。格納場所は適当に決めるのではなく、ルールに基づいて決定しましょう。
ピッキング・出荷検品
ピッキングとは、商品を格納した保管場所から必要な商品を必要な数だけ取り出す作業です。入庫時にロケーションルールに基づいて格納と在庫の入力がしてあれば、ピッキングは楽に行えます。
商品のバーコードをスキャンすることで、ピッキングした商品とお客様の注文した商品が一致しているか確認し、誤出荷を防止します。一致していれば、運送業者に配送依頼をする送り状伝票を発行・貼り付けして出荷します。
店舗とは別に通販配送や卸向け出荷など、倉庫での在庫管理を手軽に始めるなら、スマホで管理できる「ロジクラ」の使い勝手をぜひ試してみてください。
POSレジとWMSを活用した在庫管理
スマレジの特徴として、API連携で拡張できる機能の幅広さが挙げられます。その中でも、倉庫のオペレーションをスマホで効率化する在庫管理システム「ロジクラ」を導入すれば、店舗と倉庫のリアルタイムな在庫連動が実現します。
「スマレジ」は店舗
「ロジクラ」は倉庫
2つの側面からオペレーション効率化を推進します。では、「スマレジ」×「ロジクラ」連携の特徴をご紹介します。
スマホ活用でコスト削減
在庫管理を正しく、効率的に行うためにバーコードリーダーでの読み取りは有効です。ロジクラは、スマホをバーコードリーダーとして代用できます。バーコードリーダーの購入費おおよそ30万円を削減できるだけでなく、操作に慣れているスマホを活用すれば、従業員の教育コストも削減効果も期待できるでしょう。
参考動画:ロジクラの使い方|棚卸しの操作方法
過剰在庫および欠品の防止
スマレジの在庫とロジクラの在庫は、APIでリアルタイム連動しています。そのため、店舗と倉庫(EC)の在庫を分ける必要がなくなり、過剰在庫を防止できます。
昨今「店舗受取(BOPIS)」や「ショールーム型店舗」など多様な販売形態に対応していく事業者が増えています。欠品が発生しないよう運営するために店舗と倉庫(EC)の在庫を区別して管理しているケースでは、余分な在庫を持ちすぎている可能性が高いでしょう。
欠品への懸念、過剰在庫をクリアにするには、リアルタイムでの在庫反映が鍵となります。ロジクラの在庫管理はスマレジに瞬時に反映されるため、オムニチャネル対応を可能にします。
ヒューマンエラーを低減
「スマレジ」×「ロジクラ」の連携で2つの観点からヒューマンエラーの低減が可能です。
まず1つ目がスマホスキャンにより、目視に頼らない検品ができる点です。商品を確実に一つずつ読み取ることで、検品精度が向上します。
2つ目が倉庫(EC)と店舗間の在庫に対し、余計な人の手を介さなくても良い点です。システムがそれぞれ分かれていると、CSVデータの作成、読み取りなど、何かとヒューマンエラーを起こしやすくなります。ヒューマンエラー低減とその工数の削減効果は大きいといえるでしょう。
詳しくはこちらもご覧ください
「スマレジ 」連携について
まとめ
店舗の在庫管理は「スマレジ」、倉庫の在庫管理は「ロジクラ」で。
無料で始められるため、まずは登録をして、POSシステムと在庫管理の使い勝手を試してみると良いでしょう。
そのうえで、必要であれば有料の「リテールビジネスプラン」やAPI連携を検討してみましょう。使い方次第で、事業効率化・販売促進に役立つはずです。