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レンタルした「おっさん」さんと会う日になる ~とあるOLの乳がん日記【53】

53.

お葬式の次の次の日、ついに「おっさん」さんと会う日になった。
朝、「おっさん」さんから、待ち合わせ場所はどこにするかの連絡が来ていたので、待ち合わせ場所の連絡をした。最寄り駅の近くの、お気に入りのカフェにした。

そのカフェはものすごく広いけれど、なかなか人気のあるカフェなので、早めに行って席をとっておこうかなと、約束の時間よりも大分早く家を出た。

カフェは、少し前にオーナーが変わって、名前も変わってしまったけれど、内装はほとんど変わっていなくて、来るのは久しぶりだった。
と、何気なく看板を見たら、そのカフェは時短営業中だった。

私は「おっさん」さんを「2つ」、2時間購入していて、これだと途中で場所を変えることになってしまうので、慌てて場所を変えることにした。
このあたりは駅前だから、お茶ができる場所なんていくらでもあるけれど、なるべく広くて、空いている場所がいいと思って、すぐさまピンときた場所があったので、最初の待ち合わせ場所から、徒歩1分くらいのところに場所を変えた。
「おっさん」さんに新しい待ち合わせ場所と、自分の今日の姿と、座っている場所を連絡して一息つくと、飲み物を注文した。


たぶん、「おっさん」さんと話すと、看護師さんと話しているときみたいに泣き出すと思ったので、周りに誰もいない、隅っこがいいなと思ったけれど、なかなかいい場所を陣取ることができなかったので、まあ仕方ないなと思った。
そうしたら「おっさん」さんから、人身事故があったので遅刻するという連絡が来たので、え、と思った。

店の閉店時間を確認すると、2時間だとやっぱり閉店時間を過ぎてしまうことがわかったので、慌てて頼んだ飲み物を一気飲みして、店を出た。
飲み物を頼んでから5分も経っていなかったので、お店の人から見たら変な人だったろうなと思った。


今度はどこにしようと、辺りをウロウロしたけれど、みんな同じような時間帯に閉まるので、困ってしまった。
幸いなことに、「おっさん」さんは、まだ到着しないようだったので、とりあえず店が決まるまで、駅から動かないでもらえるように連絡して、駅ビルに向かった。

最寄り駅の駅ビルだから、私にとっては庭みたいなもので、レストランフロアに向かうと、早足で歩いて、人がほとんどいないお店を見つけると、そこに飛び込んだ。
お店の人に、あとから1名来ますと告げてから、「おっさん」さんに新しい場所を連絡すると、すぐに、向かいますねとの返事が来た。
そんなこんなで、会う前からあまりにもドタバタしてしまって、すでに、ちょっとくたびれていた。

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