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あの歌の続きは…

 a sequel


 これまで数々のヒット曲が生まれてきましたが、その中には、続編が作られた曲がありますね。

 タイトルに「Ⅱ」や「PART2」、「第二章」などと付けられていると分かりやすいんですが、必ずしもそういう曲ばかりとはかぎりません。
 また、「Ⅱ」と銘打たれていても、実はアンサーソングで、同じテーマについての別視点からの歌になっていたりして、決して "続き" ではない曲も多かったりするんです。

 ということで、今回は、前曲を受けて、曲の中の登場人物たちのその後が描かれた "純粋な続編" について "note" していきたいと思います。


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 山口百恵さんの「プレイバック PART2」や、ドリカムの「未来予想図Ⅱ」など、続編の方が有名な場合もありますが、基本、あるヒット曲に対して作られた続編は、原曲を越えてヒットすることは稀です。
 そのため、続編を知らなかったんだけど、それは知らないままの方が良かったと思う方もいるかもしれません。
 そういう方は、以下、続編の内容に触れていきますので、ご注意ください!



◎Classの「夏の日の1993」と「冬の日の2009」


「夏の日の1993」

 作詞:松本一起/作曲:佐藤健/編曲:十川知司 

 「夏の日の1993」はタイトル通り、1993年にリリースされたデュオグループ "classクラス" のデビューシングルです。

1993 恋をした oh 君に夢中
普通の女と思っていたけど
Love 人違い oh そうじゃないよ
いきなり恋してしまったよ
夏の日の君に

 爽やかな曲で大ヒットしたんですが、歌詞の方は、主人公の男性が、いつもとは違った女性の水着姿を見てトキメイて恋をする!って内容だったので、恋心ではなくて下心じゃないかと、かなり批判も出た曲でした。(現代だと考えられない歌詞ですが30年前ですからね)
 まあ、バリバリの男性目線歌詞ではありますが、ふとしたことで相手を意識し始める時ってあるんですよね~、うんうん。(←何かあるのか?w)

 そして、この曲の続編では、男性の恋は成就したのか? また、その後の二人がどうなったのかが描かれています。


「冬の日の2009」

 作詞:松本一起/作曲:佐藤健/編曲:enzo 

 メンバー変更による新生 "classクラス"の再始動シングルだった曲なんですが、主メンバーの津久井克行さんの逝去により、残念ながら最後のシングルとなった曲です。

Love 想い出は oh あの日のまま
今からもう一度始めよう

まるであの頃と変わらないね
Ah 振り向いた君の
遠い夏の日僕にだけ見せた
その笑顔 その涙

 曲調は同じですが、1993年から2009年なんで13年後の続編です。
 ちょっと微妙なんですが、冒頭の歌詞を見ると、水着にときめいて恋をしたという彼の思いは成就したみたいです。
 ただ、「もう一度始めよう」ってあるので、その後も紆余曲折があったようですね。

あれから長いときが過ぎて
忘れかけてた胸の鼓動
思えば君は僕のそばで
ずっと今まで微笑んでいてくれた
永遠に一緒さ

2009 愛してる oh 君がすべて
見慣れた笑顔をたどればときめく
Love 今日からは oh 泣かせないよ
このままもう一度始めよう
冬の日の君に

 「水着」も「プロポーション」も出てきません!
 彼の心をトキメかせたのは、変わらない彼女の「笑顔」でした。
 この「冬の日の2009」は、二人のその後だけでなく、彼の成熟も感じさせて、恋が愛に変わった様子がうかがえるのです。



◎J-WALKの「何も言えなくて…夏」と「もう一度…」


「何も言えなくて…夏」

 作詞:知久光康/作曲:中村耕一/編曲:J-WALK

 1991年にリリースされた ”J-WALK” の大ヒットシングルなんですが、見た目も渋めだったんですが、歌詞も渋いんですよね~(上司の持ち歌だったため、50回ぐらい聞かされてますw)

時がいつか 二人をまた
初めて会った あの日のように導くのなら
二人して生きることの 意味をあきらめずに
語り合うこと 努めることを 誓うつもりさ
「私にはスタートだったの。あなたにはゴールでも」
涙浮かべた君の瞳に
何も言えなくて まだ愛してたから・・・

