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精神腫瘍科の先生に、自分の状態を訴えてみる ~とあるOLの乳がん日記【65】

65.

タクシーで会社を出発して、思ったよりずっと早く病院にたどり着いたので、よかったと思った。
道中しかめ顔で目を閉じていたので、運転手さんにはまるで、重病人のように見えたかもしれないと思った。

イレギュラーな外来なので予約機に行っても仕方ないと思って、とりあえず、1階で自動受付をせずに、そのまま精神腫瘍科のフロアに向かった。
そこの受付で、急遽さきほど電話で予約した旨と事情を話すと、とりあえず待合室で座って待っててくださいと言われたので、部屋の隅っこで身体を倒して横になった。そうしたら受付の人が枕と掛けタオルを持ってきてくれたので、有難かった。

無理やり予約をねじこんでもらったので、診察の時間まで結構待つと言われたけれど、ここに来られたのでいくらでも待てると思った。
どれくらい待っていたか覚えていないけれど、自分の番号が呼ばれたので部屋に入った。

前とは別の先生なので、ここに至るまでの経緯をざっくりと話して、とにかく今は、動悸と胸が詰まる感じと不安で押しつぶされそうでしんどいので、なんとかならないかと伝えた。
先生は色々と、そういう場合は、こういうふうに考えたらどうかとか、気分の持ちようの方法を丁寧に教えてくれたけど、正直、今自分に起きていることは、そういう気分を変えたらなんとかなる、というレベルだとは思えなかった。

そして、その先生は、ちゃんと処方された薬を飲んでいれば元気になれると言って、私はその薬が原因で、今のような状態になったような気がしていたので、薬を飲むのが怖いと言ったけれど、そんな怖がらずに習慣のように飲んでいくといいと言った。

考えてみれば当然だけど、自分の担当じゃない患者さんの場合は、基本的にその担当の先生の方針に従うことになっているらしいので、とくに劇的に何か改善されるような何かがあるでもなく、診察は終わってしまった。

もう夕方過ぎだったので、会社には直帰する旨を連絡した。
家まで電車で帰れるか不安だったので、タクシーを使うか迷ったけれど、さすがに高いので、我慢して電車で帰った。
家に帰っても調子は戻らなくて、しんどいまま無理やり寝た。なかなか寝られなかったけれど、目を閉じていたらいつの間にか寝たみたいだった。

そうしたら夢に友達が出てきて、自分がガンになったことや、抗がん剤のことで悩んでいることとかを話すかで迷っていた。
話そうと思ったら、友達はどんどん先に行ってしまって、お願いだから私の話を聞いてほしいと呼んだら目が覚めたので、漫画みたいな夢だなと思った。

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