「新規販路」と「ラポール形成」の起点となるウェブラジオを立ち上げ!4ヶ月間の支援内容を全公開
3年以上にわたる新型コロナの影響で、世の中のマーケティングのあり方は大きく変化してきました。
かつて主流であった交流会やイベントが大きく減少。かわりにインターネット広告・webマーケティングの市場はこの数年でさらに拡大してきました。2021年のインターネット広告の市場媒体費は前年比107.7%、1兆8,912億円まで拡大し、継続した成長が続くと予測されています。
こうしたwebマーケティングの発展とは対照的に、士業や保険会社などの「ラポール形成(顧客と担当者の信頼醸成)」を重視する業界では営業に苦戦されている方も多くいらっしゃいます。
webマーケティングを活用するプロダクト型の営業とは異なり、会社や経営者の人柄を理解してもらい、信頼関係を醸成することが必要な「ラポール型営業」においては、未だに交流会やなどに置き換わる販路開拓の手法が確立されていません。
この「ラポール形成」の重要さに気づいている一部のプレイヤーは、すでにYouTubeやウェビナーなどで情報発信を積極的に行い、新たな販路を確立しています。
しかし、オンライン交流会は時間的な制約が強く、YouTubeは編集コストが高いため、ひとりで運営していくのはとても大変なことです。
そこで現在注目されているのが、VoicyやPodcastといったウェブラジオ。
動画コンテンツとくらべて伝えられる情報は少ないものの、文字だけのブログやSNSと比べると「ラポール形成」や「人柄理解」に大きな効果があることから、音声配信に取り組む企業・経営者が増えています。
そうした背景から、私たち株式会社スモールスタートでは、音声配信によるマーケティング伴走サービスを立ち上げました。音声配信は、声や話し方がダイレクトに伝わるので、人柄を伝えることにぴったりな媒体です。
本プロジェクトの成果
プロジェクトの概要と成果
協力クライアント
社会保険労務士法人ONE HEART
代表 社会保険労務士 吉田優一様
本記事でご紹介する事例企業はONE HEART様
単純な労務相談にとどまらず、バックオフィスのIT化に課題を持つ企業と多く契約しており、幅広い支援を展開しています。
クライアントの背景・課題
ONE HEART様は2021年2月に開業し、口コミでの集客を中心に顧客獲得をしてきました。
しかし紹介数には限りがあることに課題を感じていたそうです。
今後事業を拡大していくためには、口コミ以外のチャネルが必要だと考える一方で、何から手を付けるのが正解かわからないという状態だったと言います。
そこで、スモールスタートはマーケティング支援のためにONE HEART様の抱える課題の言語化を行いました。
その結果、「人柄理解」のステップが足りていないことがわかりました。これは士業に限らず、どんな業種でも抱えるマーケティング課題です。
ちょうど小規模事業者持続化補助金に申請できるタイミングで、費用の対部分を補助金でまかなえることもあり、即決でご契約いただきました。
プロジェクトを進めるステップ
プロジェクトは大きく2つのフェーズに分かれています。
まずは企画フェーズです。初月にアンケートと競合調査を実施し、ラジオのコンセプトを固めていきました。
次は実行フェーズです。実際に配信を行いながらPDCAサイクルを回していきます。
具体的なスケジュールは、下図の通り設定しました。
1回90分で4本分の収録を行い、週2本ずつ配信をしていくサイクルです。
具体的なプロセス
私たちスモールスタートでは、ラジオの企画〜収録〜配信にわたるあらゆるプロセスで徹底した「仕組み化」を行なっています。
本記事でご紹介するプロセスは、これからPodcastを配信する事業者の方にとっても参考にしていただける点が多くあるかと思います。より詳しい話を聞きたい方は、ぜひホームページよりお問い合わせください!