 内容については「私にはスタートだったの。あなたにはゴールでも」って印象的な歌詞に集約されると思います。
 付き合っていた二人の思いがすれ違って、女性から別れを告げられて、絶句してしまう場面の歌なんです。

 さて、お別れしてしまった後、この二人がどうなったのかというと…


「もう一度…」

 作詞:知久光康/作曲:杉田裕/編曲:JAYWALK

 「もう一度…」は2008年にリリースされたシングルです。
 この中で、あの二人が偶然に出会った様子が描かれています。

"乗り換える駅 間違えただけ"
そんなことしか言えない俺を見つけて
人をかき分け君はここにいる
二度と逢えない人だったのに

忘れたことなんてなかったけど
そんな気持も口にはしなかった
"急いでたの?"って尋ねてくれた その声は
もう夢でしか聞けないはずだった

君にもう一度 恋をしてたのさ独りで
二人もう一度 恋に落ちる夢を見ていた

 1番の歌詞を見ると、なんと彼女の方から見つけてくれたみたいです!
 男性にしてみれば、ほんと夢のような瞬間です。

 まだ、何かが再び始まったわけではないんだけれど、もう一度… と、予感をはらんだ内容ですね。
 個人的にはこの歌を聴くと、事件で脱退したボーカルの中村さんが、いつか ”J-WALK” で歌えるといいなと思っちゃいますね。



◎松田聖子さんの「赤いスイートピー」と「続・赤いスイートピー」


「赤いスイートピー」

 作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆

 言わずと知れた、聖子さんの1982年の大ヒット曲なんですが、恋する少女の気持ちがストレートに伝わってくる名曲です。

 ただ、歌詞の中では

何故 知りあった日から半年過ぎても 
あなたって手も握らない

何故 あなたが時計をチラッと見る度 
泣きそうな気分になるの?

 などと歌われていて、年上と思われるこの男性は、彼女とは一線を引いてる感じのとこが切ないんですよね。

 さて、この二人がどうなったのか、その後が描かれているのが、ずばり「続・赤いスイートピー」なんです。


「続・赤いスイートピー」

作詞:松本隆/作曲:Steve Kipner・Linda Thompson・David Foster/編曲:David Foster

 あのデイヴィッド・フォスターをプロデューサーに迎えたアルバム『Citron』に収録されていたのが、この「続・赤いスイートピー」でした。

 2番の歌詞で、その後どうなったのかが具体的に描かれています。

幸福な結婚してると聞いた時
何故かほっとした
優しいあなたには 優しい人がいい
女らしくておとなしい人が

 結局、二人が結ばれることはなかったようです。
 でも、どうなんでしょう、駅のベンチに座っていた二人には、あの後、進展があったのでしょうか…
 聖子さんにとって10代最後のシングルだった「赤いスイートピー」と、26歳で歌った「続・赤いスイートピー」…
 この6年ちょっとの間に起きたことを想像しちゃいますよね。

 歌詞の中には、あーだったら、こーだったらという仮定の部分が出てくるのですが、それが、駅のベンチでの前の事なのか、それとも後のことなのかは判然としないんで、やっぱり謎は残るんですよね~
 最後の歌詞にある「わがまま」とは何だったのか…    気になりますよね。

もしもわがままを言わずに
生きれば運命は違ったの?


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 聖子さんの歌った続編曲には、もう一曲「想い出の"渚のバルコニー"」という曲があります。
 ただ、今回は、基本、同一作詞者のものを紹介させてもらいました。

 ちなみに、続編の方が有名な山口百恵さんの「プレイバック PART1」と「プレイバック PART2」については、同じ阿木燿子さんの作詞なんですが、純粋な続編って感じではないんで、今回はラインナップから外しているのでご了承ください。(気になる方は、PART1の方をどうぞ)

「プレイバック PART1」
 作詞:阿木燿子/作・編曲:馬飼野康二

 「プレイバック」というモチーフは同じですが、主人公は違う女性だと思うんですけど、どうでしょう。



 他にも続編曲はあると思いますので、ぜひ、皆さんの好きな続編曲を教えてください!(中森明菜さんの「北ウイング PartⅡ」については、また、別の記事にしていく予定です)