[Tech]スマレジのリリーススピードを支えるQAエンジニアの「最短でリスクを排除する」思考法
本日の記事は、スマレジの品質を支えるQAチームより金森がお届けします。
スマレジではこんな感じで品質管理をしているんだなぁ、と少しでも興味をもっていただけると幸いです。
はじめに
「スマレジ」「スマレジ・ウェイター」「スマレジ・タイムカード」は、合わせると年間100回以上のアップデートが行われています。(2021年4月期は124回。だいたい2営業日に1回はアップデートがあった計算になります)
日々行われる新機能の実装、機能改善、バグ修正。
そんな中、一人のQAエンジニアとしてどのような考えで品質管理をしているのか。
チームとしてではなく、個人の取り組みをお話できればと思います。
※QAチームとしての取り組みはWantedly採用ページを参照ください。
最適なテスト技法の選択
スマレジ製品は、日々新機能開発や、ユーザビリティ向上に向けての機能改善、バグ修正が行われています。
もちろん、QAエンジニアの業務も止まることはありません。
スピードが求められる中で私が特に意識しているのは、
「最短でリスクを排除すること」です。
そのための手段として、最適なテスト技法の選択を行っています。
では、最適なテスト技法ってなんでしょうか?
基本的に、スマレジ製品のテストを行う際は主要となるテスト技法のほとんどが使用されていることになります。
ブラックボックステスト技法
・同値分割法
・境界値分析
・デシジョンテーブルテスト
・状態遷移テスト
・オールペア法
経験ベーステスト技法
・探索的テスト
・エラー推測
この中からどのテスト技法を使用するかは、テスト対象やスケジュール等で選択肢が大きく変わります。
ただやみくもにすべての技法を使用してテストすればいい!
ではなく、テスト戦略を立てて都度最適な技法を選択してテストをすることで、より大きな効果を得ることができます。
例えば、ソフトウェアテスト7原則に、
「バグゼロの落とし穴」
というものがあります。
これはまさしくその通りで、私も正直バグゼロは考えていないです。
与えられた期間で、ユーザーが如何にストレスなく使用できる品質に持っていくか。
この意識を持つようにしています。
ユーザーの業務を止めてしまうようなクリティカルバグの検出はもちろんですが、まずは「最低限の使用感の保証」にスポットを充てて、実現させるためにはどの技法が最適かを常に考え、選定、実践しています。
やらない理由を明確化できる「JSTQB資格」
ソフトウェアテストの資格として、
「JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board) 認定テスト技術者資格」というものがあります。
Foundation Levelであれば、所持している方も多いのではないでしょうか?かく言う私も「JSTQB FL」を所持しています。
では、資格保持をしていると、どういうときに役立つのでしょうか?
体系的に学んだソフトウェア知識により、より精度の高いテスト観点を抽出できる
テスト技法の適切な使用
テスト関連業務の効率化
この3つが特に活きていると感じています。
テスト観点は精度が高いに越したことはありません。
ですが、ただ観点を増やせばいいというものでもないのが曲者です。
テストに使える限られた時間の中で、いかにクオリティゲートを通過できる品質までもっていくのか?
そのためには、テストの取捨選択が必要になります。
取捨選択自体にもJSTQBで学んだことは役に立ちます。
ただ、それ以上に、捨てたテストに対しての理由を明確に説明できることが大きなメリットであると考えています。
一部のテストを「しない」という選択は、バグを検出できないリスクを秘めているということです。
コストとリスクの諸刃の剣ですね(言いたかった)
チームを納得させることができる説明をするのは簡単ではないですが、ソフトウェアテストの知識と、JSTQBという共通言語でスムーズかつ正確にコミュニケーションが取れるようになり、QCDバランスの最適化に近づくことができます。
※あとはシンプルに、知識があることでテストが楽しくなります。地味にこれが一番大きいかもしれないです。笑
QAエンジニアとして成長するための取り組み
私は、まだまだQAエンジニアとして新米です。品質管理という仕事に対し、やりがいとむずかしさの両方を感じています。
その中で、
どうしたら自分がもっと社会に貢献できるのか?
を考える日々です。
何が足りないのかを模索し、今自分にできることを実践している最中となります。
⇒資格がすべてではないですが、QAエンジニアとしてスキルアップのために絶賛勉強中です。2022年2月12日の試験の受験「可」との通知が来たので、合格したい。。。!
⇒前職の同僚やSNSのエンジニアフレンドはいますが、人脈を広げつついろんな方の考え、経験を知るために活動中です。いつか、登壇者として自分の知見を広める方にも回りたいと密かに思っています。
今回はチームではなく、一人のQAエンジニアとしての活動をお届けしました。これからも、より良いスマレジ製品を皆様にお届けできるよう精進してまいります。
>>「いい未来をつくる」テストエンジニア(QA)を募集しています<<
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?