1ヶ月目【コンセプト設計・収録準備】
最初の1ヶ月で着手したのは次の3つです
コンセプト設計
初回収録分のテーマ決定・台本作成
収録準備
■ コンセプト設計
まずは、ONE HEART様のポジションについて仮説検証と言語化に取り組みました。
顧問先へアンケートを行ったところ、契約前に給与設計に何かしらの課題を抱えているお客様が半数以上であることが判明しました。
また、契約の決め手は「レスの早さ」と「経営者目線での提案」であることがわかったのです。
これを受けてチャンネルの方向性を「給与・報酬に強い」「経営者視点がある」社労士という路線に決定しました。
事前にアンケート・調査を行なったことで、配信者の独りよがりのコンテンツではなく、ターゲット視聴者である経営者の共感を得る音声コンテンツを作り上げます。
■ 初回収録分のテーマ決定・台本作成
コンセプト設計の次は、初回収録テーマのブレストを行いました。
経営者が知っておきたい給与設計にはどんなネタがあるか。
ONE HEART様の労務・人事の知識をベースに、どんな切り口・味付けすれば経営者に興味がある内容になるかをブレストしていくことで、コンセプトからブレないテーマを洗い出しました。
その中から、初回収録分として4つのテーマをピックアップ。
口頭でONE HEART様から伺った内容を基に台本を作成し、スモールスタートメンバー全員で、経営者目線で聞いて面白いコンテンツになっているかを確認しました。
■ 収録準備
以下のことを、初月で準備しました。
機材手配、プラットフォーム手続き
Anchorアカウントの作成
アシスタントパーソナリティの手配
音声配信では、テーマ設定と同じく収録の環境構築も大切です。人柄で第一印象が重要なように、音声配信も番組として「どれだけ作り込まれている印象を与えるか」は聞き手の最初のモチベーションを左右します。
そのため、今回のプロジェクトでは高性能なマイクの貸与、現役アナウンサーのアシスタントパーソナリティを手配しました。1人で話し続けるより会話形式の方がテンポを作りやすいため、音声配信に慣れていなくても良いコンテンツを作りやすいです。
アシスタントパーソナリティの安田さんには振り返りにもご参加いただきました。
アナウンサーならではの収録のコツや音声配信全体のノウハウ提供いただいたことも、チャンネル全体のクオリティアップに繋がっています。
2ヶ月目【初回収録・配信スタート】
2ヶ月目に行ったのは次の3つです
配信スケジュール作成
初回収録
編集・配信手続き、SNSでの発信
■ 配信スケジュール作成
安定して週2本配信をしていくために必要なスケジュールを策定しました。
事前に全体像を決めておくことで、ムリなく進めることができます。
■ 初回収録
初回はアシスタントパーソナリティも含めて、収録内容を改めて口頭確認してから録音を開始しました。
事前に台本を作成していたので、1本目から結論から順序だててストーリーを形成できていました。
一般的に再生回数が多いと言われている10分以内に収めることができたのも、台本のおかげだったと感じます。
■ 編集・配信手続き、SNSでの発信
余計な音や空白をカットし、BGMをつけるなどの編集を行いました。
その後は音声配信プラットフォームAnchorを通じて、配信を開始。
現在はAnchor、Spotify、Apple Podcast、Google Podcastsで配信されています。
また、Twitterでの告知も行いました。添付する図解もスモールスタートで制作しています。
ラジオ配信のデメリットとして、「ラジオを聞かないと内容が伝わらない。ゆえに拡散されにくい」という点があります。この点を解決するために、SNSと相性の良い図解コンテンツを制作することで、リツイートやインプレッションの増加につなげています。
3ヶ月目【分析・改善】
3ヶ月目に行ったのは次の3つです
定量的に配信結果の分析と振り返り
収録・配信内容に関するフィードバック
テーマを網羅的に出すために曼荼羅を作成
■ 定量的に配信結果の分析と振り返り
約1ヶ月半かけて10本の配信が完了したタイミングで定量的な振り返りを実施しました。
振り返りの結果、Twitterのインプレッションが高いのに対し、再生回数が伸びていないことがわかりました。
そこで、再生回数が伸びない理由を「図解が添付されることにより音声配信のサムネが表示されないから、音声配信と認知されにくい」と仮説を立て、配信告知と図解を時間差でツイートする形に変更しました。
時間差ツイートを行なった結果、後半の配信では一定の再生回数改善を達成することができました。
■ 収録・配信内容に関するフィードバック
さらに、定性的な振り返りをするために制作に携わっていないスモールスタートのメンバーがリスナーとしての感想をフィードバックしました。
スモールスタートのメンバーは現役の会社経営者や、デジタルマーケティングの専門家などで構成されています。それぞれが日頃からインターネットラジオを視聴しているというバックグラウンドもあり、チャンネルを充実させるために有意義なものになりました。
具体的な内容としては以下の通りです。
経営者目線で聞いて面白いコンテンツになっている
導入が唐突で聞きづらい印象
台本っぽさが抜けておらず聞いていて引っかかる
ここから、台本っぽさをなくすためにあえて台本を作成しないやり方を始めました。音声配信をスタートした直後は台本を作成して丁寧に。一定慣れてきたら、自然な会話を意識するために台本をあえてなくしていく方法を採用しています。
■ テーマを網羅的に出すための “曼荼羅” 作成
さらに給与設計というコンセプトから離れない、かつ網羅的なテーマだしを継続していくための方法として、曼荼羅のフレームワークを取り入れるようになりました。
“曼荼羅” について
元ネタはメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が高校時代に作成した、通称「大谷曼荼羅」。9×9のマスを作り真ん中にコアとなるコンセプトを据えます。大谷選手であれば「8球団からドラ1指名」。今回のラジオであれば「給与設計に強い社労士」がコアコンセプトになります。
そのコアコンセプトを支えるために必要な要素を周りの8マスに書き出します。さらにそれぞれの要素を支えるために必要な小項目を8つずつ上げるわけです。
この曼荼羅の作成によりテーマが枯渇することがなくなりました。
また、類似テーマを並べて「シリーズ」にするなど、配信そのもののバリエーションを広げるきっかけにもなりました。
4ヶ月目【マンネリさせないための仕掛けづくり】
配信が重なってくると、どうしても似通ったコンテンツが増えてきたり、目新しさを失ってしまうものです。
そういったマンネリを回避し面白いコンテンツを配信し続けるため、以下の2つに取り組んでいます。
テーマの軸ずらし
コラボ企画
■ テーマの軸ずらし
給与設計というテーマに対して、全く違う角度から切り込むといつもと違う面白さが生まれます。
初めての挑戦は漫画「キングダム」の内容を給与という視点で考察しています。
キングダムはビジネスパーソンからの人気が強い作品で、キャッチーなため再生回数も伸びました
■ コラボ企画
さらに配信の内容に幅を持たせる試みとして、コラボ企画にも取り組んでいます。
初回は、吉田さんの知人にゲストに来ていただきました。社労士以外の視点がはいることで、新鮮な回となりました。現在、第2弾を計画中です。
振り返り
プロジェクトも終盤にさしかかって、音声配信は「人柄営業」に有効だと再認識しています。
「見たことも話したこともない人」よりも圧倒的に「ラジオで声や話し方などの雰囲気を知っている人」に親しみを感じるからです。
結果的に、ラジオ配信を通じた採用決定や新規案件獲得というケースも生まれていると、吉田様からもお話がありました。
いかがでしたか?この記事を通して、スモールスタートの実際の支援内容が少しでも伝わっていれば幸いです。
以下のような課題をお持ちの方は是非一度ご相談ください。
紹介や口コミでの集客に限界を感じてる
「人柄」の伝え方に悩んでいる
新規のクライアントと信頼関係をすばやく構築する術を探している
個別相談も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
以下のホームページからお問い合わせいただけます。
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